鉄道可動橋とは?国内で現役最古の鉄道可動橋「末広橋梁」がある四日市みなとまち歩きを楽しもう!

全国でも珍しい鉄道可動橋の末広橋梁は、1931年に完成し国内で現役最古の鉄道可動橋です。1998年、国の重要文化財に指定され四日市市民でも知る人ぞ知る珍しい橋です。また四日市港はBAURAと称してかつて港町として賑わった街並みを再現しようとしています。当時の貴重な景色が残る、ちょっとレトロな街並みを「みなとまち歩き」してみよう!

記事制作/みえ旅アンバサダー 元気すこぶる

▼ 目次

国内で現役最古の鉄道可動橋、末広橋梁とは?

「こいつ...動くぞ!」
橋の中央部分がケーブルで開閉して、鉄道が通る際は橋が降りた状態になり、船が運河を通る際には橋がゆっくりと上がります。

1931年(昭和6年)に建設され現在も動いているのはこの末広橋梁が最古だそうで、とても珍しい橋が四日市にあるなんて知りませんでした!
1998年(平成10年)に国の重要文化財に指定され、日本が認める貴重な橋なんです。

1日に数回しか開閉しないので見られた時はラッキーです。
ちなみに作業員の人が自転車で操作しに来るので、何とも言えないノスタルジックな気持ちになります。

少しずつ

降りていきます。

ガシャーーン!!(とは言わずに静かに降ります)

みなとまち歩きって何?

実はJR四日市駅の前など「みなとまち歩きマップ」の看板が各所に設置されています。
(正直に言って、まぁまぁな頻度で通っている道でも全然気付いていなかったです)

JR四日市駅から出発し、末広橋梁を含む旧四日市港付近の名所13か所を歩いて巡る約7kmのウォーキングコースです。
四日市市に40年以上住む筆者でも「こんなんあるんや!」「えー!凄いやん!」って思わず三重弁全開の独り言が爆発するコースでした。

看板を参考に、自身がおすすめする大入道が眠る倉庫を追加アレンジしたコースを紹介します。
大まかなコースをGoogleマップ、より詳しいコースをGoogleマイマップにしましたので、よかったら使ってください。

全長約7kmあり、止まらず歩いたとしても1時間40分。
各スポットで楽しむ時間を含めると2時間30分...最後に美味しい珈琲が頂けるお店でゆっくりするので3時間30分かかるウォーキングコースで、歩きごたえ十分なワクワクするコースとなっています!

JR四日市駅を拠点に出発

近鉄四日市駅から出発するコースもありますが、今回はJR四日市駅を拠点に出発します。JR四日市駅周辺には、後述する格安駐車場があるので駅までは車でもアクセスできますよ。

観光スポットだけでなく、道中の工場や倉庫などの景色をじっくり楽しむことができるので、駅からは歩いての散策をおすすめします!
でも...「約7kmも歩きはつらいなー」って思った方は、JR四日市駅で「こにゅうどうレンタサイクル」をやっていますので自転車でも楽しむことができます。
後で出てくるスポットで③の稲葉水門と⑥プロムナード、⑦の別ルートは階段があるので自転車では行けませんが一旦、自転車を置いて見てもいいと思います。

自転車レンタル料

車種 料金(1日)
一般 120円
電動 240円

 

それでは出発していきましょう!

①思案橋

橋だから川が流れていると思い込んでいて...気がつけば通り過ぎてしまっていました。

道路を挟むように作られている思案橋は、徳川家康が海路を進むか陸路を進むか思案したことから思案橋と呼ばれているそうです。
四日市市に徳川家康と関わる場所があるなんて驚きです。

車道を挟むように設置されているので、歩道から注意しながら散策してみてください。

②大入道山車収納庫

四日市市のキャラクターと言えば、「こにゅうどうくん」ですよね。
こにゅうどうくんのお父さんにあたるのが、大四日市まつりの名物「大入道(おにゅうどう)」です。

こにゅうどうくんは、イベントなどで見かけるのですが、大入道って普段はどこにいるんだろう?って思っていたら、倉庫に保管されていたんですねー。

中を見る事はできませんが、この中に大入道がいると思うと倉庫だけでも素敵に見えてきます。

③潮吹き防波堤

皆さんは稲葉三右衛門(いなばさんえもん)さんをご存じですか?自身の子供が小学生の時に郷土の偉人として習ったそうなのですが、お恥ずかしい話で自身は習った覚えがなく全く知りませんでした。

四日市港の築港を決意し人々の反対や資金不足などの困難をしいられる中、私財を投げうってまで四日市港を建設した方です。
そのおかげで四日市が発展し、自身の今の生活が成り立っていると思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。

