松坂城跡が大好き!松阪手作り甲冑愛好会「松坂氏郷隊」のみなさんに、三重県出身の写真家・浅田政志さんがインタビュー
掲載日:2021.12.15
松坂城は戦国時代、織田信長や豊臣秀吉に仕えた武将・蒲生氏郷(がもううじさと)によって築かれた城。三重県出身の写真家・浅田政志さんが松阪手作り甲冑愛好会「松坂氏郷隊」のみなさんに、松坂城跡や、蒲生氏郷を讃える「氏郷まつり」についてインタビューしました!
松坂城は戦国時代、織田信長や豊臣秀吉に仕え、豪商のまち松阪の礎を作り上げた武将・蒲生氏郷(がもううじさと)によって築かれた城。現在も豪壮な石垣が残っており、2011年には国の史跡に指定されました。今回は、蒲生氏郷を讃える「氏郷まつり」の武者行列に参加する松阪手作り甲冑愛好会「松坂氏郷隊」のみなさんに、三重県出身の写真家・浅田政志さんがインタビュー。松坂城跡や、氏郷まつり、甲冑作りについて聞いていきます。
記事内には、浅田政志さんが撮影した写真もあります。要CHECK!
映画「浅田家!」の原案者でもある浅田政志さんのプロフィールはこちらから
■目次
- 1.国指定史跡・日本100名城の松坂城跡について
- 松坂城跡に、なぜ銀杏の木があるのか?
- 2.松坂城跡や松阪のまちを武者行列!氏郷まつりについて
- 3.小さいお子さんからご高齢の方まで参加!甲冑づくりについて
- 4.浅田政志さん撮影写真
1.国指定史跡・日本100名城の松坂城跡について
松阪手作り甲冑愛好会「松坂氏郷隊」のメンバーは、松坂城や武将・蒲生氏郷に惹かれて甲冑作りをスタートさせた方も多いそうです。「松坂城跡の中でも、好きなところは?」と浅田政志さんが聞くと、3名とも口をそろえて「石垣です」と即答。
松坂氏郷隊・加藤さん 【野面(のづら)積み】というのですが、天然の石を加工せずに積んでいるんですよ。それがもの凄くかっこいい!
熱を込めて、加藤さんが話してくださいました。
野面積みの天守跡に登り、カメラを構える浅田政志さん。
松坂氏郷隊・加藤さん 築城には大量の石が必要だったので、松阪近郊の石という石が集められたそうです。古墳時代の石棺まで混じっているんですよ。
浅田政志さん 古墳時代!すごい。
松坂氏郷隊・加藤さん 天正の時代の野面積みも立派ですが、江戸時代に修繕された箇所もあります。石垣一帯から歴史を感じることができて、ワクワクするんです。
石垣の中に、ハート型の石を発見!これは「猪目(いのめ)」と呼ばれる魔除けだそうです。「全国各地のほかの城にも、ハート型の石があるそうです」と加藤さんが教えてくださいました。敵襲や災いから身を守るための、大事なおまじないなんですね。
松坂城跡に、なぜ銀杏の木があるのか?
松坂氏郷隊・西岡さん 松坂城跡には大きな銀杏の木があります。銀杏の木って神社やお城によくあるイメージですよね。なぜ銀杏の木を植えるんだと思いますか?
浅田政志さん えっ?なんでだろう…。
松坂氏郷隊・西岡さん 火災から守ってくれるんですよ。銀杏の木の葉っぱは、水分を多く含んでいるので、火事になった際、火が回りにくくなります。むかしから大事な場所には銀杏の木を植えたそうです
浅田政志さん へえ~~!ちゃんと理由があるんですね。
2.松坂城跡や松阪のまちを武者行列!氏郷まつりについて
氏郷まつりは、総勢300名ほどで武者行列を作り、松坂城跡や、松阪駅前周辺商店街を中心に練り歩くお祭り。武者行列は、初代松坂城主の蒲生氏郷や、織田信長の娘であり氏郷の奥方である冬姫、鉄砲隊、槍隊、侍女、少年少女武者隊などで構成。毎年11月3日に開催され、なんと15万人以上が訪れるそう。大人気のお祭りなんですね!
