澄み切った夜空で繰り広げられる星の瞬き… 「世界遺産のまち」熊野で星空観賞・撮影!
掲載日:2020.10.27
紀伊山地の山々に周りを囲まれて、大都市圏からの光が届きにくい環境にある熊野市。人工光の影響をほとんど受けない暗い空が広がる熊野の地は、星空鑑賞や撮影を行うのに、とても適した場所なのです。三重大学の調査によると、世界の天体観測の最高峰とも称されるハワイ・マウナケア山頂に比べても、暗闇の深さがほとんど変わらなかったというデータもあります。光害の少ない熊野市で、四季おりおりの星空を手軽に観察できるスポットをご案内します。
まずは夜景や星空を撮影したり、鑑賞するのに必要なアイテムをご紹介したいと思います。準備をしっかりして安全に熊野の星空を楽しみましょう。参考にしてみてください。
【カメラ】
星空撮影に必要なアイテム。まずはカメラがなければ始まりません。
スマホやコンパクトデジカメは手軽で便利ですが、本格的に星空を撮ろうとすると、やはり絞りやシャッタースピードがマニュアルで設定できる一眼レフかミラーレスカメラが必要になります。一般的には、F値が低くて明るい広角ズームレンズが適していると言われています。
星空撮影に必要なアイテム。まずはカメラがなければ始まりません。
スマホやコンパクトデジカメは手軽で便利ですが、本格的に星空を撮ろうとすると、やはり絞りやシャッタースピードがマニュアルで設定できる一眼レフかミラーレスカメラが必要になります。一般的には、F値が低くて明るい広角ズームレンズが適していると言われています。
【三脚】
夜間撮影はシャッター速度が低速になってしまうため、ブレが起こらないようにカメラを三脚で固定する必要があります。持ち運びには多少不便ですが、ある程度重量のあるしっかりした三脚を選ぶと、野外の足場の悪い所などで威力を発揮します。高さは150~160cmぐらいは欲しいところです。
夜間撮影はシャッター速度が低速になってしまうため、ブレが起こらないようにカメラを三脚で固定する必要があります。持ち運びには多少不便ですが、ある程度重量のあるしっかりした三脚を選ぶと、野外の足場の悪い所などで威力を発揮します。高さは150~160cmぐらいは欲しいところです。
【雲台(うんだい)】
長時間にわたって露出する必要のある星空撮影には、雲台にもこだわりを。
雲台とは三脚とカメラをつなぐ役割を果たすものです。特にギア雲台は、ギアの噛み合あわせにより、難しいと言われていた微妙なアングルの調整ができるのがポイントです。
プロ仕様だと十数万円程度するものもありますが、2万円前後の格安な商品も出てきています。
長時間にわたって露出する必要のある星空撮影には、雲台にもこだわりを。
雲台とは三脚とカメラをつなぐ役割を果たすものです。特にギア雲台は、ギアの噛み合あわせにより、難しいと言われていた微妙なアングルの調整ができるのがポイントです。
プロ仕様だと十数万円程度するものもありますが、2万円前後の格安な商品も出てきています。
【ライト】
星空の撮影は当然のことながら辺りは真っ暗。暗闇におけるカメラの操作や、被写体に向けて明るく照らしてピントを合わせるためにも懐中電灯は必須。
撮影中に不測の事態が起こった時にも必要になります。できれば、電池やバッテリーの持ちがよく、長時間にわたって使えるLEDがオススメ。明るさの調整ができるタイプなら、なお良いですね。
星空の撮影は当然のことながら辺りは真っ暗。暗闇におけるカメラの操作や、被写体に向けて明るく照らしてピントを合わせるためにも懐中電灯は必須。
撮影中に不測の事態が起こった時にも必要になります。できれば、電池やバッテリーの持ちがよく、長時間にわたって使えるLEDがオススメ。明るさの調整ができるタイプなら、なお良いですね。
【その他】
スマホアプリでぜひとも活用したいのが「SUNSURRYOR(サンサーベイヤー)」。
