松田昇大さんと巡る、のんびりディーゼル列車の旅!企画きっぷで楽しむ「JR関西線 12駅途中下車旅」 【関駅〜伊賀上野編】
名古屋駅とJR難波駅を結ぶ関西本線。その途中、JR関西線の亀山駅から加茂駅間の12駅は、1時間に1本ほどのペースで1〜2両編成のディーゼル列車が走るローカル線です。そんなJR関西線を舞台に、気軽に途中下車しながら駅ごとに散策を楽しめる「JR関西線 12駅途中下車ぶらり旅」企画きっぷが期間限定で登場しました。
この記事では、三重県津市出身、舞台や音楽活動などで幅広く活躍する俳優の松田昇大さんが案内役となり、途中下車して出会う地域のスポットや名所、旅先で見つけたお気に入りのスポットを紹介しながら、JR関西線ならではの“のんびりまち歩き”をご紹介します。
「JR関西線12駅途中下車の旅」企画きっぷとは
2024年11月1日から2025年2月16日まで、JR関西線の亀山(三重県)―加茂(京都府)間で途中下車できる切符と、沿線の食事施設や観光施設で使用できる1,000円分の電子クーポンがセットで販売。発着駅は京都、大阪、神戸・三ノ宮、名古屋駅であり、亀山―加茂間の12駅では、往路に限り何度でも途中下車が可能です。
価格は、大阪駅発は大人3,400円(子ども2,700円)、京都駅発は大人2,900円(子ども2,500円)、神戸・三ノ宮駅発は大人3,900円(子ども2,900円)、名古屋駅発は大人4,900円(子ども3,900円)。日本旅行の予約サイトから購入可能です。
今回は、関駅〜伊賀上野駅編。
それぞれの駅には東海道47番目の宿場町「関宿」や伊賀流忍者発祥の地など、歴史ある観光スポットが点在しています。
JR関西線 関駅
まずは旅のスタート地点、「東海道関宿」で知られる亀山市の「関駅」へ到着しました。
関駅は無人駅でありながら、売店と喫茶が併設されています。喫茶には季節ごとに趣向を凝らした吊るし飾りが飾られ、腰掛けながら窓から見える電車の発着や四季折々の風情を楽しむことができます。
駅舎内には亀山市観光協会もあり、散策の前に地図やパンフレットを手に入れることができるので、旅の計画にピッタリ。
(松田さん)「亀山市観光協会のスタッフさんの温かいお出迎えで、これからの旅がさらに楽しみになりますね」
そして関駅を出て徒歩約5分、関宿の街並みへ。
ここ関宿は、三重県亀山市に位置し、東海道五十三次の中で江戸から数えて47番目の宿場町として知られ、「東海道関宿」とも呼ばれています。
江戸時代には参勤交代やお伊勢参りの旅人たちで賑わい、その面影を今でも随所に感じることができます。
百六里庭・眺関亭
街並みを歩くこと約2分。まずは、関宿の町並みを一望できる絶景スポット「百六里庭(ひゃくろくりてい)」へ。
この小公園は、江戸から106里(約400キロメートル)の距離にあることからその名がつけられています。
百六里庭の園内にある「眺関亭(ちょうかんてい)」の2階に上がると、まるで展望台のように屋根が開かれており、関宿の美しい町並みを一望できるスポットにたどり着きます。正面には瓦屋根越しに観音山や関富士の緑が広がり、東側には整然と並ぶ関宿の軒並み、西側には東海道が続き、その先には地蔵院本堂の大屋根が望めます。
(松田さん)「特に西方向に広がる景色はまさに関宿といった感じの眺めで、思わず見入ってしまいました」
この場所からの景色に、江戸時代の旅人たちが感じたであろう旅情を、ほんの少し体験できるのではないでしょうか。絶景を楽しみながら歴史の面影を感じられるおすすめのスポットです。
百六里庭の園内をふらっと散歩してみるのも。
百六里庭・眺関亭
0595-84-5074
関宿観光駐車場に駐車してください(徒歩約10分)
JR関駅から徒歩約10分
名阪国道関ICから約10分
深川屋 関の戸本舗
続いては、百六里庭から徒歩 約1分の「深川屋(ふかわや)」へ。東海道「関宿」で380年以上の歴史を誇る老舗の和菓子屋です。
14代目当主の服部吉右衛門亜樹さんが、笑顔で迎えてくれました。深川屋には、忍者にまつわる古文書が残されており、「忍者の隠れ蓑の和菓子屋」とも言われているそう。
店内には、当時の商家の調度品が並び、どこか懐かしい歴史の趣を感じる空間です。
(松田さん)「歴史ある店内の雰囲気もまたいいですね」
お土産を選び、名物の「関の戸(せきのと)」をいただきました。
赤小豆のこし餡を白い求肥で包み、上品な和三盆がまぶされたこのお菓子は、鈴鹿の山に積もる雪をイメージしているとのこと。口の中で優しく溶ける味わいは、まさに伝統の味です。
関宿のお土産にもぴったりです。
