世界が認めた「指勘(さしかん)建具工芸」で、日本の伝統に触れる体験をしてみよう!
掲載日:2019.08.26
「指勘(さしかん)建具工芸」は昭和7年創業。指勘という名前は、初代黒田勘兵衛が家具や器具を作る指物屋(さしものや)を営み始めたことからついたそう。
日本のみならず、世界からも注目を集める「指勘建具工芸」の魅力に迫ります!

そんな街の一角にたたずむ「指勘(さしかん)建具工芸」は昭和7年創業。指勘という名前は、初代黒田勘兵衛が家具や器具を作る指物屋(さしものや)を営み始めたことからついたそう。
現在では日本のみならず、世界から注目を集める「指勘建具工芸」の魅力に迫っていきます!

日本の象徴である富士山を表現した建具で、第50回全国建具フェアで内閣総理大臣賞を受賞しました。迫力満点!
一つの作品を作るのに、なんと!1年~2年を費やすとのこと。その理由は、、、

しかも、実はこれ、釘を全く使わない「組子(くみこ)」という日本の伝統工芸。
木を組み合わせる伝統技法のひとつで、室町時代の書院造りとともに発展したそう。

一つの作品に、10万個以上の木片が使われることも!
この木片を一つひとつ手作業で組んでいくなんて、気の遠くなるような作業ですね・・・。

左側の赤枠部分を拡大した写真を見ると分かりますが、白鷺城特有の白い城壁と屋根の黒色の濃淡を様々な種類の木を使ってつかって表現してるんですね。
それぞれの木の特性を生かして作品を生み出すのも、組子建具の魅力の一つ。

2枚の写真を比べてみると、同じ作品なのに光の入り方によって表情ががらりと変わります。
光と影のコントラストをうまく取り入れられるのもまた、組子の魅力のひとつです。

今回は、三代目の黒田裕次さんに取材させてもらいました。新しい感覚で日本の伝統的な美と近代的建築を融合させた組子建具を作っています。
数々の受賞歴を持つ黒田さんは、伊勢志摩サミット参加国への贈呈品である文箱から、ホテルや旅館のデザイン建具まで、幅広く活躍されています。
三重県を代表する組子建具職人ですが、とても気さくな方で、組子や建具について丁寧に教えてくれました。

指勘建具工芸では「学んで、触れて、見る」体験コースがあります。それを実際に体験してきました~!
まずは、木や作品の元になるパーツの加工について学びます。
工場の中はこんな感じ!入った瞬間、木の香りに包まれました。ここにある全ての機械を使って組子建具は作られるんですね。

今回のレポーターの一人である154cmの太田さんと比べると、木の大きさが一目瞭然!!

木にはそれぞれクセがあり、実際には切ってみないと分からないとのこと。毎回良い木に出会うのは難しく、木との出会いもまた一期一会です。

その日の気候や湿度によって加工の仕方を工夫しているそうです。なんと0.1mmずれるだけで、作品に影響を及ぼします!!
部品によっては、光をあてると透けるほど薄いパーツもあります。

今回私たちが体験したのはコースター作り。他にも鍋敷きや写真立てを作ることもできます。
5種類ある柄の中から私たちが選んだのは、桜亀甲(さくらきっこう)柄と麻の葉柄。それぞれの柄に意味があり、どちらも縁起のいい柄として日本で昔から親しまれているんですよ。
桜亀甲柄は亀の甲羅に似ているため「亀甲」と呼ばれており、長寿の象徴であるから縁起のいい柄。麻の葉は丈夫で真っすぐに育つため、麻の葉柄には魔除けと子どもの健やかな成長の願いが込められている。
・コースター 2000円 所要時間:10分~20分
・鍋敷き 3000円 :30分~40分
・写真立て 5000円 :60分~90分
【難易度】
1,2:☆☆☆☆☆
3,4:☆☆☆
5:☆☆

と思いきや・・・


かわいい!


形も可愛く木のいい香りもします。実際に家で使ってみたのですが結露がしたたっても木のコースターが吸収してくれて机が濡れない!機能性もばっちりで大満足!!
黒田さんはこの体験を通してお客様の声を聞き、直接組子の魅力を伝えています。
最後に黒田さんの自宅である「まちかど博物館」で見学させていただきました!そこではこの記事の最初にも紹介した作品意外にも数多くの展示物を見ることができます。



私たちも、最初は組子建具について何も知りませんでしたが、今回の取材を通して実際に体験したり、組子建具について学んで、触れて、見ることでその魅力に気付きました。ここでの貴重な体験をコースターなどのかたちあるものとともに思い出として持ち帰ることができるのは「指勘建具工芸」ならではです!!ぜひ、魅力を感じてください!