四日市コンビナート夜景クルーズで工場萌え~♡光り輝く工場群を撮影してきました!
掲載日:2018.03.16
石油化学のコンビナート・四日市の工場群は、夜になると美しい工場夜景が見られることで有名。週末は大型遊覧船の夜景クルーズで特別な夜を過ごしてみてはいかが?闇夜に浮かび上がる工場群は必見ですよ。【取材日:2018年3月】

◆四日市コンビナートは「工場夜景の聖地」
日本の5大工場夜景(室蘭、川崎、四日市、北九州、山口)の中でも、トップクラスの迫力、美しさを誇る四日市の工場夜景。
「工場萌え」の方々からは「聖地」と呼ばれるほどの絶景が見られます。

2010年7月から始まった「四日市コンビナート夜景クルーズ」は、海から工場夜景が見られるとあって、大人気のプログラム。
特定の金曜・土曜(※)に「60分クルーズ」、「90分クルーズ」、「イベントクルーズ」のいずれかが設定されています(2ヶ月前から受付可能/1か月前に予約すると400円OFF)。
年々お客さんが増え、約3万人を超える人がこの景色を楽しんできたとか。
※冬季期間は毎週土曜日のみ運航

今回は、2月23日に制定された「工場夜景の日」の特別クルーズ(90分)に参加してきました!
90分コースは、展望デッキ付の名鉄海上観光船「はやぶさ」(全長24.5m、定員125名)に乗船。
このコースは、60分コースのルートのほかに、中部電力川越発電所付近まで航行し、眠らない巨大工場の様子を近くで見ることができます。

本日の旅のおともは、コンビナートOBのボランティアガイド・古川さん。
運航に合わせて、四日市港の歴史やコンビナートにまつわる様々なエピソードを案内してくれます。ガイドがあると、面白さも倍増しますよ!

ちなみに、船に乗り込んだ時に、どちら側にいるといいのか。これは右側がおすすめですね。
どちらも見えますが、ガイドさんのいるのが右側なので、説明に沿って見やすいです。

最初は、デッキにあがって見ることに。
90分コースの船は、2Fデッキが広々としていておすすめ!
ベンチがありますが、今日は誰も座りません。デッキサイドのベストポジションで撮影をするため、のようですね。揺れるので夜景を撮るのはかなり難しいですが、多くの皆さんがチャレンジなさっていました。

まず最初に見られるのが「潮吹き防波堤」。
明治時代に作られた独特の仕組みを持つ防波堤で、国の重要文化財にも指定されています。小堤で波を受け、乗り越えた波をさらに大堤で受け止めて、穴から港内側へ噴き出す様子が「クジラの潮吹き」に見えるのだそうですよ。

◆塩浜地区・石原地区(第一コンビナート)
最初に現れるのは、夜景が最も美しく見える「第一コンビナート」。戦後、海軍の燃料基地跡に建設された日本初の石油化学のコンビナートです。
昭和シェル石油、三菱化学、日本合成ゴム、パナソニック、味の素など多くの会社の工場があります。

大正橋からコスモ石油四日市製油所は人気の撮影スポット。
美しい蒸留塔やプラント群が見え、スケール感、廃墟感に萌え~。ちなみにこの灯りを消すことはできないそうですよ。2年700日、昼夜関係なくぶっ通しで動かしている「不夜城」なんです。

ちなみに四日市コンビナートは第1から第3まで約20kmにわたる巨大工場群(直線距離では6km)。一番新しいものでも約50年経っているそうです。

◆霞ヶ浦ふ頭(第3コンビナート)
このコンビナートは昭和40年代に公害が深刻化。その悲しい歴史を受けて、クリーンな環境を目指して作られたのが「第3コンビナート」です。煙突からもうもうと煙が出ていますが、あれは水蒸気なので安全ですよ。

このキリンみたいな装置は「ガントリークレーン」と言います。
コンテナの積み下ろしをするところです。運転席はどこにあると思いますか?
答えは…なんと真ん中(お腹部分)!
ちなみに、運転手は「ガンマン」と呼ばれているんですってw
キリンの足元を通過~。これは船でしか味わえない興奮ですよね!

◆四日市港ポートビル
高いビルが見えてきました。こちらが四日市港ポートビル。14階は、「うみてらす14」という展望室があります。
山や丘などが沿岸にほとんどない四日市で、唯一プラント群を見下ろすことができるスポットです。

ちょうど巨大な石炭船がいて、クレーンが上がる様子が見られました。

ざざーっと落とされたのは塩でしょうか。奥には山ができていて、石炭のようですね。クルーズでは実際に動いている工場の様子を間近で見ることができます。

こちらが「フレアスタック」。原油からガソリンや軽油を作る際にメタンなどの炭化水素ガスが発生するのですが、これが大気中に拡散すると環境汚染につながるため、生産・処理プラントからフレアスタックに導き、安全に燃やして処理しているのだそうです。
四日市では3本あるそうですよ。なるほど!ひとつ賢くなりました。

こちらは配管橋。各社のガスが通るための橋です。

赤、白、緑の光が海にも映り、その向こうにはオレンジ色に輝く工場群。水面がきらきらと輝き、とても幻想的です。

夜のコンビナートは、私たちの暮らしに欠かせないものを作っているのに、なかなか目に触れることのない世界。夜になると燦然と輝きだす工場群は、まるで息をしているかのようにも見え、なんとも神秘的。
「工場萌え」の方々の気持ちがだんだんわかってきました…!

90分のクルーズの最後に、ガイドさんがおっしゃった言葉が印象的でしたので、書き起こしておきます。
「今から50年前の四日市はスモッグがひどい状態でしたが、関係各所の努力によって、遠くまで見られる美しいまちになりました。四日市は、もう公害のまちではありません。本日の夜景クルーズで、みなさまにもそれを実感していただけたかと思います。日本の大切なライフラインを担っている石油化学コンビナート、またこの美しい夜景に会いに来てくだされば幸いです」。
ガイドさんの四日市への熱い思いが伝わってきて感動。心に響く、素敵なクルーズになりました。
【概要】
開催期間 平日10:00~17:00
定休日:土曜日・日曜日・祝祭日・夏季
料金 大人(13歳以上) 3,900円~
小人(6歳以上~12歳以下) 3,400円~
ご予約 四日市コンビナート夜景クルーズ専用デスク
TEL:059-327-5377 / FAX:059-327-6588
受付時間:平日10:00~17:00
土曜日・日曜日・祝日・年末年始は定休
集合場所
(1) 乗船場所:四日市港埠頭ビル
(2) お車:東名阪道、四日市東ICより約25分
※交通量が多いため余裕を持ってお越し下さい。
(3) 電車:近鉄四日市駅・JR四日市駅より無料送迎バスをご利用ください
※臨時便です。お時間等はご予約いただいた際にご案内いたします。
公式サイト http://ykyc.jp/
※2018年3月時点の情報です。お出かけの際は、必ず公式サイト等にて最新の情報をチェックしてください。