高田本山専修寺が国宝になりました!建築物としては三重県初。御朱印やアクセス、魅力をたっぷりご紹介♪

掲載日:2017.10.20

三重県津市にある高田本山専修寺の「御影堂」及び「如来堂」が、建造物として県内初の国宝になりました!東京ドーム約2個分の広大な境内には様々な歴史的建造物があり、その中でも一番大きな建物である御影堂は、江戸時代の寺院建築では全国でも5本の指に入る立派な木造建造物。また、金箔で華やかに装飾された宮殿(くうでん)は必見!国宝となった高田本山がどんなお寺なのか、詳しくレポートします。御朱印やアクセス情報も掲載していますよ。

このたび、三重県津市の高田本山専修寺(たかだほんざんせんじゅじ)の御影堂(みえいどう)と如来堂(にょらいどう)の2棟が国宝になりました!
(平成29年10月20日に開催された文化審議会にて、国宝に指定することを文部科学大臣に答申しました。その後、平成29年11月28日付、文部科学省告示第百七十六号により、国宝として指定されました。詳しくは、観光三重からのお知らせをご覧ください。)

文化庁の報道発表資料には、『高度な建築技術と卓越した装飾技術により壮麗な信仰の空間を創出しており、我が国を代表する近世寺院建築として極めて高い価値を有している。』と記されています。

建造物としては三重県初の国宝ということで、祝賀ムードいっぱいの高田本山専修寺の魅力をたっぷりと紹介します!

高田本山 専修寺は、親鸞聖人の教えを受け継ぐ浄土真宗の十派のひとつ、全国に600以上ある真宗高田派の総本山です。正式には「真宗高田派本山 専修寺」といい、「高田本山」という愛称で親しまれています。

場所は、三重県中部、津市一身田町の中心部に位置し、国の史跡となっている約3万坪の境内(東京ドームの約2倍!)に、国宝となる2棟の他にも国指定の重要文化財を11棟も擁する巨大寺院です。

蓮寺としても有名で、見事な蓮池や、境内の各所にて様々な種類の蓮を楽しむことができます。
水面から凛としてそそり立ち、大輪の花を咲かせる高貴な姿は清らかさの象徴であり、心が洗われます。

それでは、国宝となる木造建築物を詳しくご紹介します。

山門をくぐって正面にあるのが、国宝となる「御影堂(みえいどう)」。建立は寛文6年(1666年)です。
入母屋造・本瓦葺の落ち着いた純和様で高田本山専修寺の最大の建物であり、現存する江戸時代の寺院建築としては全国で5本の指に入る大きさ(桁行42.6m × 梁間36.6m)とのこと。
長野県の善光寺よりも大きいんですよ!

「御影堂」の中へ入ると、780畳の畳敷きの空間が広がっており、金襴(きんらん)巻きの大きな柱や多彩な天井画などが荘厳な雰囲気を醸し出しています。

屋根を支える柱を効果的に配置し、大空間を確保すると同時に、多彩な装飾で壮麗な信仰空間をつくりだしています。

宗祖である親鸞聖人の木造が安置されているのは、金箔や極彩色の彫刻で飾られた華麗な意匠が特長の宮殿(くうでん)。その宮殿を中央に、歴代の上人の御影が両脇壇及び両余間に安置されています。
この宮殿と、建築当初に大棟(おおむね)に据えられていた「獅子口(ししぐち)」は、「附(つけたり)」として指定されます。

お堂の煌びやかさに圧倒! 時間の経つのを忘れるほどです。

もう一つ、国宝となる「如来堂」は御影堂の西側にあり、阿弥陀如来像を祀るお堂です。建立は寛延元年(1748年)。

外観は、唐様の建物で桐紋の入った破風を持ち、美しい組物や、象・竜・獏など、中国の故事にもとづく多くの彫刻が見られる華麗な造りとなっています。
如来堂の大きさは、桁行25.7m × 梁間26.6m。御影堂よりも小さいのですが、高さを揃えることで、大きさの違いを感じさせないようになっています。

注目していただきたいのはココ。軒裏の華麗な彫刻にはびっくり!ぜひ間近でご覧ください。

「如来堂」のお堂の中は、精緻な彫刻が施された組物や欄間、金箔で華やかに装飾された荘厳な空間で、彫刻や金箔で装飾された黄金の「宮殿(くうでん)」が象徴的です。
御影堂とはまた異なった落ち着いた品格が、とても心地よく感じられました。