※2020・2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止
松坂氏郷隊・西岡さん 2011年の第50回氏郷まつりで、初めて松坂氏郷隊が手作りの甲冑を身に着けて出場することになったんです。それまで武者行列は氏郷、冬姫、小姓などの100名ほどでしたが、2019年には武者行列が松阪だけでも120名ほど、県外から200名近くの人たちが来てくれました。
浅田政志さん すごいですね!
松坂氏郷隊・西岡さん 小さな子どもや、女性の甲冑部隊、外国の方の部隊も20人程いて、かなりにぎやかになりました。
浅田政志さん 松坂氏郷隊を結成して、甲冑づくりをスタートさせたきっかけは何でしょうか?
松坂氏郷隊・西岡さん もともと私が松阪の祇園祭で神輿(みこし)を設計して作っていたところ、神輿が作れるんだったら甲冑も作れるでしょと声を掛けてもらい、始まったんです。
西岡さんは「自分の甲冑を作ることよりも、市民のみなさんに甲冑づくりを教え、楽しんでもらうこと」に重きを置きながら、松坂氏郷隊のリーダーとして活動を続けているそう。
3.小さいお子さんからご高齢の方まで参加!甲冑づくりについて
氏郷まつりが開催される際は、毎年5月から甲冑作りの教室が開かれ、半年かけて参加者が思い思いの甲冑を制作します。
松坂氏郷隊・西岡さん 最年少で小学校5年生くらいから、最高齢で90歳の方まで、幅広い年齢層の方が参加しています。
西田さんが甲冑作りを始めたきっかけについてお聞きしました。
松坂氏郷隊・西田さん もともと左官屋で、何かを作りこむのが好きなんです。それと、刀や槍、火縄銃などの骨董も好き。地方新聞で甲冑作りの公募をみて、同級生4~5人と一緒に応募しました。
職人気質な西田さん。こだわって取り組む甲冑づくりが楽しくてたまらないそうです。
浅田政志さん 西田さんの甲冑、かっこいいですね!
松坂氏郷隊・西田さん 嬉しい!ありがとうございます。昔の武将たちの中には、1領(1組の甲冑の単位)2000万円ほどかけて作った人もいたとか。
加藤さんは2013年に東京から松阪にUターンし、甲冑づくりに参加しました。
松坂氏郷隊・加藤さん 大学から東京に出て、そのまま東京で就職しました。退職後、松阪に戻ってきたのですが、歴史が好きで、甲冑づくりの募集を見て応募することにしました。
浅田政志さん もともと松阪の歴史に興味があったんですか?
松坂氏郷隊・加藤さん いえ。小さい頃は全く興味がなくて。そもそも松阪が歴史あるまち、という認識もありませんでした。松阪へ帰ってきて、いろいろ調べて、そこで「蒲生氏郷はすごい」と気づいたんです。彼は本当に素晴らしい武将だったので、どうにかして広めたいなと思いました。
浅田政志さん 蒲生氏郷について、松阪市民みなさんがご存知なのでしょうか?
松坂氏郷隊・加藤さん 私感ではありますが、氏郷のことを知っている人はあまりいません。松阪が商人のまちで【三井】や【長谷川】というと、知っている方はいるのですが...。もともと蒲生氏郷が松阪に城をつくり、城下町を商人のまちへと発展させ、松阪が「豪商のまち」と呼ばれるようになった、ということは知られていません。氏郷まつりや、甲冑作りを通して、より多くの方に蒲生氏郷や松坂城跡に興味を持ってもらえたらいいな、と思っています。
写真後方のまっすぐ伸びる道沿いにあるのは松坂城を警護する武家屋敷「御城番屋敷」。そして、その向こうに城下町の名残りをとどめる町なみが広がっています。城跡だけでなく、城下町も含めて松阪の歴史的風景が残されているとは…。松阪、すごいです!
4.浅田政志さん撮影写真
松坂氏郷隊のみなさん、かっこよく決まっています!
松坂城跡(松阪公園)
0598-23-7771
無料
見学自由
松阪市駐車場
JR・近鉄松阪駅から徒歩で約15分。
松阪駅から三重交通バスで、市内パークタウン線で中央病院行き、または阿坂小野線で一志嬉野行き「市役所前」下車3分
伊勢自動車道「松阪IC」から車で約15分
記事制作:MSLP