いなべ・宇賀渓の自然を守り、伝え、アウトドアで学びの場に。

宇賀渓とは

宇賀渓とは、三重県と滋賀県の県境に位置し、鈴鹿国定公園に指定されています。
公園西部にそびえる鈴鹿山脈は、北部は石灰岩が侵食されできたカルスト地形、南東部は花崗岩と地質が異なり、急峻なところやなだらかなところと、多様な地形が存在。
また、宇賀渓のある場所は日本海と太平洋の距離が近く、双方の気候の特徴が入り混じっています。
多種多様な動植物と出会うことができるのは、これらのことが起因しているのかもしれません。

環境省が、次世代に残していくべき自然環境の一つであると位置づけた「生物多様性保全上重要な里地里山」にも選ばれています。

宇賀渓では、その多様な地質・地形、気候から育まれるさまざまな植物を観察できるほか、麓から山頂まで1時間30分ほどで登れるハイキングもおすすめ。
秋は寒暖差により鮮やかに色づく紅葉、冬には雪景色も楽しめ、天然記念物に指定される動植物がいたり、大小6つの滝があったりと、その見どころは語りつくせません。

宇賀渓を守る人々

宇賀渓で森林保全活動などを行う「NPO法人竜の森林（りゅうのもり）」の諸岡さん。
宇賀渓のあるいなべ市に生まれ育ち、幼い頃から山は身近な存在だったといいます。
「子供の頃、お風呂は薪で焚いていましたよ。それが僕の仕事でした。今では趣味の山登りを始めたのは、山岳部だった兄と一緒に」

諸岡さんによると、宇賀渓は、それまで間伐などの手入れがされず、荒れていたといいます。木が生い茂りすぎることで山の地面に太陽の光が当たらず、植物が成長しない森は、植物に寄る虫も少なく、その虫を餌とする鳥も少なく、全ての循環がよくありませんでした。

荒廃した山をどうにかしたいと集まったメンバーで2013年に発足したのが「竜の森林」。
以来、宇賀渓の環境保全や森林資源の活用などさまざまな活動に取り組んでいます。

自然の持つ力を地域に、人々に

そのひとつが、間伐材を使用して炭や薪を作ることです。
諸岡さんたちが伐採からした木を炭焼き窯に入れて炭にしたり、乾燥させて薪にしたり。それらは地域で使用され、廃材に新たな利用価値が生み出されています。

「宇賀渓は、山へ入ると炭焼き窯があちこちに何百とあります。それだけ伝統産業だったということです。燃料革命が起こりガスが主流になると、それもだんだんと衰退していきました」
切り倒した木を燃料として再利用する慣習は、その頃から地域に広がっていたことがわかります。

他にも、諸岡さんたちは、宇賀渓の自然を楽しんでもらう空間活動も行なっています。
宇賀渓の中の「木育の森」と呼ばれる場所では、子どもたちがバーベキューで川魚を焼いたり、体を使って木で遊んだり、自然の中で過ごす体験をイベントとして開催。不定期で自然観察会を催しガイドを行なったりと、幅広く活動しています。

「魚嫌いだった子が、ここで焼いた魚は食べられたなんてこともありました。自然には、普段街中では得られないような力があると思っていて、自然の中にいると元気が出てくるのもそう。人は自然からいろいろなものをもらっています。だから、動植物がたくさんいる自然豊かな山を残していきたいと活動しているわけです」

人々に自然の中で過ごすことの楽しさや気持ち良さ、発見を伝えていくことも、宇賀渓の自然を後世へ残すための大切な取組なのだといいます。

Nordisk Hygge Circles UGAKEI

そんな宇賀渓の大自然の中にあるのが、デンマーク発「ノルディスク」のアウトドアフィールド「Nordisk Hygge Circles UGAKEI」です。
世界でも最先端のSDGsの取組を行なうデンマーク。ここNordisk Hygge Circles UGAKEIにも、デンマークのそうしたサスティナビリティが活きています。

建物から感じる自然の贅沢な空間

まず注目したいのが、Nordisk Hygge Circles UGAKEIの施設にある建物について。
デンマークのサステナビリティアドバイザーの監修のもと施設を設計しており、再生可能な材料やもともとあった古い建物の廃材を再利用するなど、環境にやさしい配慮がされています。