プロ写真家の使用率も高く、太陽や月の出入りや軌道のほか、天の川が昇ってくる時間や方角も表示してくれます。無料版と有料版があり、無料版では使える機能が限られてしまいますが、まずはこちらで使い勝手を試してみてはいかがでしょうか。
スマホアプリでぜひとも活用したいのが「SUNSURRYOR(サンサーベイヤー)」。
プロ写真家の使用率も高く、太陽や月の出入りや軌道のほか、天の川が昇ってくる時間や方角も表示してくれます。無料版と有料版があり、無料版では使える機能が限られてしまいますが、まずはこちらで使い勝手を試してみてはいかがでしょうか。
【鬼ヶ城】
まず訪れたのは世界遺産にも登録されている「鬼ヶ城」。
熊野尾鷲道路から熊野大泊ICを降りてすぐの熊野市の玄関口とも称されるところにあります。急激な地盤の隆起とリアス式海岸の海風食によって造られた豪壮な景観が目の前に迫ってきて、撮影スポットには事欠きません。昼間でもあちこちでカメラを向ける人々に出会います。
まず訪れたのは世界遺産にも登録されている「鬼ヶ城」。
熊野尾鷲道路から熊野大泊ICを降りてすぐの熊野市の玄関口とも称されるところにあります。急激な地盤の隆起とリアス式海岸の海風食によって造られた豪壮な景観が目の前に迫ってきて、撮影スポットには事欠きません。昼間でもあちこちでカメラを向ける人々に出会います。
写真提供:@masaki763
「千畳敷」からのショット。夏の夜空に天の川流星群がくっきりと浮かび上がる光景は思わず胸がいっぱいになりそう。
水たまりができやすいので、水面に風景が映り込むリフレクション(反射)を利用した撮影も可能です。垂れ下がるように張り出している岩の先端の形状と、一面に広がる星空が独特のシルエットを生み出しています。
「千畳敷」からのショット。夏の夜空に天の川流星群がくっきりと浮かび上がる光景は思わず胸がいっぱいになりそう。
水たまりができやすいので、水面に風景が映り込むリフレクション(反射)を利用した撮影も可能です。垂れ下がるように張り出している岩の先端の形状と、一面に広がる星空が独特のシルエットを生み出しています。
特異な形状の岩場に人物が映り込むと、一面の星空と相まって、ひと味違った趣のあるショットになりますね。
なお、鬼ヶ城の遊歩道には外灯がなく、この一帯は真っ暗闇といっても過言ではありません。さらに階段や段差が多く、昼間でも足場の悪い場所なので、懐中電灯などの照明器具は必ず持参してください。
なお、鬼ヶ城の遊歩道には外灯がなく、この一帯は真っ暗闇といっても過言ではありません。さらに階段や段差が多く、昼間でも足場の悪い場所なので、懐中電灯などの照明器具は必ず持参してください。
名称
鬼ヶ城(熊野市)
住所
〒519-4323
熊野市木本町
電話番号
0597-89-0100
公式URL
駐車場
有 72台
大型バス 10台
大型バス 18台(鬼ヶ城センター第2駐車場)
公共交通機関でのアクセス
・JR紀勢本線「熊野市駅」から「大又大久保行き」バス約5分「鬼ヶ城東口」下車すぐ
車でのアクセス
・熊野尾鷲道路「熊野大泊IC」から南へ車で約1分
【七里御浜】
日本一長い砂礫海岸である「七里御浜」。全長は約22kmあり、世界遺産にも登録されています。紺碧の海に白妙青松という言葉がぴったりの絶景で、かつては熊野参詣に向かう巡礼者が利用する「浜街道」でもありました。
また、アオウミガメが産卵のため上陸する地としても知られています。
日本一長い砂礫海岸である「七里御浜」。全長は約22kmあり、世界遺産にも登録されています。紺碧の海に白妙青松という言葉がぴったりの絶景で、かつては熊野参詣に向かう巡礼者が利用する「浜街道」でもありました。
また、アオウミガメが産卵のため上陸する地としても知られています。
七里御浜の周辺は照明が少ないため、闇が深く、月明かりに照らされておぼろげに浮かび上がる海面が、神秘的でロマンチックな雰囲気を醸し出します。
