秋の山にやってくる「赤いヒツジ」!?秋の竜ヶ岳登山をレポートします!
まもなくやってくる紅葉シーズン。鈴鹿山脈にも着々と秋の訪れを告げるように紅葉が始まっています。 鈴鹿セブンマウンテンの1つである竜ヶ岳には、秋になると「赤いヒツジ」が現れるようなんです。その「赤いヒツジ」に出会うべく、秋の竜ヶ岳登山について紹介します!
記事制作 / みえ旅アンバサダー Yamaico!
鈴鹿セブンマウンテンとは?
三重県と滋賀県の県境に、南北に連なる「鈴鹿山脈」があります。その鈴鹿山脈の主要な7つの山を「鈴鹿セブンマウンテン」と総称しています。
北から順に、藤原岳(1140m)・竜ヶ岳(1099m)・釈迦ヶ岳(1092.2m)・雨乞岳(1238m)・御在所岳(1212m)・鎌ヶ岳(1161m)・入道ヶ岳(906.1m)の7山です。
今回は、山頂一帯が平原のような、なだらかな稜線が特徴の竜ヶ岳をレポートします!
竜ヶ岳ってどこにある?アクセス情報について
竜ヶ岳は、三重県いなべ市と滋賀県東近江市にまたがる鈴鹿山脈の中央に位置しています。東海環状自動車道「大安IC」から約15分、東名阪自動車道「桑名IC」からは約35分でアクセスできます。
「歓迎 鈴鹿国定公園 宇賀渓」のアーチが目印です!
宇賀渓駐車場(125台駐車可能)
登山利用・宇賀渓で遊ぶ際に利用できる駐車場です。宇賀渓観光案内所「竜のコバ」や登山道にも近く、便利な場所に設置されています。 駐車場敷地内には、トイレも設置されており、観光案内所の営業時間外にも利用が可能です。
※満車の場合は臨時駐車場(徒歩5分ほど)へのご案内となります。
秋にやってくる「赤いヒツジ」の正体とは?
竜ヶ岳にヒツジが現れる!??そもそも「赤いヒツジ」って??
竜ヶ岳に現れる「赤いヒツジ」の正体は、「シロヤシオ」という植物が紅葉することにより見られる景色のことなんです。
「シロヤシオ」は、日本の高山地帯に生息するツツジ科の植物で、山の斜面や岩場に生息します。5〜6月にかけては、枝先の花芽から新葉とともに1〜2個の白い花が咲きます。また秋には葉が赤く染まり、きれいな紅葉を楽しむことができます。
竜ヶ岳は、全国的にも珍しく高原のような稜線に多くのシロヤシオが自生しているので、花の満開時や紅葉シーズンになると草原に大群の羊が現れたような光景を見ることができます。 春は「白いヒツジ」、秋は「赤いヒツジ」に会いに、たくさんの登山者が訪れています。
秋登山の注意点
秋の紅葉とともに登山を楽しもうと登山を計画される方も多いかと思います。ただ、夏登山とは違って注意しなければならない点があります。ここでは、秋登山の注意点をお伝えします。
①日照時間
季節が冬に向かうにつれて、日照時間がだんだんと短くなっていきます。夏山に比べて日の出は遅く、日の入りは短くなっていきます。また、木々や山の稜線によって太陽の光がさえぎられてしまうこともあり、実際の日照時間よりも短くなる可能性があります。登山を計画をする際には、日の出・日の入り時間を確認の上、計画を立てましょう!万が一に備えて、日帰りの登山においてもヘッドランプを装備しましょう。
②天候が変わりやすい秋の気候
秋は、他の季節に比べて気候が変わりやすい時期です。寒暖差も大きいので、雨具・防寒具は装備しましょう!たとえ低山であっても雨具・防寒具は必須です。防水性の高い登山靴を履くこともおすすめです。
③落ち葉
雨でぬかるんだ道も歩きにくいのですが、落ち葉がたくさんある道も滑りやすく転倒の恐れもあり危険です。できるだけ落ち葉のない部分を歩くことがベストですが、やむを得ず落ち葉がある部分を歩く際には、滑ることを想定して慎重に歩きましょう。落ち葉の多い道では、ストックがあると便利です。
④クマ・害虫
季節が夏から秋になり登山しやすい季節となりますが、クマや害虫にとっても過ごしやすく活発になってきます。登山時にはクマ鈴の携帯や虫よけスプレーの使用などの対策をしましょう。
- 《登山をするにあたっての注意事項》
- *事前に無理のない登山計画をたてましょう!また、登山当日までに最寄りの警察署、または登山ポストへ登山届を出しましょう!オンラインによる届出や登山アプリからも登山届を出すことができます。
- *しっかりとした体調管理、体力作りを心がけましょう!また、体調が良くない時は登山を中止・延期にしましょう。
- *登山に適した服、トレッキングシューズを使用しましょう!登山中に必要な水分や行動食、雨具、防寒着や常備薬、救急手当ができる装備などもしっかりと準備をしましょう。
- *登山直前の気象情報を確認しましょう。天候がすぐれない・悪天候が予想される場合は登山を中止しましょう。
- *万が一に備えて山岳保険に加入することもおすすめです。
竜ヶ岳・宇賀渓遊歩道 登山ポスト
宇賀渓観光案内所の屋外休憩スペースに設置がありますので、ご利用ください。
※登山届と併せて、登山届横にある協力金へのご協力をお願いいたします!(竜ヶ岳・宇賀渓の自然保全に使用されます)
「赤いヒツジ」に会いに行く・秋の竜ヶ岳登山レポート
登山ルートについて紹介します。竜ヶ岳山頂を目指す登山ルートは大きく分けて4つのコースがあります。
①遠足尾根コース(尾根の展望がキレイ!)