例えば、Nordisk Hygge Circles UGAKEIのセンターハウスは、人と人が繋がり集う「円」を形にしたコミュニティハウス。中心には同じく円形の中庭があり、太陽の光が差し込むようになっています。
アシンメトリーな屋根の傾きは、太陽光の傾斜角を計算して、どの時間帯でも建物に自然光が入るよう設計されたもの。こうすることで、極力電気エネルギーを使用しなくとも過ごせるよう考えられています。

センターハウスによく似た形のキャビンも同じく、窓が多く明るい室内に加え、天窓からも自然光が降り注ぎ、夜は星を眺めながら眠りにつけるという贅沢な体験までできます。

また、Nordisk Hygge Circles UGAKEIの森の中を歩いてみると、建物と建物の間までの道のりがやや歪だと感じる箇所があります。
実はそれも、ノルディスクのテーマである「Nature is luxury（自然こそが贅沢）」に基づいた、ありのままの自然を壊さず残した上で道を作り建物を建てているため。できるだけ木を残すよう計算された建物配置になっているのです。

Wild CIRCLES

そんなNordisk Hygge Circles UGAKEIで、もっとも自然と一体化できるキャンプサイトが、テントを持ち込み自由なスタイルでキャンプが楽しめるWild CIRCLESです。
Wild CIRCLESは宇賀川や御所滝に隣接しており、水の音や木のざわめく音、鳥のさえずりが天然のBGM。区画もなく、テントを張りキャンプ道具を広げれば、そこは大自然と自分たちだけの特別な空間が広がります。

日本に野営キャンプのできる場所は少ないですが、ここは直火も可能で野営感覚が味わえるとキャンパーたちに人気です。

（直火の際、残った炭は持ち帰るか、燃やしきって灰にするなどの後処理をしましょう）

自然の中だから過ごせるHyggeな時間

「Hygge」は、デンマーク語で「豊かな時間の過ごし方や心の持ち方」「ほっと癒される心地よい時間や空間、それらを通して得られる幸福感」を意味する言葉。Nordisk Hygge Circles UGAKEIという名前には、宇賀渓の豊かな自然の中で“Hygge”なひと時を過ごしてほしいという思いが込められています。

「それは『幸せな時間の過ごし方』として、キャンプを通して不便さの中に、成功体験や達成感を味わうことをしてほしい。自然と向き合い、不便だと感じ苦労しても、それを上回る感動があります。暑さや寒さ、雨風など、自然と調和して、いかにこの環境を快適に過ごせるかを考えることがキャンプだと思っています」
Nordisk Hygge Circles UGAKEIを案内してくれた、自身も30年以上のキャンプ経験者という支配人・手塚さん。
いなべ市は、豊かな自然はもちろん、食べ物も自信を持ってお届けできるものばかりだといいます。

いなべの美味を味わいつくせる食事

ディナーはデンマークのアウトドア料理専門家が監修した地産地消コース料理、朝は木漏れ日の注ぐリビングデッキやダイニングで贅沢な朝食が楽しめます。
いなべのワイナリーから仕入れるワインや、野菜はいなべ市にある八風農園の無農薬栽培野菜をふんだんに使用するなど、地産地消にこだわっています。

Nordisk Hygge Circles UGAKEIでは今後、災害が起きたときなどに活用できる、飲み水を作る方法や火のつけ方、暖の取り方などをアウトドアの目線から体験し学べる“生きるための学習”にも力を入れていきたいといいます。
ここ宇賀渓の自然は、より良い生き方や過ごし方を考えるための絶好のフィールドです。

撮影モデル

NOB
チャンネル登録者数1 .1万人のキャンプYouTuber・映像クリエイター・フォトグラファー。愛知県から気軽に行けるキャンプ場や山、キャンプ道具紹介などの動画を通して、自然の美しさ・自然と遊ぶ楽しさを伝えている。

YouTube動画公開中

NOBさんのYoutubeチャンネルにて、宇賀渓散策やWild CIRCLESでのキャンプ動画を公開中。動画では、宇賀渓ならではの魅力がたっぷり紹介されています。是非ご覧ください。

Nordisk Hygge Circles UGAKEIについて、こちらの記事でも紹介しております。
是非ご覧ください。
いなべ市にオープンした「ノルディスク」がプロデュースするアウトドアフィールド「Nordisk Hygge Circles UGAKEI」をご紹介！