松阪牛
- 舌が!頬が!喜ぶ 最高級肉のすき焼き
- 松阪牛といえば、「肉の芸術品」と呼ばれ、言わずと知れた最高級肉の称号である。香りよく、きめの細かいサシ(霜降)と箸で切れるほどやわらかな肉質、口の中でとろける甘い脂と濃厚なうまみ…実は数日前に松阪を代表する有名店ですき焼きを頂いたのだが、今でもうっとりとその肉の美味しさを思い出せたりするくらい、実に良い時間を過ごしたのだった。
- きめ細かい霜降りが松阪牛の真骨頂
- あくまで個人的な主観だが、松阪牛はサシの入り方が他のブランド牛とは違う。赤身が美味しくなければ、肝心な脂もしつこく感じてしまうが、松阪牛は、そのバランスが絶妙である。さらに、脂の溶ける温度(融点)が低いからか、料理によく合い、舌触りもなめらか。
松阪では、明治初期から、文明開化で肉食文化がブームとなった東京へいち早く牛を出荷しており、その当時から今まで、松阪牛は常にブランド牛であり続けている。
- 飼料の配合やえさやりのタイミングにもこだわる
- 松阪牛をブランドたらしめるゆえん…それは、その育て方にある。
松阪では古くから、但馬地方で生まれ紀州で育った若い雌牛を導入。その身元確かな子牛ちゃんを松阪に迎え入れたらば、長い期間をかけて立派な牛にするための身体づくりが始まる。
- まず稲わらや牧草を大量に食べさせることで、できる限り胃袋を大きくして、消化機能を発達させる。
準備が整ったら、牧草の他に大麦やトウモロコシなどの穀類を多く与えていく。栄養豊かな穀類を与えることで、サシが入るのだ。
だから、何をどれだけ、どんな配合で与えるかは松阪牛を育てるうえで極めて重要で、長い歴史により培われた匠の技である。
現在も、肥育技術は継承されており、肉質の高い松阪牛が育てられ、中でも兵庫県で生まれた雌の子牛を900日以上肥育した松阪牛を「特産松阪牛」と称している。
- 食欲不振を解消するためビールを与える
- たくさん食べてほしいが、食べ過ぎもダメ。今度は食欲不振になってしまい、せっかくの努力も水の泡になってしまうのだ。「だから、ビールを飲ませるんですよ」と、我がすき焼きの世話を焼いてくれた仲居さん。
- 牛の胃袋は餌を発酵することで栄養を吸収するが、ビールの酵母菌が胃袋中のバクテリアの働きをよくし、消化を助けてくれるのだそうだ。
真っ昼間からビールなんか飲んで、酔っぱらわないんでしょうかねぇ、と言うと「ごろんと横になっている牛たちは、きっと気持ちよく酔ってるでしょうね」と笑った。
- 愛情は肉質に宿る、を実感
- その他にも、焼酎を吹きかけてブラッシングして、血行を良くしたり、ナデナデしたり話しかけたり。農家の手で手塩にかけて育てられ、各所通じて食卓へ。
織物のように美しい紅白の肉を見ながら、愛情は肉質に宿っている…そう感じた「松阪“牛”の一夜」であった。
松阪の町には、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ、焼肉など、全国的にも名高い老舗が建ち並び、「松阪へ来たなら、一度は本場の松阪牛を味わいたい」という県外からの観光客でにぎわっています。
初めて食べるなら定番のすき焼きがおすすめ。松阪のすき焼きは醤油・砂糖で牛肉を焼く関西風で、脂身の甘さとまろやかさがぐっと際立ちます。どの店もこだわりを持って、味を競い合っていますので、松阪市観光協会のWebサイトなどを参考に、ここぞというお店で本物の味を堪能してくださいね。
松阪市観光協会