【11/16まで】街じゅうがアートであふれる!「亀山トリエンナーレ」は子供から大人まで家族みんなで楽しめる国際芸術祭

絵画や彫刻、映像、写真、パフォーマンスのほか、空間や体験を作品にするインスタレーションなど、様々なアートに触れられる亀山トリエンナーレ2024が、10/27から11/16まで開催されます!

亀山トリエンナーレとは

亀山トリエンナーレ

亀山市では現代アートを街に取り入れた芸術祭が2008年から2013年までは「アート亀山」として毎年開催され、2014年以降はトリエンナーレ形式で開催されています。
そして、今年は3年に1度の国際芸術祭「亀山トリエンナーレ」開催年となります!
(トリエンナーレとはイタリア語で「3年に1度」という意味)

亀山トリエンナーレ

開催期間は10月27日(日)から11月16日(土)までであり、市内の商店街や旧東海道沿いの旧家跡、東海道関宿など歴史文化ある亀山の街を舞台に、そこかしこで現代アート作品が展示されます。
81組もの国内外アーティストが作品を展示するため、見ごたえたっぷりです。

亀山トリエンナーレ

亀山トリエンナーレは基本【観覧無料】で、たくさんのアートを鑑賞出来るのが嬉しいところ。
(旧舘家住宅への入館のみ、高校生以上500円)

開催期間中は作品展示のほか、子供も楽しくアートに触れられるワークショップや、地域の飲食店が多数出店するマルシェ「Cafe@亀山」(東町ふれあい広場 [東町商店街内] にて土日祝日に開催)なども行われます。

「何だこれ?!」な驚きがたくさん!

亀山トリエンナーレ

ここからは亀山トリエンナーレ実行委員会事務局長の森敏子さんにお話を伺います。

森さん「見たことのないものが目の前に現れる、その瞬間を楽しんでいただきたいです。」

東海道関宿や昔の屋敷といった歴史情緒あふれる風景や、商店街など生活の温もりを感じる街並みの中に、突如現れる数々の現代アート。
アートを展示している亀山の街全体が、見る人を驚かせてくれます。

亀山トリエンナーレ

森さん「特に子供は、アートを目にした際に『何だこれー?!』 『目玉焼きみたい~!』 『ぼくでも作れそう』などと、自由に感想を話してくれます。」

一方、大人はついつい解説文に頼ってしまうことについて、「知識を入れず、大人も『何だこれ?!』と自由に思っていいんですよ。」とも、森さんは話されていました。

ゆえに森さんは、亀山トリエンナーレでは、見る人が受ける印象を大切にするため、アーティストたちに「掲載する解説は短く」と伝え、会場に立つボランティアの方々にも、来場者へ作品の解説はしないように伝えたそうです。

森さん
森さん

「これは何だろう?」という【驚き】が、人生においても面白いんですよね

亀山トリエンナーレ

森さん「現代アートはよく【わからない】と言われますが、【わかる/わからない】ではなく【好き/嫌い】で良いと思います。

それぞれのアーティストは伝えたいメッセージを持って作品を作っていますが、作家のメッセージと自分が受け取る感性に違いがあっても良いんです。」

気構えずに、まずは自分が好きか嫌いかという分かりやすい感覚を物差しにして、それぞれの作品を楽しんでみる。
自分の好みを探す時間だと思うと、なんだかワクワクしますね。

亀山トリエンナーレ

森さん
森さん

作家がつけたタイトルをあえて見ないで、自分たちでタイトルをつけてみるという鑑賞方法もおすすめですよ

これは、子供も大人も楽しめそうな鑑賞方法ですね!