そんな稲葉さんが11年もの歳月をかけて1884年(明治17年)に現在の四日市港の基礎となる港を築港。しかし度重なる暴風雨や台風の影響で防波堤が破損したため、10年後に築造されたのが潮吹き防波堤です。
大堤と小堤が並行する二列構造で、とても珍しい構造となっており、1893年(明治26年)の約130年前に完成。1996年(平成8年)に国の重要文化財に指定されています。

残念ながら現在は海側が埋め立てられていて、防波堤から潮を吹く姿は見ることができません。
しかし、後述する潮吹き防波堤レプリカで波を発生させ、潮吹き防波堤の仕組みを知ることができますので、実物とレプリカで合わせて楽しむことができます。

ちなみに...みえ川越ICから四日市港を結ぶ「いなばポートライン」も稲葉三右衛門さんの苗字からとっているそうです。

潮吹き防波堤レプリカへ行く途中に大きな水門があります。
稲葉水門と言うらしく、ちょっとした展望台になっており工場夜景を楽しめる場所になっていますので、夜に訪れると違った景色を見ることができます。

④潮吹き防波堤レプリカ

先ほどの潮吹き防波堤がどんな仕組みか見られるレプリカがあります。
ボタンを押すと波を発生させ、防波堤があることで湾内が静かになっているのが理解できます。

こんな巨大で複雑な構造の防波堤を130年前に造ったなんて...当時の人はやる気に満ち溢れていますね。

⑤稲葉翁記念公園

潮吹き防波堤レプリカも含めて、ヤシの木が生い茂る綺麗な公園となっています。

港にこんな綺麗な公園があるなんて、全然知りませんでした。
綺麗な景色を見ながらここで一旦、休憩するのもいいと思います。
公園の北西側にみなとまち歩き、1つ目の公衆トイレがあります。

少し海側を歩けば、ちょっとした堤防があり四日市港ならではの海とコンビナートやサイロが一望できる景色が見られます。

⑥プロムナード

次の目的地に向かう途中にレンガが敷き詰められた散歩道があります。

ここには海側を眺められるようにベンチがいくつもあって、一人で休憩したり大切な人と話ながら景色の移り変わりを楽しめる場所になっています。

海やそこで働く船を見ながら散歩することができ、夕方には船が夕日に照らされて1日の終わりをしみじみ感じることができます。

⑦貨物列車が間近で見られる踏切

この次に行く末広橋梁に続く道となります。
看板も何も無く分かりにくい入口でもあるので、写真で確認してから向かってください。

線路があるのに遮断機がありません。
遮断機が無い踏切を四日市市内で初めて見たので、とても驚きました。
※列車が来る前から大音量の警報が鳴ります。安全には十分注意して散策してください。

運がいいと列車が通り、超近接列車を見ることができます。

※近付き過ぎると危険ですので、安全には十分注意してください。

列車にハマっていない自身でもこれだけ近い列車に興奮してしまいました。

別ルート

ルートマップに表示できない別ルートです。

プロムナードが終わり千戈橋を渡り切った後、川沿いに降りる細い階段があります。
この道も末広橋梁に繋がる道で、川沿いを倉庫など港町の風景を楽しみながら歩ける道になっており、おすすめです。

⑧末広橋梁

冒頭にあった、国内で現役最古の鉄道可動橋です。

運が良いと橋が開閉するのが見られて、更に運が良いと列車が走る姿を見られます。
実は...筆者はこれが見たいがために何度も通いました(;´∀`)

運が良いと見ることができる列車がこちら。

機械的な音をさせながら走っていく列車は映画のような迫力。

⑨ボートウォークと壁画

ボートウォークって何?って思っていたら、色んな船が停泊する船着き場のことでした。
船までを行き来する壁に地元高校生(どこの高校なんだろう?)が描いた壁画が約100m続いていて圧巻です。

ボートウォークの場所は四日市コンビナート夜景クルーズの発停場所でもあります。

コンビナートの照明って法的な制限と安全面からランプ切れしないように保っているんですよね。
近年はLEDライトに変わっているのでより一層、綺麗に見えます。

県外からも人気のクルーズで萬古焼体験プランや夕食セットプラン、貸し切りなどもできます。
詳細はホームページをご覧ください。

四日市コンビナート夜景クルーズ

建物内の四日市港フェリー待合室には、みなとまち歩き2つ目のトイレがあります。

⑩臨港橋

末広橋梁は鉄道用の可動橋ですが、こちらには船舶用の可動橋があるんです!
末広橋梁は列車が走るタイミングで橋が降りて、こちらは船が通る時に道路が上がります。
(橋に線路みたいな警報装置があるって不思議な光景です)

道路が約70度にまで上がる様は、もはや壁になると思うのですが...残念ながら筆者は上がっているタイミングに出会えませんでした。

こちらの橋は3回更新されていて、1930年代、1960年代、1990年代と約30年スパンで更新されています。
ということは...2020年代は次の更新時期に来ており、更新時期が近づいているのではないかと勝手に予想しています!
改装される前に、現状を見に行けるのも今を生きる人の特権ですね。

⑪末広橋梁(2回目)

末広橋梁を反対側からも見ることができます。
(操作小屋があるからもしかして正規がこっちなんだろうか...)