深川屋 関の戸本舗
0595-96-0008
10:00~17:00
木曜
JR関西線「関駅」下車徒歩10分
名阪国道「関IC」から10分
関宿旅籠玉屋歴史資料館
続いては、深川屋の向かいにある「関宿旅籠玉屋(せきじゅくはたごたまや)歴史資料館」へ。
江戸時代の貴重な旅籠建築を修復し、市の文化財として保存されている関宿の資料館です。館内には、当時の旅籠で使われていた道具や資料が並び、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分に。
関宿のまち歩きのプロ、関宿案内ボランティアの会 服部さんに案内していただきました。
服部さんは、先ほどの「深川屋 関の戸本舗」の店主! 地元の方々が一丸となり生まれ育った関宿のまちの魅力を伝えています。
入口を入ると、まず目に入るのは宿泊客を迎える受付の再現です。本物そっくりの案内人のオブジェにびっくり!算盤や宿泊名簿が置かれていて、旅籠の活気を感じさせてくれます。
木造の階段を上がると、宿泊者のための部屋が並んでいます。大きな部屋や景色の良い部屋などがあり、旅人の用途に合わせて使い分けられていたそうです。江戸時代には1泊200〜300文(現在の3,000〜5,000円相当)で泊まることができ、混雑時には相部屋になることもあったとか。
1階の廊下を通り抜けた奥にあるのは、上等な客を泊めた離れ座敷。松田さんもゴロンと寝転んで、当時の気分を味わってみました。
(松田さん)「畳が好きなので、落ち着きますね」
江戸時代には建物の間口(まぐち)の広さによって税金が決まっていたため、間口が狭く、奥行きが長い「ウナギの寝床」と呼ばれる独特の構造が一般的だったそうです。松田さんもその話を聞きながら、当時の町の様子や人々の暮らしを思い浮かべていました。
さらに、離れとの間には美しい中庭が広がり、風情たっぷりの景観が楽しめます。フォトスポットとしても人気です。
関宿旅籠玉屋歴史資料館
0595-96-0468
関まちなみ資料館と共通
大人 300円(250円)
学生・生徒・児童 200円(150円)
3館共通入館料(関宿旅籠玉屋歴史資料館・関まちなみ資料館・関の山会館)
大人 500円(400円)
学生・生徒・児童 300円(200円)
※( )内は30名以上の団体料金
9:00~16:30
月曜日(月曜日が祝日・振替休日のときは翌日)12/28~1/4
関宿観光駐車場に駐車してください(徒歩約10分)
JR関駅から徒歩約10分
名阪国道関ICから約10分
関地蔵院
さらに東海道を歩くこと約3分。「関の地蔵に振袖着せて、奈良の大仏婿に取ろ」という俗謡でも知られる関地蔵院(せきじぞういん)へ。東海道を行き交う旅人や、近隣の住民の信仰を集め、今も多くの参拝者で賑わっています。
境内を歩くと、国の重要文化財に指定されている本堂、鐘楼、愛染堂の3つの建物が目を引きます。
(松田さん)「本堂の正面に立つと、建物の大きさに圧倒されますね」
ひとつひとつの建物を眺めながら、ゆっくりとお参りするひとときは、心を落ち着かせてくれる特別な時間です。
関地蔵院
0595-96-0018
800円(抹茶含む)
9:00-16:00
年中無休
関宿観光駐車場に駐車してください(徒歩約5分)
・JR関西本線「関駅」から徒歩10分
・名阪国道「関IC」から約10分
會津屋
お昼は、関地蔵院のすぐ前に位置する「會津屋(あいづや)」へ。手作りのおこわやそばが楽しめるお店です。江戸後期に建てられたこの建物は、かつて「旅籠 會津屋」として関宿の大旅籠のひとつだったそうで、歴史ある趣が漂っています。
今回は看板メニューの「山菜おこわ」をいただきました。風味豊かな山菜ともちもちのおこわが絶妙にマッチして、日本の伝統的な味わいを堪能できる一品です。
(松田さん)「蓋を開けた瞬間、おこわの湯気が食欲をそそります。懐かしくて優しい味がしますね」
メニューにはうどんやそば、ぜんざい、あんみつなどの甘味もあり、どれも心温まる料理ばかり。會津屋の歴史を感じながら、伝統の味に舌鼓を打つ贅沢なひとときを過ごせます。
會津屋
0595-96-0995
ホームページをご覧ください。
11:00~17:00
(14:30~簡易メニューにて営業)
月曜、火曜(月曜が祝日の場合は営業)
4台
JR関駅より徒歩10分
名阪国道関インターから車で5分
JR関西線 伊賀上野駅
関駅から列車に乗り約37分、続いては伊賀へ。
JR関西線「伊賀上野駅」へ到着しました。
(松田さん)「駅を出た正面に忍のオブジェがあったりして、伊賀に訪れた実感が湧きますね」