作品に込められたメッセージは様々

亀山トリエンナーレ

森さん「作品を見て、自由に何かを受け取るのも良いし、作品のテーマに触れて考えるのも良いと思います。

映画でもアートでも、小説の読後感のように見た後に心に残るものがあります。
その残ったものに、自分の気持ちが左右させられることってありますよね。」

作品を前にしてテーマについて深く考える。
そうすることで生まれてくる気持ちを見つめてみると、より奥行きのある作品鑑賞ができそうです。

ここで、今回の亀山トリエンナーレで展示を行うHRATCH ARBACH氏の作品ついてご紹介します。

HRATCH ARBACH氏はアルメニア人とシリア人の両親のもとダマスカスで生まれ、パリに移住、微生物学の博士号を取得したのちにパリ国立高等装飾美術学校に入学し、その後はニューヨークに在住し写真家として活躍している、異色の経歴を持つアーティストです。

これまでにノートルダム大聖堂やブルックリン公共図書館など数々の場所で展示されました。

アルメニアには、19世紀末から20世紀初頭にかけて起きたアルメニア人虐殺という歴史があります。
亀山トリエンナーレにて、HRATCH ARBACH氏は「アルメニア虐殺で記録されていない犠牲者を追悼するため」実際に亡くなったとされる命の数を日本語とアルメニア語でカウントダウンし続ける展示のほか、亀山の方々とアルメニアディアスポラの方々(アルメニアを出て世界中に住む人)の肖像写真を展示。

日本語でのカウントダウンは日本の原爆犠牲者への追悼の意も想起され、様々な感情が呼び起されます。
その後鑑賞する肖像写真からは、時の流れを経て、今を生きる人々の生命力が感じられます。

そのほかの作家の展示では、廃棄物を使った作品や、歴史的建造物からイメージされる“継承”、素材・形に対する探究など、様々なテーマで制作された作品が並びます。

アートにいざなわれて街を巡る

亀山トリエンナーレ

亀山トリエンナーレは、作品鑑賞をしながら歴史文化のかおり漂う亀山の街を散策できる点も魅力です。

今回の展示のために制作された作品たちが彩る街は、普段と違った不思議な装いで目を引きます。

亀山トリエンナーレ

また、他地域や海外から来たアーティストによって街の魅力が再発見されたと思っている、と森さんは話します。

森さん「海外のアーティストが亀山に来て『面白い!』と思った所は、亀山の住民でも気づかないポイントだったりします。

ニューヨークのアーティストが下見のために亀山藩家老の加藤家屋敷跡を訪れた際、『こんなトラディショナルな場所で展示させてくれるのか!』と涙ぐむ姿が印象的でした。

ただ、よく考えてみたら、私がドイツに行って古城に展示するような感覚に近いのか、と思って。
『そうか。それは凄いことだ』と改めて気づきました。」

森さん
森さん

他のエリアからは少し離れていますが、鈴鹿峠自然の家での展示も是非ご覧ください

鈴鹿峠自然の家は、廃校となった旧坂下尋常高等小学校が再生・利用された、国の有形登録文化財の大きな建物です。

その趣ある建物の中に大きな絵画や立体などを60点ほど展示。
壁面には作品がかけられない点をあえて活かす形で、自立する絵画や、絵で作る迷路が出現します。
作品はもちろんのこと、展示方法も見所ですね!

亀山トリエンナーレの歩き方

亀山トリエンナーレ

亀山トリエンナーレは全ての展示を巡り歩いても4キロ程度のコースとなります。

開催期間中の土日祝日には、かめやま文化年実行委員会が企画する「文化年ぐるっと循環バス」で展示会場を回ることができ、移動に便利です。
また、車の駐車場も各所に準備されています。
(循環バスや駐車場の詳細は公式HPにて掲載されています)

森さん
森さん

亀山エリアと関エリアの間は、レトロな雰囲気漂うJR関西線の乗車がおすすめです

ちょっとした電車移動が、散策の気分を高めてくれそうです!
また開催期間中の土日祝日は、東町ふれあい広場にて、飲食店が多数出店する「Cafe@亀山」が行われます。
散策の合間に、美味しい食事やコーヒーで小休憩をとっちゃいましょう♪

