鳥羽市相差「はちまんかまど・あさり浜」で海女小屋体験☆

掲載日:2011.10.04

全国で最も多く現役の海女さんが暮らすまち・鳥羽市相差にある「はちまんかまど・あさり浜」の海女小屋体験を取材してきました♪ (2011年9月)

三重県には、全国の約45%・約1000人の海女さんがいて、県内でも鳥羽市相差(おうさつ)は、約130人と現役の海女さんが最も多く暮らすまちです。

相差は、「女性の願いなら必ず一つは叶えてくれる」と信仰され、全国からたくさんの参拝客が訪れる「石神さん」があることでも有名ですが、これも海での安全や大漁を願う海女が多い相差だからこそなのかもしれませんね。

今回、相差にある海女小屋のうち、「はちまんかまど・あさり浜」に海女小屋体験の取材に行ってきました。この海女小屋は最近できたもので、くじら崎にある「はちまんかまど」よりも大きく、アクセスが便利で、バリアフリー設計にもなっています。TVなどのメディアでも数多く取り上げられ、芸能人もここを訪れていますよ。

そもそも海女小屋というのは、漁場近くの海女さんの基地で、漁に必要な道具を置いたり、着替えをしたり、漁の後に暖をとったり、食事や休憩をしたり、海女さん仲間で楽しく井戸端会議をしたりする、海女さんにとっての大切なところ。

これを再現した海女小屋で、海女さんのお話を聞きながら、新鮮な魚介類をかまど(囲炉裏)で手焼きしてもらって食べられるのが「海女小屋体験」。まさに、海女さんが多い三重だからこそできる貴重な体験です☆ だから、海女小屋内部には、漁に使う道具も飾られています。

ちなみに、海女小屋体験に申し込むと、オプションで海女さんに変身することもできますよ!白い磯着を身にまとって、海女さん気分を味わうことができます♪ (海女のコスプレ300円)

時期やコースによって異なりますが、この日いただいたのは、活きサザエ、檜扇貝、大アサリなどが食べられる「海女小屋料理体験コース」に、オプションで伊勢海老を付けてもらいました。見ているだけでおいしいです♪

これらの新鮮な海の幸を、丁寧に焼いてもらいながら、海女さんがしてくれるいろんなお話に耳を傾けます。

「ウェットスーツがなかった頃は、海に潜ると体が冷え、頭が痛くなるだけでなく視力も低下して、獲物がとれなくて辛かった」、「大きなアワビや探しづらいナマコを獲った時は嬉しかった」、「獲ったものを孫が喜んで食べてくれるのが嬉しい」、「海女漁の合間には田んぼも畑もしている」、「物心ついた頃から相差に生まれたら海女になると決めていた」「漁の後海女小屋でのおしゃべりが楽しい」などなど、とっても興味深いお話。

それに、お話をする時の海女さんの表情が、生き生きとして楽しそうなのが印象的☆ こちらまで嬉しくなってきます。

動画はコチラ
http://www.youtube.com/watch?v=uGVwfhRLL9k&feature=youtube_gdata&rel=0

地域によって異なりますが、相差では、決められた漁期に、1日に1回、1時間40分だけ、潜ることができます。ウェットスーツと足ヒレのみ許されますが、基本は素潜り。だからこそ、古代から、環境と調和したこの海女漁が脈々と続いているのだろうと思います。

しかし、一方で、海の中での危険な作業なので、時には怪我をすることもあって、見せてもらった指は、岩や魚のトゲにささって少し曲がっていました。石神さんが大事に祀られているのもわかりますね。

海女さんとのお話とともにすばらしいのが海の幸。海を見ながら、そして、海女さんのお話し伺いながら食べると、間違いなく一段とおいしくなります。このコースでは、これに、鯛の刺身、伊勢えび汁、相差の新米ごはんなどがつきます。

すっかり海女小屋体験を満喫すると、あさり浜がきれいな夕焼けに。お世話になった海女さんたち、いつまでも、この浜で、元気で漁を続けてくださいね♪ ありがとうございました。

なお、海女小屋体験には、次の4種類があります。どれも魅力的ですよ。なお、2日前までに予約をしてください。
■海女小屋 料理体験
 1時間30分、2~3人の場合1人5000円、4人以上の場合1人3500円
今回体験した基本メニューです。伊勢海老の他、アワビもオプション(格安時価)。

■セレブ気分コース
 ・1時間30分、2~3人の場合1人7000円、4人以上の場合1人6000円
 ・基本メニューに、アワビ1個又は伊勢海老1尾がついたもの。

■まるでセレブコース
 ・1時間30分、2~3人の場合1人9000円、4人以上の場合1人8000円
 ・基本メニューに、アワビ1個と伊勢海老1尾がついた、欲張りコース。

 ※いずれも、12:00~13:30、13:30~15:00、15:00~16:30で行われます。
 ※季節によって、用意できない場合もあります。

■海女の話を聞くおやつ体験
 ・1時間(14:00以降)2~3人の場合1人3000円、4人以上の場合1人2000円
 ・お餅や貝などのおやつを、お茶を飲みながらお話を聞くコース。

【お申し込み・お問い合わせ先】
 伊勢志摩 兵吉屋  電話:0599-33-6145 URL:http://amakoya.com

海女さんは、たいへんな仕事な割に収入が十分ではなく、生業として続けるのも簡単ではなく、海女さんのなり手が少なくなってきているのも事実です。最後に海女小屋のご主人から伺ったお話しも印象的でした。「この海女小屋によって、少しでも海女を生業とする方が増えたらいいな」、「海女さんの学校があったら、海女さんも増えるだろうな」

帰りにいただいた「元気な海女レイ子さんお守り」、大事にします。

なお、海女さんはじめ、海と人間の長く深い歴史を紹介する「海の博物館」では、2011年10月29日~31日に、海女サミット2011「日本列島“海女さん”大集合」が、2011年10月1日~2012年1月15日に、40周年記念特別展「日本列島海女さん大集合」が開かれますので、こちらもどうぞ。


※掲載されている内容は2011年9月の情報となります

関連スポット

石神さん(神明神社)

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神明神社の境内にある「石神さん」は、海女達の間では古くから「女性の願いなら一つは叶えてくれる」と信仰されており、今では全国から多くの女性の参拝客が訪れます。祈願紙に願い事を1つだけ書き、石神さんの前にある願い箱にそっと入れてお祈りを。 星と格子のマークが刺繍で綴られた、一風変わった魔よけのお守りも人気。星は一筆書きできることから「海女が海に潜っても元の場所へ戻れる」、格子は「魔物の入る隙がない」という意味。 伊勢・鳥羽・志摩の観光特集ページはこちら!

相差海女文化資料館①

相差海女文化資料館

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相差(おおさつ)は海女と漁師のまちです。鳥羽志摩地域において、最も多くの海女がくらしています。 この資料館では、海女が昔使っていた道具や磯着の展示など、海女文化の歴史やこころに触れることができます。 昔の海女さんの作業風景のジオラマや、模型を使ってのアワビ採り体験、彫刻や絵画、写真など海女をテーマにした美術作品もあります。 そして、ここを拠点に相差のまちを歩き、相差の人々と語り合えば、海女の元気をもらうことができます。

海の博物館外観

鳥羽市立海の博物館

伊勢志摩

鳥羽市

海女や漁、木造船など海にかかわる約6万点(内6879点が国指定重要有形文化財)もの民俗資料を所蔵する博物館。 人と海との長くて深い関わりを紹介しています。 全国から収集された木造船90隻は必見。 建物は日本建築学会賞や公共建築百選にも選ばれています。

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