なお、如来堂を立てるために末寺や門信徒が資金を集めた当時の記録である「如来堂御建立録」と、上棟儀式時の供物の記録である「御本山阿弥陀堂御上棟儀式御餝物」という2つの古文書が、宮殿とともに附として指定されます。

ちなみに「御影堂」「如来堂」ともに拝観料は無料で、開門される6時00分から閉門される15時30分まではお堂の中にあがることができます。

御影堂と如来堂は、高床の板張りで柱間が吹き抜けになっている「通天橋(つうてんきょう)」という廊下で結ばれています。
こちらは写真撮影スポットとしても人気で、特に夜の灯りがともされた光景はとても幻想的です。(お七夜期間のみ)

なお、高田本山専修寺には建造物以外にも国宝に指定されている三帖和讃、西方指南抄の他、重要文化財が数多く所蔵されていますが、普段は一般公開されていないものも多くあります。

ただ年に数回、国指定重要文化財の一つ「御対面所(おたいめんしょ)」にて会席料理をいただき、他の非公開の重要文化財を特別拝観できるチャンスがあります。詳細については次のレポート記事をご覧ください。特別なひとときが堪能できることでしょう。

特別拝観のチャンス!非公開の重要文化財の広間で会席を味わえるプランが誕生。年に数回しか開催されないのでお見逃しなく!

また、境内の四季折々の風情は趣深く魅力的。

春は桜や藤をはじめとした色彩鮮やかな花々を、夏は高田本山専修寺の象徴ともいえる蓮の花を、秋は銀杏やもみじの紅葉を、冬は雪景色を楽しめます。

こちらの写真は、有名な女性カメラマン星野佑佳さんの作品。

御廟拝堂近くの小さな門から撮影された紅葉で、とても風情があります。

このようなインスタ映えするスポットが境内にたくさんあることも、高田本山専修寺の魅力の一つです。

冬には、高田本山 専修寺の一大法要、親鸞聖人の報恩講を七昼夜に渡って営まれる「お七夜報恩講」が1月9日~16日までの期間行われ、冬の風物詩となっています。

「お七夜さん」と親しまれ、門前に広がる寺内町(じないちょう)には、露店が並び、毎年多くの人々が訪れます。

「お七夜さん」の時期のみ、提灯に灯りがともされた境内を見ることができます。昼間とはまた違った奥ゆかしい雰囲気が楽しめますよ。

そして忘れてはならないのが、御朱印。
参拝した印として、お寺の名前が記された御朱印を授かるのも楽しみのひとつ。山門から入って右側にある進納所にていただけるので、ぜひ立ち寄りましょう。

御朱印は、力強くとても達筆で、身が引き締まりました。

なお進納所ではオリジナルの御朱印帳も豊富に用意されているので、お気に入りのものがきっと見つかることでしよう。

御朱印 1枚:300円 ※御朱印帳を購入された方は商品代に含まれます。

受付時間:9時00分~16時00分

国宝とは、「重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」です。実際に拝観すると「たぐいない国民の宝」を五感で感じることができるので、ぜひ高田本山専修寺にお越しください。


【Youtube動画】

 



【モデルコースのご案内】

○日帰りコース:国宝!高田本山専修寺を日帰りで巡る旅

○1泊2日コース(車):国宝!高田本山専修寺と、城跡を巡る1泊2日の歴史散策!

○1泊2日コース(公共交通機関):国宝!高田本山専修寺と伊勢神宮を公共交通機関で巡る1泊2日の旅


【お問い合わせ】

高田本山 専修寺

〒514-0114
三重県津市一身田町2819番地
電話:059-232-4171
FAX:059-232-1414
HP:公式サイト「高田本山専修寺」       

【交通アクセス】
・公共交通機関の場合
 JR「一身田駅」から徒歩5分
 近鉄「高田本山」駅から徒歩20分
 JR・近鉄津駅から「一身田」「三重病院」行きバス15分「本山前」下車すぐ