公式Facebookでは「#亀山トリエンナーレの歩き方」としておすすめの巡回コースがいくつか掲載されています。
気になるコースをチョイスして楽しく巡ってみてくださいね。

亀山トリエンナーレで生まれる、街・アート・人の「化学反応」

新人アーティスト発掘の場

亀山トリエンナーレ

亀山の芸術祭は、2008年に「アート亀山」としてスタートし、現在の「亀山トリエンナーレ2024」に至るまで長年にわたり開催されてきました。

「新人アーティストの発掘」にも力を入れており、スタート時から参加し続けてきて「ここが僕の故郷です、ここで育ててもらいました」と話すアーティストもいるそうです。

実際に、亀山トリエンナーレの展示をきっかけに三重県立美術館でのグループ企画展の展示が決まった方もいるとのこと。
気になるアーティストが見つかったら、その後の作品展示などを追いかけてみるのも良いかもしれません。

亀山に浸透したトリエンナーレ

亀山トリエンナーレ

森さん「亀山トリエンナーレは屋外作品も多いため、開催期間になると、亀山に住む方たちは意識せずにアートを目にするようになります。」

ここで森さんが印象に残った過去のトリエンナーレでの一場面について教えてくださいました。

森さん「ある日、近所のおばあさんが展示会場にやってきて、『何してるの?』とアーティストに尋ねたそうです。
『僕が作ったんです』と言って展示を見せたら、 そのおばあさんは感動されて。

次の日から、そのおばあさんは近所の人たちや老人会の仲間を連れてきて、『見て! この人が作ったのよ』と、とっても誇らしそうに話してくれたそうです。

『自分の家の近所にアートがあり、アーティストがいる』ことを、『自分ごと』として誇りを持って語ってくれるなんて、とても嬉しいですよね。」

街なかでの展示が生み出した、微笑ましいエピソードですね。

森さん「近所の幼稚園の子供たちは毎日、公園での展示を見に来てくれて、自由闊達に感想を話してくれました。
その幼稚園の先生は遠い保育園に転勤となったのですが、今回は『今の保育園の園児たちとバスに乗って見に行きます』と言ってくれたのが嬉しかったです。」

化学反応を楽しんでほしい

亀山トリエンナーレ

森さん「アーティストと街の人と来場者の三者が、一つの作品を前にして話している光景があちこちに見られる…。
こんな風景があったらいいなと思っていたものが具現化しました。


また、亀山トリエンナーレは、歴史的な建造物と現代アートの【融合】 とよく表現されますが、私としてはあえて【化学反応】と表現しています。

歴史的な街、現代アート、そして人々。
それぞれの要素が一緒になったときに、鑑賞者である自分はどう受け入れるのか。その反応まで含めて楽しんでいただきたいです。」

アクセス・詳細情報

【展示期間】
2024年10月27日(日)〜11月16日(土)
10時〜17時 最終日16時30分まで
※展示場所により展示時間が異なります。詳しくは公式HPをご確認ください。

【総合案内所】
亀山市市民協働センターみらい(三重県亀山市東町1丁目8-7)

【総合案内所までのアクセス】
公共交通機関:JR関西本線「亀山駅」から徒歩15分
車:東名阪自動車道「亀山IC」から約10分

【展示場所】
亀山市内一帯
[亀山市文化会館、東町商店街、明治天皇行在所、西町民家(旧東海道沿い)、旧舘家住宅、加藤家屋敷跡、旧佐野家住宅、旧田中家住宅、旧落合家住宅、、旧木村邸庭、百六里庭、鈴鹿峠自然の家]

【観覧料】
旧舘家住宅のみ500円(高校生以上) 他は無料

【公式HP】
https://kameyamatriennale.com/

MSLP by new end. Inc.の画像

MSLP by new end. Inc.

映像クリエイター、フォトグラファー、デザイナー、ライターなどが所属する三重県のクリエイターチーム。

Page Top