志摩市 英虞湾で生まれる真珠から、人の暮らしに寄り添う里海のこれからを考える 宣伝
伊勢志摩国立公園内、志摩市南部に広がる「英虞湾」。豊かな自然環境の中、海では養殖業が盛んに行われています。中でも、英虞湾は真珠の一大産地であり、その美しさで古くから人々を魅了してきました。
自然の恵み豊かな英虞湾
英虞湾は、複雑に入り組んだリアス海岸と湾内に浮かぶ大小いくつもの島々が美しい、伊勢志摩を象徴する風景です。
波穏やかな湾は、黒潮の海流や森からもたらされる養分が豊富で、古くからこの地域に住む人々は英虞湾の豊かな自然の恩恵を受けて生活を営んできました。
真珠をはじめ青さのりや牡蠣など海産物養殖の筏(いかだ)が無数にある様子も、英虞湾が人々の生業と共にある里海であることを表しています。
※里海・・・人の手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域のこと
今回は、女優 雪見みとさんと一緒に、英虞湾へ。
英虞湾で長年続く志摩市の伝統産業「真珠」にふれ、そこから見えた、これからの英虞湾の自然のあり方について考えます。
横山展望台
志摩市横山にある横山展望台では、英虞湾の絶景を一望することができます。
横山展望台の 5 つある眺望スポットのうち、メインとなる 「横山天空カフェテラス」では、標高 140m の展望デッキから雄大な英虞湾の大パノラマが望めます。
階段を登った先、広々とした展望デッキから目の前に広がる大自然に、雪見さんも「きれい!」
「横山天空カフェテラス」の他、それぞれ標高や特色の違う展望台から、異なる英虞湾の眺望を楽しむことができるのも、横山展望台の魅力の一つです。
英虞湾の真珠養殖
英虞湾で行われる養殖業の中で、特に代表的と言えるのが真珠養殖。英虞湾のある三重県志摩市は、愛媛県の宇和島や長崎県の壱岐・対馬と並ぶ日本有数の真珠の産地です。
英虞湾の真珠養殖の歴史は、明治時代、三重県鳥羽市出身の御木本幸吉(みきもとこうきち)が真珠養殖の試験場として英虞湾の入り江を選んだことに始まります。
英虞湾は、入り組んだ形のため波が穏やかな上、山からの養分が海へ流れ込み、貝の餌となるプランクトンが豊富なことから、真珠養殖に適した地。全盛期は、この英虞湾に 1,000 軒ほどの真珠養殖事業者がいたと言われています。
人々を魅了する真珠ができるまで
実際に行われている真珠養殖の様子を見に、英虞湾にある、覚田真珠さんの真珠養殖場へやってきました。
海に浮かぶ養殖筏には、真珠が作られるアコヤ貝が入った網がいくつもぶら下がっているのが見えます。
真珠養殖は、貝を掛け合わせる人工採苗、次にその稚貝を育成し、成長した貝に真珠の元となる核入れをしさらに真珠ができるまで育成、そして浜揚げをするといった非常に多くの工程を踏むもので、一つの真珠ができるまでに、小さなものでおよそ3年の年月を要します。
その間にも貝の清掃や、成長の段階に合わせ適した水温の場所へ貝を移動させるなど、常に貝を良い状態にするには、年間を通して弛まぬ管理が必要です。
こうした努力を重ねたうえでも、養殖期間中に、病気や、環境への対応が難しいといったことなどが原因で、半分ほどのアコヤ貝が死んでしまうという厳しさがあるといいます。
しかし、そうした手間暇を惜しまず育てられた真珠の美しさは、時代を超えて人々を惹きつけてきました。透明感を纏った柔らかなツヤは、まさに自然の中で年月をかけて作られた造形美です。
ここで雪見さんも貝の清掃を体験。貝殻を傷つけないよう、貝についたフジツボなどを手作業で落とす繊細な作業に
「一粒の真珠を作るのにとても手がかかっていることがわかります。愛情込めて育てられているんだなと」
人と共にある「里海」
英虞湾における真珠養殖の長い歴史の中には、これまでにリーマンショックをはじめとした経済状況の変化や、「赤変化」という病気による全国的な貝の大量へい死など、真珠の生産量が大きく低下する出来事が起こった時期があり、それにより真珠養殖をやめた事業者も多くありました。
湾内には、かつて真珠養殖の作業場であった小屋などが今も姿をとどめています。
そういった過去を経た上でも、明治時代から今も一大産業として英虞湾で真珠養殖が続けられているのには理由があると、先ほど養殖場を案内してくれた覚田真珠の代表 覚田譲治さんは言います。
こちらは覚田さんが見せてくれた、昭和 38 年の英虞湾にある覚田真珠養殖場の写真です。