こちら側はノスタルジックな倉庫も近くで見ることができます。

⑫伝七邸

ここまで来たらかなり歩いて足もクタクタになっていると思います。
そんな時は1896年(明治29年)から続く風情ある老舗料亭で美味しい珈琲とデザートを頂きましょう。

老舗料亭の由緒ある雰囲気の中、茶筅で点てる絶品珈琲と美味しいデザートが疲れを癒してくれます。
「珈琲を点てる?」と思いましたが、厳選された珈琲を茶筅で点てることによって、香りがいっそう引き立てられ、綺麗なお庭と合わせて、見て楽しみ、香りで楽しみ、味で楽しむことができる心安らぐお屋敷でした。

こちらの建物も登録有形文化財に指定されていて、みなとまち歩きはたくさん貴重な物に触れられます。

〒510-0042 三重県四日市市高砂町6番12号
お食事 営業時間:11:30~14:00、17:00~21:30(月曜定休)
お食事とカフェのお問い合わせ:059-351-2491(※電話予約は18:00まで対応可)

過去には一見さんお断りの格式高い料亭だったのですが、7年前に生まれ変わり気軽に入れる老舗料亭となりました。
おもてなしの志は変わらず、料理には職人の拘りが行きわたっており、料理だけでなく器も萬古焼職人が手掛けた素敵な器で彩られます。
その他にもランチやディナーなど各種のお祝い事やヨガや講演会などもしている多彩な料亭です。

詳細は公式ホームページをご覧ください。
伝七邸

⑬稲葉三右衛門翁銅像

みなとまち歩きの最後のしめくくりは、四日市が発展できるよう礎を築いてくれた稲葉三右衛門さんにお会いしましょう。
JR四日市駅の交差点に稲葉三右衛門さんの銅像があります。

街路樹の綺麗な場所から港を眺めるかのようなたたずまいで立っている稲葉三右衛門さん。
これから生まれ変わっていく四日市港四日市地区を暖かく見守ってください。

ゴールです!お疲れさまでした!

知らない物、知らない歴史や珍しい物と出会える素敵な「みなとまち歩き」。
皆さんも是非、散策してみてください。

ここからは駐車場や賑わいあるBAURAを目指すための「みなとまちづくりプラン(基本構想)」をご紹介していきます!

駐車場

JR四日市駅周辺の駐車場は、「本町パーキングⅠ」が安くておすすめです。
平日でも最大650円、土日は値下げして最大400円と破格で、駅から北へ150mほど進んだ場所にあります。

Googleマップでは「本町パーキングⅠ」と検索しても出てこないのでご注意ください。
本町パーキングⅠはシーチンチャオメン 燕(エン)さんの対面に位置しています。
(シーチンチャオメン 燕さんも美味しい中華料理屋さんでおすすめです)

よっかいちBAURA(庭浦)/ 四日市みなとまちづくりプラン

モノ・ヒトがともに集う出会い・憩い・賑わいのみなとまち ~新たな“よっかいち庭浦”の実現~
として四日市みなとまちづくりプランが計画されています。

四日市港の物流機能の中心は霞ヶ浦地区へと移りつつあり、四日市港四日市地区は従来の物流機能に加え、 市民・県民が憩い、賑わう交流拠点として整備することを計画しています。

プロジェクト1として、千歳運河賑わい創造プロジェクトがあります。

千歳運河沿いを賑わい溢れる場所に再生させるため、短中期的にはSUPやカヌー、カッター体験などのイベントを行い人々に賑わいの場として認識してもらうと共に運河沿いの整備を進めていきます。是非参加してみてください。

その他にもプロジェクト2~6までを計画しており、将来的に旧四日市港を発展させようとしています。

詳細はホームページをご覧ください。

よっかいちBAURA

2025年1月1日 初日の出は四日市港から拝んできました

撮影を進めている時にひょんなことから、四日市海洋少年団さんとMY MOTHERSさんのご協力を得て、四日市港の海上までカッターで運んで頂き初日の出を拝むことができました。

毎年、1月1日の初日の出はどこかしらに拝みに行っていますが、海の上で初日の出を拝めるなんて貴重な体験をさせて頂きました。

この日は雲も無く、天気もいい日で水平線から昇る太陽をはっきりと見ることができ、例年より太陽が大きく感じました(気のせい?)

四日市海洋少年団さんもMY MOTHERSさんも団員募集中なので、参加してみたい方は下記へご連絡ください。

四日市海洋少年団(Facebook)

MY MOTHERS(Instagram)

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