静まり返った砂浜に響く、寄せては引いていく熊野灘の波の音が、心地よいリズムとなって心に深く染み入ってきます。
静まり返った砂浜に響く、寄せては引いていく熊野灘の波の音が、心地よいリズムとなって心に深く染み入ってきます。
冬の空一面に無数の星が降り注ぐ幻想的なシーン。
水平線ギリギリまで星が瞬く光景は、生涯忘れられないほどの感動をもたらしてくれます。ただ、七里御浜は波が高く、水をかぶる危険があるので、撮影に夢中になるあまり、波打ち際に近づき過ぎないようにしてくださいね。
名称
七里御浜海岸
住所
熊野市~紀宝町
電話番号
0597-89-0100
公共交通機関でのアクセス
JR熊野市駅から徒歩5分
車でのアクセス
熊野尾鷲道路 熊野大泊IC~国道42号
(熊野大泊ICから約5分)
【獅子岩】
「神が造った彫刻」としか言いようのない特徴のある形状の「獅子岩」。高さ25m、周囲約210m。大きな獅子が、広い海に向かって咆哮しているような姿は、一度見れば忘れられないぐらいのインパクトがあります。
「日本のスフィンクス」とも呼ばれ、国の名勝に指定されているほか、世界遺産にも登録されています。
「神が造った彫刻」としか言いようのない特徴のある形状の「獅子岩」。高さ25m、周囲約210m。大きな獅子が、広い海に向かって咆哮しているような姿は、一度見れば忘れられないぐらいのインパクトがあります。
「日本のスフィンクス」とも呼ばれ、国の名勝に指定されているほか、世界遺産にも登録されています。
漆黒の闇の中、月に向かって吠える獅子岩。一面に広がる空と海に向かって、何かを訴えかけるような思いが伝わってきます。
夏の熊野大花火の際には、壮大な打ち上げ花火をバックに咆哮する獅子岩を捉えようと多くのカメラ愛好家が三脚を立て撮影する姿が見られます。
夏の熊野大花火の際には、壮大な打ち上げ花火をバックに咆哮する獅子岩を捉えようと多くのカメラ愛好家が三脚を立て撮影する姿が見られます。
獅子岩の代表的なシーンといえるのがコレ。海から昇っていく月を見事に咥えました。
11月から1月にかけての限られた日しか訪れないシャッターチャンスを粘り強く待ち続けた貴重な一枚です。
同じように5月中旬から約一ヶ月間の早朝にかけては、朝日が獅子岩の口の中に入る光景が見られます。
11月から1月にかけての限られた日しか訪れないシャッターチャンスを粘り強く待ち続けた貴重な一枚です。
同じように5月中旬から約一ヶ月間の早朝にかけては、朝日が獅子岩の口の中に入る光景が見られます。
名称
獅子岩
住所
〒519-4324
熊野市井戸町
電話番号
0597-89-0100
料金
無料
休日
年中無休
駐車場
あり
公共交通機関でのアクセス
JR紀勢本線「熊野市駅」から徒歩で約10分
車でのアクセス
熊野尾鷲道路熊野大泊ICから国道42号七里御浜沿い、車で新宮方面へ約3分
【丸山千枚田】
さて、ここから少し足を伸ばして「丸山千枚田」へ。
獅子岩から国道42号線を走り、紀和方面へ向かって30分ほどで丸山千枚田の看板が見えてきます。そこから山道をしばらく登っていくと、やがて特徴のある棚田が見下ろせるポイントに。
大小1,340枚の斜面に幾重にも作られた田んぼは、保存会を結成した地元住民の手によって管理されており「日本の棚田百選」にも選ばれています。
さて、ここから少し足を伸ばして「丸山千枚田」へ。
獅子岩から国道42号線を走り、紀和方面へ向かって30分ほどで丸山千枚田の看板が見えてきます。そこから山道をしばらく登っていくと、やがて特徴のある棚田が見下ろせるポイントに。
大小1,340枚の斜面に幾重にも作られた田んぼは、保存会を結成した地元住民の手によって管理されており「日本の棚田百選」にも選ばれています。
丸山千枚田は四方を山に囲まれて人工光が少なく、四季を通じて変化する瞬間を捉えられるのが魅力。