「英虞湾の周りには畑や果樹園があり、土には肥料が与えられていました。木は薪にするため適度に間伐されることで残った木に栄養が行き渡り、手入れがされた生産性の高い森になりました。その森から海に流れ出た養分は真珠を作るアコヤ貝や海苔の良い餌となり、海もまた同じように活性化していったんです」と覚田さん。
さらに人が海産物を獲って食べることで、今度は、食べた後のものが畑に使われる肥料となる。昔から英虞湾には、“人がいることでより自然が豊かになる”循環があったそうです。
そうしたサイクルを長年繰り返してきた英虞湾は、まさに人と自然が持続的に共生してきた里海であると言えます。
英虞湾に面したリトリートCOVA KAKUDA
「英虞湾にはそうした循環がはるか昔からあることをここへ来て感じ、豊かな気持ちになってもらえたら」と話す覚田さん。2023 年夏、静かな英虞湾の入り江に、リトリートステイ「COVA KAKUDA(コーバ カクダ)」をスタートさせました。
1970 年まで真珠養殖の作業場であった建物を、骨組みを残したままリノベーション。ロビーには、この場所で歴史が紡がれてきたことがわかる写真が飾られており、その歴史を直に感じることができます。
真珠養殖場であったこの場所が拠点となり、英虞湾の自然の循環や真珠養殖を含めた産業、人の営みを知るきっかけを作り出す場所となっています。
また真珠は、ここCOVA KAKUDAでも、アクセサリーになったものを実際に見たり、手に取ったりすることができます。
真珠養殖の現場を実際に見た後、丁寧な手作業が繰り返され形になった真珠を見ると、人の手と自然が作り出した、愛おしく尊いものだと感じるに違いありません。
これからの英虞湾
人の暮らしに密接であり、それでいて訪れる人を魅了する。そんな英虞湾の自然を次世代にも引き継いでいくために、COVA KAKUDAでは、ゴミのアップサイクルをワークショップとして開催しています。
浜掃除をしたゴミを分別し、分別したゴミをアップサイクルするこの取り組み。
こちらは、養殖場で使用されていた網の廃材を解き、フジツボなどの付着物をきれいに取り除いた後に編み直すことでできたボトルホルダーです。
ゴミ拾いをしていた際にペットボトルのゴミが多かったことから考えられたもので、タンブラーなどに水を入れ、これに入れて持ち歩けば、ペットボトルを買わずに済みます。 網の特性上とても頑丈で、ボトルホルダーの他、スマホショルダーのストラップや、大きなものではハンモックなど、まだまだ成果物には可能性があると覚田さんは言います。
またCOVA KAKUDAでは、養殖で出た貝の廃棄や、調理の際に出るゴミなどを、コンポストで肥料に換えて森の土に返す取り組みも行っています。
「遠方から英虞湾に訪れたお客様には『こんなに美しい場所があるのか』と言っていただけることが多く、従来からあった価値や美しさに地元の私たちも改めて気づくことができました。自然、産業、食、ここにしかない体験を通して、英虞湾も人も、大きな自然の一部であるということを知ってもらいたい」と覚田さん。真珠養殖を切り口に、昔も今も、またこれからも、人とともにある英虞湾の魅力を伝えています。
世界に誇る伊勢志摩の真珠。そのルーツである英虞湾の自然は、人の営みによって豊かになり、その豊かな自然からまた人は恵みをもらうといった持続可能なサイクルが既存していました。繰り返されてきた自然の循環に加え、自然資源を活かした新たな取り組みが始まっている英虞湾へ訪れてみてはいかがでしょうか。
基本情報
■横山展望台
【住所】三重県志摩市阿児町鵜方 875-20
【電話番号】0599-44-0567(横山ビジターセンター)
【営業時間】照明設備が無いため、日暮れ後は注意が必要
【定休日】荒天日
【駐車場】有
【WEBサイト】https://www.kanko-shima.com/purpose/965/
■COVA KAKUDA
【住所】三重県志摩市志摩町片田1397-14
【電話番号】0599-52-0231
【駐車場】有
【WEBサイト】https://cova-iseshima.jp/
<プロフィール>
雪見みと
1997年5月1日生まれ。兵庫県出身。FOR YOU所属。
BS12「SDGsらぼ」のメインMCとしてレギュラー出演し、2023年からコカ・コーラ水資源アドバイザーを務める。
他、多数の広告に出演中。 大のパン好きで、パンシェルジュ検定2級・3級を取得。
2024年には舞台「劇走江戸鴉~チャリンコ傾奇組~」に出演、
2025年1月より放送を開始するBS松竹東急ドラマ「うちの会社の小さい先輩の話」にて
レギュラー出演を果たすなど俳優として活動の幅を広げている。