桜と蔵王権現(ざおうごんげん)、三重県にあるミニ吉野? 御嶽山真福院(みたけさん しんぷくいん)

掲載日:2021.04.30

奈良吉野と言えば桜と蔵王権現で有名ですが、その2つで有名な場所が三重にも在ることを知っていましたか?
それは津市美杉町です!三多気(みたけ)の桜は有名なのでご存知の方も多いかと思いますが、周辺にある御嶽山真福院というお寺にも蔵王権現が祀られているんです!
そんな桜と蔵王権現と梵字のお寺、御嶽山真福院を中心に周辺の絶景スポットと撮り方も併せてご紹介しますので是非最後まで見て下さい!

◆記事作成:MAMMY(マミー)
僧侶と写真家、二足の草鞋を履く僧侶フォトグラファー
鈴鹿市在住 カメラ歴:Nikon 一筋13年
現在、妻に新しい周辺機材の購入許可申請中!(笑)

今回は敢えて桜の時期では無く、新緑を狙ってきました!決して満開時に行けなかった訳ではありません。(笑)もちろん桜の写真も有りますよ〜!

まずご紹介するのは、桜と蔵王権現さんで有名な「奈良吉野」と「美杉町三多気」について、僧侶目線で説明を。

奈良吉野の金峯山(きんぷせん)修験本宗の本山、国軸山金峯山寺。美杉町三多気の真言宗醍醐派のお寺、御嶽山真福院。
どちらも日本独自の山岳仏教である修験道の本尊様である蔵王権現をお祀りしています。
またどちらも七世紀後半、白鳳時代に役行者(えんのぎょうじゃ)の呼び名で有名な役小角(えんのおずぬ)によって開基されています。そしてお寺の境内地、周辺、その地域には沢山の桜が有ります。

開基、本尊、お寺周辺の風景等が類似していますよね。更に!今回色々と取材してびっくりしたことがあります。
御嶽山真福院さんには別名?正式名称?がありました。それが密嶽山金峰山寺真福院というお名前!
「峯」と「峰」、漢字は違いますが、まさかお寺の名前まで同じ「きんぷせんじ」だとは…。

桜の伐採や失火、兵火を乗り越えて今に至りますが、規模は違えど正に三重県のミニ吉野ではないでしょうか!?

先ずは、名勝三多気の桜と言われる真福院までの参道1500mの間に北畠顕能公が植えたと言われる約二千本余りの桜並木。現在は古朽したものも多いが補植され、景観を保っているそう。近くに水車小屋もあり、見事な景観を誇ります。


夜桜広場近くの桜並木。まるで絵に描いたような緑のトンネルです。

真福院のすぐ下にある棚田の桜は有名な絶景ポイントですね。
この日は運良く、彩雲(さいうん)が出迎えてくれました。

こちらは明け方に撮影したものです。
ここの棚田は、今は米を作ってないのにご厚意によって水を入れてくださっているそうです。どこに行っても、この様なご厚意に応える為にも挨拶と撮影マナーには気をつけたいものです。

真福院参道入口。神仏習合の名残りで石鳥居も現存し神社としての信仰も残っているそう。

石鳥居を潜ってすぐ右手には県指定文化財の石碑群が建ち並びます。(鎌倉時代)
手前の一番大きな石碑には梵字も刻まれていますね。

更に進むと、参道の新緑と2本の大杉の間から見える朱山門がとても良い感じです。これからの時期は新緑に朱が映えます。秋の紅葉も絶景間違いなし!最近はinstagram等でもよく見かける様になったポイントですね。

少し下にレンズを向けてみると、参道を埋め尽くしそうな立派な根元。この長い石段や奥行きを活かそうと思えばやっぱり縦構図ですかね?悩ましいです。(笑)

2本の大杉の横には、更に大きい県指定天然記念物、樹齢千年以上と言われる欅(ケヤキ)が有ります。
焦点距離24mmではとても収まらず、3枚をパノラマ合成してみました。

こちらは焦点距離フルサイズ換算15mmのレンズで撮影しました。この大きさが伝わる様に表現するのが難しいですね…。
ぜひ訪れて、実際に下から見上げて下さい!(笑)

ここでは山門前に手水舎が有ります。ここで参拝マナーを。前回記事にも書きましたが、神社でもお寺でも基本的なマナーは変わりません。先ずは前回と同じ様に、山門を潜る目前に手水舎で身を清めましょう。

前回記事はこちら!