伊賀上野城
駅前のバス停「伊賀上野駅前」から上野市駅行等に乗って約5分、「公園東口(伊賀)」で下車。
または、「伊賀上野駅」から伊賀鉄道に乗り換えて約7分、「上野市駅」で下車。
まずは伊賀上野のシンボルともいえる「白鳳城」こと伊賀上野城を訪れました。藤堂高虎(とうどう たかとら)によって築かれたこのお城は、今も内堀と石垣が残り、壮大な景観が楽しめます。
高さ約30メートル、日本1、2の高さを誇る内堀の石垣は圧巻!その迫力に松田さんも思わず見入ってしまうほど。石垣の上からは、伊賀市の街並みを一望することができます。
(松田さん)「実際に登ってみるとすごく高いですね!街の景色がきれいです」
お城の敷地を散策するのも楽しみの一つです。
次は、同じ敷地内にある「伊賀流忍者博物館」へ向かいます。
伊賀上野城
0595-21-3148
大人600円(500円)
小人300円(250円)
( )内は、30名以上の団体料金
9:00~17:00(入館は16:45まで)
年末(12月29日~12月31日)
周辺に約500台あり(有料)
・伊賀鉄道「上野市駅」から徒歩約8分
・名阪国道「上野東IC」から車で北へ約10分
・名阪国道「中瀬IC」から車で西へ約10分
伊賀流忍者博物館(忍者屋敷)
伊賀上野城から歩いて5分、忍者の里として名高い伊賀市ならではのスポット「伊賀流忍者博物館」へ。
ここでは、忍者の暮らしぶりをリアルに体感できる「忍者屋敷」を中心に、歴史深い忍者の世界に触れることができます。
屋敷に一歩足を踏み入れると驚きの連続。まず目に入るのが、何枚も並んだ引き戸の中にひとつだけ紛れ込んでいる回転式の扉「どんでん返し」。素早く扉の裏へ隠れることができ、敵の襲撃をかわすための仕掛けが随所に隠されています。
松田さんもドキドキしながらチャレンジ!
続いては、「刀隠し」の仕掛けも実演!普段は農民として生活していることが多かったという忍者たちが、普段持ち歩かない武器をいざというときにすぐに取り出せるよう、屋敷には武器や道具をしまうスペースが隠されていたそうです。隠し場所からあっという間に刀を取り出すスピーディな動きと、忍者の身のこなしに圧倒!
「間近で見ると、動きの素早さにびっくりします!」と松田さんも驚きの表情です。
さらに忍者の文化に触れようと、松田さんが楽しみにしていた忍者体験の定番「手裏剣打ち体験」へ(有料)。的を狙って手裏剣を投げると、忍者になったかのような気分に。
通常、手裏剣が的に刺さること自体が簡単ではないようなのですが、松田さんは見事4投目に的に刺すことができました!
(松田さん)「真剣になりますね!思っていたより難しくて、またチャレンジしたいです」
他にも「忍者伝承館」では、実際に使用されていた忍具や貴重な古文書が展示され、忍者の歴史と技術を学ぶことができますよ。 忍者の知識が得られるだけでなく、体験を通して忍者を身近に感じられる伊賀流忍者博物館でした。
伊賀流忍者博物館(忍者屋敷)
0595-23-0311
大人【高校生以上】:800円(700円)
小人【4歳~中学生】:500円(400円)
※料金の( )内は20人以上の団体料金
※別料金:忍術実演ショー 1人 500円
(休演日あり 要事前確認)
:手裏剣打ち体験 1人6枚 300円
9:00〜17:00(入館受付は16:30で終了)
※最新情報はHPをご確認ください。
年末年始(12/29~1/1)
詳細はこちらからご確認ください
https://www.city.iga.lg.jp/0000002678.html
・伊賀鉄道「上野市駅」から徒歩で約5分
・名阪国道「上野東IC」から北へ約5分
・名阪国道「中瀬IC」から西へ約5分
だんじり会館「忍者変身処」
伊賀流忍者博物館から歩くこと約6分。続いて向かったのは、伊賀上野の秋の風物詩「上野天神祭」を体感できる「だんじり会館」です。この祭りは、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている国指定重要無形民俗文化財。
だんじり会館では、実際に祭りで巡行するだんじりが3基展示されており、鬼行列の様子も再現されているため、いつでも祭りの雰囲気を楽しめます。
(松田さん)「だんじりはとても華やかな造り。こんなに近くでまじまじと見られるのがうれしいですね。」
伊賀の四季の様子も映像で楽しむことができ、伊賀の伝統文化を肌で感じられるスポットです。
ここでは忍者衣装のレンタルも行っており、忍者衣装に着替えて伊賀のまちを散策することもできますよ!