田に水が張られている時期は、星や月明かりがリフレクション(反射)するシーンを狙うこともできます。ただ、夜は地上部分がかなり暗くなるので、棚田の光景を捉えるのは、少々テクニックが必要かも。
また、市街地に比べるとシカやイノシシなどと遭遇する確率も高いので、車の運転には細心の注意をしてください。
田に水が張られている時期は、星や月明かりがリフレクション(反射)するシーンを狙うこともできます。ただ、夜は地上部分がかなり暗くなるので、棚田の光景を捉えるのは、少々テクニックが必要かも。
また、市街地に比べるとシカやイノシシなどと遭遇する確率も高いので、車の運転には細心の注意をしてください。
春の丸山千枚田では北斗七星が輝き、独特のひしゃくの形を追うフォトグラファーの姿が見られます。
また、慣れてきたらこちらの写真のような「星の軌跡撮影」にも、ぜひチャレンジしてみてください。
丸山千枚田の近くには民家もあるので、マナーを守って静かに撮影を行うのはもちろん、ゴミなどが出たらきちんと持ち帰ってくださいね。
また、慣れてきたらこちらの写真のような「星の軌跡撮影」にも、ぜひチャレンジしてみてください。
丸山千枚田の近くには民家もあるので、マナーを守って静かに撮影を行うのはもちろん、ゴミなどが出たらきちんと持ち帰ってくださいね。
名称
丸山千枚田
住所
熊野市丸山
電話番号
0597-97-1113
駐車場
無料駐車場あり
公共交通機関でのアクセス
JR熊野市駅から車で約30分
車でのアクセス
熊野大泊ICから車で約40分
【熊野少年自然の家】
国道311号線からカーブの多い登り道を進み、最後に訪れたのは「熊野少年自然の家」。
市内の街並みから熊野灘まで見渡せる丘陵地に、自然体験活動やレクリエーション、スポーツ合宿などができる施設や設備が建てられています。口径45cmのカセグレン式天体望遠鏡を備えた天体観測室もあり、星空観望会などのイベントも開催されています。
国道311号線からカーブの多い登り道を進み、最後に訪れたのは「熊野少年自然の家」。
市内の街並みから熊野灘まで見渡せる丘陵地に、自然体験活動やレクリエーション、スポーツ合宿などができる施設や設備が建てられています。口径45cmのカセグレン式天体望遠鏡を備えた天体観測室もあり、星空観望会などのイベントも開催されています。
遠くに浮かぶ市街地の灯りを眺めつつ、満天に輝く星を撮影できます。夏の時期は仲間や家族と宿泊や野外活動をしながら、流れ星を数える…といった楽しみ方も。
なお、行事やイベントなどが行われている場合があるので、夜間に鑑賞、または撮影する目的のみで訪れる際には、事前に施設まで連絡を入れていただけるとスムーズです。
なお、行事やイベントなどが行われている場合があるので、夜間に鑑賞、または撮影する目的のみで訪れる際には、事前に施設まで連絡を入れていただけるとスムーズです。
秋の流星群として有名な「しし座流星群」を見ることもできます。天候の条件が良ければ、肉眼で確認することが難しいと言われているアンドロメダ銀河などもキャッチできるかもしれません。
「家から天の川が見える」と言われるぐらい暗く、澄み切った空が広がる街、熊野で天空のロマンに思いを馳せてみませんか。
※2020年10月時点の情報です。内容等が変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。
「家から天の川が見える」と言われるぐらい暗く、澄み切った空が広がる街、熊野で天空のロマンに思いを馳せてみませんか。
※2020年10月時点の情報です。内容等が変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。
名称
三重県立熊野少年自然の家
住所
熊野市金山町1577
電話番号
0597-89-3340
公式URL
休日
月曜・12月28日~1月4日
公共交通機関でのアクセス
JR熊野市駅から車で約15分