登り:約3時間 下り:約2時間30分
②金山尾根コース(樹林帯が多く、森林浴が楽しめる!)
登り:約2時間半 下り:約2時間
③中道(コースの中で1番斜度がある、上級者向け )
登り:約3時間30分 下り:約2時間30分
④表道(山頂までの最短コース)
登り:約1時間15分 下り:約50分
今回は、紅葉を存分に楽しむため②のコースで登山します!!
宇賀渓・竜ヶ岳を登山する際に、宇賀渓観光案内所でもらえる宇賀渓登山マップが便利です。景色の様子や危険箇所がイラストとともに載っていて、わかりやすいです。YAMAPアプリなどの地図とともに併せて持っておくと、とても便利ですよ!
宇賀渓登山マップについている登山位置確認番号は、登山道内に設置している木の看板と連動しています。また登山道内の木に、赤色がオレンジ色でサンドされたテープについても登山道のルート確認に使用できますので、進む方向に迷った際は、目印として使用してください。
※ピンクテープなどが貼られていることもありますが、テープを設置した人によって目印の目的が異なるためご注意ください。
宇賀渓登山マップは、竜のコバのホームページでも確認できますので、チェックしてみてください!
登山スタートは 北河内林道から
宇賀渓観光案内所の横手の北河内林道から登山スタートします。
スタートからしばらくは、舗装された林道を歩きます。木に囲まれた林道を森林浴を楽しみながら歩きます。
歩き始めてから約15分ほどで、竜ヶ岳からの湧水「竜の雫」に到着します。
※エキノコックス症の恐れがあるため、飲水・手洗いはお控えください。
竜の雫から約10分ほど歩くと遠足尾根登山道の入口がありますが、そのまま林道を進みます。
遠足尾根登山道の入口から約5分歩くと、鵜の巣(休憩所)があり、その先を進むと川に突き当たります。
川辺に降りる部分がはしごになっていますので、慎重に降りてください。
はしごを降りて、大きな岩場の間を通り、木の橋を渡ります。岩場・木の橋とも滑りやすい箇所があるので慎重に歩いてください。
川を渡ってからは、登山道を歩きます。設置されている看板や登山位置確認番号を確認しながら進みましょう。
川を渡ってから数分歩くと、青色の橋・魚止橋があるので、ここを渡ります。渡る際は1人ずつ、橋を揺らさずに渡ってください。
魚止橋を渡って道なりに進むと分岐があります。「山沿いコース 五階滝・長尾滝」の看板の矢印の方向に進みます。
分岐から約10分ほどで金山登山道に到着です。分岐になっていますので、登山道入口の矢印の方向に進みます。
ここからは、少しゴツゴツとした岩がある道が続きます。時折、道が細い場所がありますので、慎重に歩きましょう。
金山登山口から約20分、少し開けた尾根に出ます。標高は約570m。ここからしばらく尾根歩きをします。
約20分ほど歩くと、樹林帯に着きます。ここからは樹林帯を進みます。道迷いしやすい場所なので、しっかりと目印を確認しながら歩きます。
植生保護をしているエリアがありますので、緑色のロープ内には入らないようにしてください。
樹林帯を歩き始めて約20分、標高約780mまで登ってきました。うっすらと葉が黄色くなっている木々があります。
さらに進むと、木の根と岩でデコボコとした道に来ます。
金山登山口から約1時間20分ほどで、金山尾根コース内の展望場所に到着しました。標高は約900m。進行方向から右側には、遠足尾根が見えます。竜ヶ岳山頂も見えます。
ここから進む道の前に、注意看板が掲げられています。
いつまでも豊かな竜ヶ岳の自然であり続けられ、その自然を楽しめるように、登山道の整備がしっかりとされています。整備道がある場所については、ぜひ利用いただくようお願いします。
ここからゆっくりと登っていきます。大きな木が少なくなってきて、この先で合流する尾根がよく見えます。
スタートから約1時間50分、遠足尾根・金山尾根分岐に到着しました。ここから少しの間は、木道を歩きます。この木道は、2024年10月5日に完成したばかり!とても綺麗で歩きやすいです♪
木道は滑りやすいため、慎重に歩きましょう。泥などがついていれば、落としてから歩いてください。また危険なため、走らないようにお願いします。
※木道・登山道以外への立ち入りは、植生を減退させますので、絶対にしないでください。
遠足尾根・金山尾根分岐より数分歩くと、簡易トイレがあります。
- 竜ヶ岳 簡易トイレについて
- 2024年の夏から竜ヶ岳登山道にて利用できる簡易トイレが設置されました!場所は、遠足尾根・金山尾根分岐付近にある茶色の小屋が目印です。
トイレの利用料は1回100円、携帯トイレを使用しての利用となります。携帯トイレは登山利用だけでなく災害時にも使用ができるため、最近ではドラッグストアやホームセンター、100円ショップでも販売されております。携帯しておくととても便利です!
