【2024年_津市芸濃町の桜スポット④】津市芸濃町長徳寺の桜
掲載日:2024.03.29
津市芸濃町長徳寺には県指定天然記念物の「龍王桜」という桜があります。この桜の品種はフゲンザクラやフゲンゾウと呼ばれる桜の異種で、ソメイヨシノやヤマザクラに比べて遅咲きの桜となります。まもなく三重県各地においても桜の開花を迎えますが、長徳寺前にはソメイヨシノもあり、龍王桜とともに桜を楽しめるスポットですので、今回は長徳寺の桜について紹介いたします。
※みんながまた訪れたいと思えるよう、マナーを守って楽しい観光をお楽しみください。
※記事内の写真は2023年以前に撮影したものです。
長徳寺とは
長徳寺は、津市芸濃町雲林院にある曹洞宗のお寺で、正式寺号は正寿山長徳禅寺。開創は定かではありませんが、嘉吉2年(1442年)以前の草創と思われています。
こちらのお寺は中世に地元で勢力があった雲林院氏の菩提寺で、剣豪「塚原卜伝」の位牌があります。また、境内の本堂前には『龍王桜』という桜が植えられていて、三重県の天然記念物に指定されています。
長徳寺の桜の見どころ①
長徳寺の桜の見どころのメインは、県指定天然記念物の「龍王桜」と呼ばれる桜です。
この桜は、フゲンザクラやフゲンゾウと呼ばれる品種で、一般的に知られているソメイヨシノやヤマザクラに比べて遅咲きの桜です。
若葉とともに花が咲く品種で、樹高が約3m、株元から枝が分かれ盃状に広がる樹形は美しく、見応えがあります。
ちなみに品種のフゲンゾウという名は、普賢菩薩が乗る象になぞらえて「鼻(花)より先に歯(葉)が出る」ということから付いたそうです。
また、このお寺には『龍王伝説』という伝説が残り、その龍が贈った桜の種が育ったものが古来より名木として今に繁り、『龍王桜』と呼ぶようになったといわれています。
長徳寺の桜の見どころ②
長徳寺の桜には、もう一つ見どころがあります。
龍王桜は遅咲きの桜のため、ソメイヨシノが咲く頃の龍王桜は、上の写真のように、まだ蕾が膨らみ始めの状態ですが・・・、
長徳寺の前には一般的なお花見で楽しまれているソメイヨシノの並木もあり、龍王桜が咲く少し前にはソメイヨシノを楽しむこともできます。
長徳寺前には龍王桜の看板があるため、一見、龍王桜の品種もソメイヨシノと間違えそうですが、ソメイヨシノと一緒に映る正面からの長徳寺は、春を感じる素敵な風景の一枚になっています。
ちなみに、この看板の後ろに見える木が龍王桜です。
龍王桜はソメイヨシノの花期の後に開花しますので、時期をずらして訪れると桜が2度楽しめるという、長徳寺の2種類の桜を観に訪れてみてはいかがでしょうか?
コラム
紅白の枝垂れ梅と緑の苔
長徳寺の門前には紅白のしだれ梅があり、2月(中旬~下旬頃)には門前を彩ります。
また、境内には苔の緑も美しく、目を楽しませてくれます。
アクセス・駐車場は
ところ:三重県津市芸濃町雲林院107
アクセス:
・名阪国道「関IC」から約10km、車で約15分
・伊勢道「芸濃IC」から約6km、車で約10分
駐車場:長徳寺前の道路を挟んで駐車場があります。
中南勢
津市長徳寺の境内、本堂の前庭に植えられた樹高3mの低木の桜の木。
花と葉が同時に出る珍しい種類で、4月下旬に開花し、淡紅色、五弁、ソメイヨシノや山桜が咲いた後に花をつけます。
長徳寺は竜王寺とも呼ばれており、門前の淵に棲む竜王が桜の種と竜の鱗を和尚に贈って干天に祈雨する法を教えたという伝説が伝わっています。
1941(S16)年2月1日に県の天然記念物に指定されました。
いかがでしたか?
こちらのトピックス記事では、長徳寺の桜について紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
時期は少しずれますが一つの箇所でソメイヨシノと「龍王桜」の2種類の桜を楽しめる長徳寺。
桜の他にも、時期をずらすことによって違った発見があるかもしれませんね。
すぐ近くには、研ぎ石と呼ばれる巨石もあります。ご興味がありましたら、是非、足を運んでみてください。
コラム
研ぎ石
巨石の所々に刃物で砥いだような窪んだ痕跡があり、室町時代、雲林院城下に住んでいた刀工が最後の仕上げに砥いだ跡と伝えられています。前面には江戸時代に安全祈願のために彫られたと思われる三体の地蔵菩薩像があります。