だんじり会館
0595-24-4400
・大人:600円(500円)
・小人:400円(300円)
※( )内は、30名以上の団体料金
9:00~17:00
4月第2第3の土日のいずれか1日
(令和5年は4月16日)
上野天神祭期間中
12月29日〜1月1日
あり(有料)
伊賀鉄道「上野市駅」から徒歩約5分
・名阪国道「上野東IC」から北へ約5分
・名阪国道「中瀬IC」から西へ約5分
だんじり会館内には「伊賀上野地場産買物処」もあり、城下町伊賀上野ならではの郷土色豊かなお土産が揃っています。地場産買物処は入館無料で気軽に立ち寄れ、旅の思い出にぴったりな品が見つかります。
松田さんも伊賀ならではの珍しいお土産を物色。企画きっぷのクーポン券を利用してお得にお買い物ができました。
だんじり会館の壁には忍者になりきれるおもしろいフォトスポットも!
また、2027年3月末まで、伊賀上野の和菓子店をお得にまわれるクーポンを販売中。地場産買物処でも購入することができます。松田さんもこのクーポンを使って、伊賀市の和菓子店を巡ってみることに。
芭蕉色の風が吹く 伊賀上野城下町彡 お菓子街道食べ歩きクーポン
1店舗につきお店の指定するお菓子1点と交換できます。参加店の紹介やマップ付きで便利!
食べ歩きクーポン:1シート 700円 5枚のクーポン付
桔梗屋織居
「だんじり会館」から徒歩約6分。
江戸時代から藤堂藩の御用商人として400年以上の歴史を誇る和菓子店「桔梗屋織居(ききょうやおりい)」を訪れました。店内に入ると、和菓子と洋菓子が所狭しと並び、どれにしようか迷ってしまいます。
さっそく、クーポンを使って「釣月」をいただきました。このお菓子の名前は、芭蕉の小庵「釣月軒」にちなんでいるそうです。焼皮の香ばしさとサクッとした食感が特徴で、中の粒あんの甘さと絶妙なバランスです。
「のんびりしたいときに、上品な味わいの釣月とお茶で、優雅な休日が過ごせますね。」と松田さんもお気に入り。
(株)桔梗屋織居
0595-21-0123
8:30~19:30
第3火曜
御菓子司 おおにし
続いては同じ通りにある、老舗和菓子店「御菓子司 おおにし」を訪れました。
クーポンが使えるのは「鬼屋敷最中」や10月から3月は「丁稚ようかん」。
歴史を感じる落ち着いた佇まいと、丁寧に作られた和菓子の美味しさが詰まったこのお店。店主さんとの会話やかわいい看板猫も迎えてくれ、訪れた人を和ませてくれます。
名称 | 御菓子司 おおにし |
住所 | 〒518-0869 三重県伊賀市上野中町3009-1 |
電話番号 | 0595-21-1440 |
営業時間 | 8:00~19:00 |
休業日 | 不定休 |
松田さんと一緒に、JR関駅とJR伊賀上野駅の周辺を巡る旅をご紹介しました。
「津で生まれて18年三重で育ったけど、僕も知らなかった魅力や美味しいご飯がいっぱいあって、1日満喫することができました。何より人があったかい。それぞれの駅周辺にはまだまだ素敵な風情あるスポットがあって、回りきれていないんだろうなと思います。みなさんもこの企画きっぷを使って、ぜひいろんな場所を巡って、まだ知らない三重の魅力を感じてほしいです。」
今回ご紹介したのは、取材を通じて訪れた各スポットの魅力です。特定のコースではありませんので、滞在時間に合わせて、お好きなスポットを自由にアレンジして訪れてみてくださいね。