※簡易トイレ内・観光案内所「竜のコバ」でも販売しています。
簡易トイレには、トイレットペーパー・手洗い場・ウェットティッシュ等はありませんので、事前に携帯をお願いします。またゴミ箱の設置はありませんが、 観光案内所「竜のコバ」の外に回収BOXを設置しています。使用済みの携帯トイレについては、その場に放置せずに持ち帰り、下山後に決められた回収BOXに捨てるようお願い致します。
簡易トイレは、登山者の安全・竜ヶ岳の自然保護のために設置されたものです。マナーをもって利用するよう、ご協力お願いします。
簡易トイレから約5分歩くと治田峠分岐に到着します。分岐は曲がらず、そのまま進みます。
竜ヶ岳頂上が近くなってきました!シロヤシオの紅葉も見られます。
治田峠分岐より約10分、頂上までの最後の登りがあります。こちらにも整備された道がありますので、それを利用して登ります。
スタートから、約3時間20分で頂上に到着しました。この日は曇り空でしたが、気温が暑かったこともあり、ゆっくり登山となりました。お疲れさまでした!!
宇賀渓に遊びにきたらぜひ、宇賀渓観光案内所「竜のコバ」へ」!
竜ヶ岳・宇賀渓への玄関口に宇賀渓観光協会が運営する宇賀渓観光案内所「竜のコバ」があります。
宇賀渓を訪れた人の休憩場所として、また宇賀渓の自然や観光についての情報も発信されています。施設内は、トイレ・休憩スペース・みえ森林教育ステーションに認定されたキッズスペース・カフェスペース(カフェKoba)があります。
※休憩スペース・カフェスペースの写真は、2024年5月時点の写真です。現在、施設内の観光情報の掲示物がリニューアルのため、一部準備中となっています。
リニューアル予定は、11月中旬頃予定とのことです。リニューアルされた竜のコバも楽しみですね♪
取材した際に、カフェKobaでいなべ産100%のお米でできた おにぎりをいただきました!お茶・おかかの味のおにぎりです。
いなべ産のお米は艶やかでふっくらと程よいモチモチ感で、登山後のエネルギー補給にもピッタリでした!お米は物販スペースで販売されています。また、いなべ産のお茶やお菓子も販売されていて、お土産として購入できますよ!
カフェKobaでは、ふわふわかぶせ茶ラテ、ほうじ茶イ(ほうじ茶のチャイ)など、秋のカフェメニューが始まっています!メニューの詳細は店頭、SNSでご確認ください。
▼竜のコバについては、こちらの記事もどうぞ!
鈴鹿セブンマウンテン 登山情報
竜ヶ岳以外の鈴鹿セブンマウンテンでも秋の紅葉が進んでいて、紅葉登山にオススメです。ここでは、鈴鹿セブンマウンテンの中から2つの山をご紹介します!
御在所岳(標高1212m)
三重県三重郡菰野町と滋賀県東近江市の境にまたがる鈴鹿山脈の主峰の山。日本二百名山・関西百名山にも選定されています。登山で人気のある山ですが、山頂までロープウェイで行くことができ、登山経験がない方でも頂上の景色を楽しむことができます。
なお、紅葉シーズンは大変混雑するため、交通規制が行われます。お出かけの際には、情報をご確認の上、お出かけください。また、観光三重では、紅葉情報も発信しています!こちらも併せてご確認ください!
釈迦ヶ岳(標高1092.2m)
御在所岳と同じく三重県三重郡菰野町と滋賀県東近江市の境にまたがる、鈴鹿山脈の中央に位置する山です。竜ヶ岳登山口の1つ・石榑峠から釈迦ヶ岳まで縦走できます。体力がある方は、石榑峠から竜ヶ岳登頂してから釈迦ヶ岳へ縦走するコースもオススメですよ!
▼鈴鹿セブンマウンテンについてはコチラの記事もどうぞ!
いかがでしたか?
秋にやってくる「赤いヒツジ」に出会う・秋の竜ヶ岳登山の情報をお届けしました!取材時の10月26日時点の紅葉は6〜7分ほどの紅葉でした。
竜ヶ岳山頂付近で見るシロヤシオの紅葉は、他の山で見られる紅葉とは違い、ほんとうに赤いヒツジが放牧されているような不思議な光景が広がります。竜のコバInstagramでは、紅葉・登山・リニューアルしたカフェKobaの情報などを随時配信されています。ぜひ情報をチェックして、お出かけください!
詳細情報
東名阪自動車道「桑名IC」から20.2km(約35分)
名神高速道路「八日市IC」から29.2km(約40分)
駐車場 125台
<駐車料金(1日あたり)>
大型バス(要予約):4,000円 小型バス:2,000円 普通車:500円 二輪車:200円