神社の鳥居同様、山門を潜る前には先ず一礼をしましょう。お寺では胸の前で合掌しての一礼の方が良いかもしれません。

そして、ここの門には敷居が有りますよね。この様に敷居のある門では敷居を踏まずに跨いで入りましょう。これは参拝マナーというより日本のマナーですね。

敷居には内と外といった境目、境界線、結界等の意味が有ります。その不安定な空間に足を入れないということ。もう一つはお家でもそうですが敷居という部分はすり減ったり建て付けが悪くなっても床板の様に簡単に交換出来るものではありません。そういう部分はデリケートであったりもします。

ものを大切にするという精神の現れとして踏まない様にすることといった意味合いが有ります。敷居だけでなく、畳の縁も同じですので気をつけることが出来ると良いと思います。

山門横の護摩堂(ごまどう)兼寺務所は戦火を免れた大正時代の建物です。

護摩堂横の枝垂れ桜も枝の広がりが凄いです。24mmでは収まりません…。(笑)

護摩堂より更に見えるのが真福院の本堂にあたる蔵王堂(ざおうどう)です。

静寂の中に建つ蔵王堂。

写真右上に吊るされているのが鰐口(わにぐち)です。神社の鈴と同じ様に打ち鳴らしてからお参りをします。神社では二拝二拍手一拝ですが、お寺では胸の前で合掌して一礼します。

蔵王堂内部。本来は秘仏である蔵王大権現様ですが、取材時には特別に開扉していただきました。春の桜祭り会式等、ご開帳される事もあるそうです。

御朱印には蔵王権現を表す梵字と、その下に「蔵王尊」と書かれています。(写真左)
また、三体の蔵王権現を梵字のみで表すものも有ります。(写真右)

どちらの朱印が頂けるかは、その日のご縁です。しかし住職が法務等で不在の時や、書き置き分が無くなってしまった時は日を改めて参拝して頂くか、下記の「お寺へのお問い合わせはこちら」からご連絡して頂くと良いかと思います。


真福院の先代住職である松本俊彰和尚(しゅんしょうわじょう)は弘法大師より伝わる梵字、慈雲流梵字悉曇(じうんりゅう ぼんじしったん)の正統継承者であり、生前は京都の東寺にて300名を超える弟子を育成されてきました。現在はその弟子の一人である加藤光映師がその意志を継いで御住職となられ、「梵字のお寺」として再興中です。近くまで来られたら是非お立ち寄り下さい!

お寺へのお問い合わせはこちら

周辺スポット

有名なのは桜だけじゃない!
そんな美杉町周辺の絶景スポットと撮り方もご紹介します。


君ヶ野ダム

ダム等の巨大建造物って胸が高鳴るのは拙僧だけですか?(笑)
本来なら広角レンズで可能な限り全景を撮りたいですね。

1500本もの桜が凄いです!湖面の噴水と桜を同時に楽しめることもあるそうですが、拙僧はまだ見れていません…。見ることが出来れば、幸運かもしれませんね。

ダムから見下ろすと、そこにも絶景が!遠くには竹原の薄墨桜も小さく見えてます。
真っ赤な郵便局の車もアクセントにしてみました!

夕暮れ時も綺麗です!三脚等でしっかりと固定して長時間露光撮影をすればこんな写真も撮れます。車のライトの光跡と、それに照らされた桜が良い感じゃないですか?
竹原淡墨桜

よこや製茶さんの敷地内にあります。茶畑の緑の中に桜色が映えます!
ここもご厚意で開放していただいています。所有者の方にご迷惑をおかけしないようにルールやマナーに気を付けましょう!


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この写真は雨の合間に撮影したので、新緑の瑞々しさが更に増していました。

ピンクの桜では撮れなかったですが、定番構図を新緑Ver.で!(笑)
大妻池

道路側には河津桜の並木が有ります。

奥側には枝垂れ桜の並木が有ります。ここは水面が穏やかな時が多いようで、リフレクション写真が比較的撮り易いかと思います。

三椏(ミツマタ)群生地

駐車場からそれなりに歩きますが、近づくにつれて甘い香りが強くなり元気を貰えます!
この時は三脚のクイックシューを忘れてしまい、三脚がただのお荷物になって凹みました…。(笑)

絞りを開放して、前ボケを入れるとソフトな写真になります。
ボケを入れる割合はセンスです!(笑)色々と試してみて下さい。

反対に後ボケを入れると、背景がスッキリして被写体が強調される写真になります。枝先が三つの叉(マタ)になるからミツマタなんですって!和紙や紙幣の原料にもなるそうです。

ここは朝夕の時間帯がオススメです!薄暗い所に、木々の間から差し込む光がとても幻想的。
北畠神社

石鳥居奥に見えるのが拝殿です。

花将軍 北畠顕家公の像。

国指定の名勝、史跡となっている北畠氏館跡庭園がとても綺麗です!庭園をぐるっと一周。どの角度も絵になりますね。

新緑とリフレクション。この感じだと秋の紅葉も絶対に綺麗ですよね!

でも苔生した庭園だからこそ、緑一色のこの季節は外せないですよね!
篠ヶ広 夢広場 明日のかかし村

雨の中、北畠神社〜君ヶ野ダム間で発見しました!かかしがいっぱい居ます!(笑)

草取り?をしているカカシが今にも動き出しそうで…。雨の所為もあってか結構ホラーでした。
終わりに

今回は美杉周辺のスポットをご紹介しましたが、1日で回る事が出来ると思います。移動中の景色も長閑ですし、至る所に藤の花も観れました。美杉セラピーとしてハイキングコースも12コースある様です。四季それぞれの景観も含め、何度訪れても楽しんでいただけるのではないでしょうか。

しかし、なんだかんだ言ってもやっぱり桜が中心になっちゃいましたね…。(汗)
これから精進して、他にも沢山の良いところをご紹介出来る様に頑張っていきたいと思います!

最後まで閲覧していただいて有難うございました。

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