・車でのアクセス
 伊勢自動車道津ICから約15分
 伊勢自動車道芸濃ICから約15分
 駐車場 JR一身田駅近くに大駐車場(無料、バス可)有

 【拝観料】 無料

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高田本山専修寺

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新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行事等の変更について 高田本山という愛称で親しまれる当山は、親鸞聖人(しんらんしょうにん)の開かれた真宗の本山がおかれています。 2017年に国宝指定を受けた、国宝木造建造物で5番目の大きさを誇る御影堂と、本堂で彫刻が素晴らしい如来堂の他、東京ドーム2個分の境内に11棟の国指定重要文化財が建ち並びます。その他の国宝・重文などは宝物館にあります。 また、夏には多数の蓮の花が咲き誇ります。 歴史の授業でもご存じのように親鸞聖人は念仏弾圧のときに越後に流されました。その後の足跡をたどれば、関東を廻って京都にお帰りになっています。その関東での拠点ともいえるのが、今の栃木県真岡市高田にある本寺専修寺です。その後、本山が三重県津市一身田町に移転。今の高田本山の元になりました。 この真宗高田派本山専修寺(しんしゅうたかだはほんざんせんじゅじ)は一身田(いしんでん)の地に寺内町を形成すると共に親鸞聖人のひろめられたお念仏を今に伝えています。 創建年代:1465年

高田本山専修寺御廟拝堂及唐門

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如来堂の西側、小さな石橋を渡って堀の間を抜けたところが、真宗の開祖親鸞聖人の御廟である。南から唐門、拝堂、石橋と続きその奥に親鸞聖人の墓とそれをとり囲むように専修寺歴代住職のお墓がある。  正面にある唐門は文久元年(1861)の建築で、屋根は檜皮葺、長押や柱の間や扉などはすみずみまで彫刻で埋め尽くされ工芸品のように美しい。左右につらなる透塀も同時に造られたもので、腰廻りにスイセン、ハス、タンポポなどの草花の彫刻が付けられている。  拝堂は瓦の銘文より安政5年(1858年)の建築と考えられており、屋根の4面に千鳥破風を付け、正面軒に唐破風を付けている。内部の床は、瓦が接ぎ目を斜めにした、いわゆる四半敷で敷かれている。  親鸞聖人のお墓は寛文11年(1671)専修寺に伝えられていた聖人の骨5粒を埋めて造られたものである。 県建  2棟  1974/03/30(S49) 江戸 専修寺

高田本山専修寺山門

中南勢

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専修寺には三つの門がある。山門、唐門、太鼓門がそれで、参詣者は主に山門と唐門を利用する。 山門は御影堂の前に建つ2階建ての門で、専修寺伽藍の総門にあたり、宝永元年(1704)に建てられた。 細部に挿肘木(さしひじき)など天竺様(大仏様)の建築技法が使われているのと、背面三間に庇がついていて、柱の列が整然と見えるために、とてもすっきりした建築になっている。 県建  1棟  1960/05/17(S35) 江戸 専修寺

如来堂

高田本山専修寺如来堂

中南勢

津市

御影堂(みえいどう)の西に位置し、「証拠の如来」といわれる阿弥陀如来立像(あみだにょらいりゅうぞう)を本尊として、中央の須弥壇上に安置し、その両脇に浄土七高僧像、聖徳太子像と九字十字の名号を敬置する堂です。建立は寛延元年(1748)。 御影堂が実質上信仰の中心であるのに対して、教義上は、この堂が専修寺の本堂にあたります。 入母屋造の屋根に裳階(もこし)をつけて、2階建のような外観とし、正面の軒に唐破風が作られ、軒裏の扇形垂木や複雑な斗拱の組物など禅宗様の建築技法がふんだんに使われています。屋根の妻には左甚五郎作と伝えられる鶴の彫物がつけられています。 国建  1棟  1961/06/07(S36) 江戸 専修寺

御影堂

高田本山専修寺御影堂

中南勢

津市

専修寺の山門を入ると正面に見えるのが御影堂(みえいどう)。専修寺では最大の建物で、全国でも屈指の大きさを誇る建物です。 中央に、宗祖親鸞聖人の木像、両脇に歴代上人画像を置く堂で、寛文6年(1666)に再建されました。正面に三間の向拝を持った入母屋造、木瓦葺の建物、外見は純和様風で簡素な感じですが、内部に入ると金襴巻の柱、極彩色の天井、丸彫の欄間など、当時の装飾技術の粋を集めたものになっています。 親鸞聖人の像を安置する宮殿(くうでん)は、棟札から元禄15年(1702)に作られたことが分かり、金箔や極彩色の彫刻で飾られた華麗な意匠が特徴的です。 国建  1棟  1961/06/07(S36) 江戸 専修寺

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