三重の見どころ 早わかり
伊勢神宮へ。熊野古道へ。
日本人なら一度は参拝したいと言われる「伊勢神宮」と、世界遺産に登録された巡礼の道「熊野古道」。江戸時代から「伊勢へ七度、熊野へ三度」と呼ばれた信仰の路を、あなたもたどってみませんか。
一生に一度は行きたいお伊勢参り -伊勢神宮と125の宮社-
「お伊勢さん」と呼ばれ親しまれている「伊勢神宮」。正式名称は「神宮」です。
江戸時代には全国から参拝する人が絶えず訪れ、一生に一度は行きたい日本の聖地と言われるようになりました。
伊勢志摩サミットの際に各国首脳が訪れるなど、現代では世界中から参拝する人が訪れています。
「伊勢神宮」は「豊受大御神」を祀る「外宮」と「天照大御神」を祀る「内宮」を中心とした125社の総称。外宮から内宮の順に参拝するのが古くからのならわしです。
20年に一度、宮を造り替える「式年遷宮」が行われ、いつまでも変わらない永遠の祈りが捧げられています。
朝5時から開門しているので、早朝参拝もおすすめ。朝日を浴びながら参拝をすれば、さらに心が洗われていきそうです。
内宮参拝後は、おかげ横丁・おはらい町で食べ歩きとおみやげ選び
参拝後にはお伊勢さんの門前町「おかげ横丁」「おはらい町」をお散歩しながら、食べ歩きやおみやげ選びを楽しみましょう。
雅な平安時代の王朝絵巻を今に再現する斎王まつり
伊勢神宮とあわせて訪れたいのが、隣町の明和町にある「斎宮歴史博物館」。明和町は伊勢神宮に仕えた斎王(皇女)たちが暮らした斎宮のあった場所で、「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」として日本遺産に認定されています。
また「いつきのみや歴史体験館」では、本格的な十二単を着られる「平安装束体験」ができます。
関連リンク
※注:読み方について
天照大御神…あまてらすおおみかみ
豊受大御神…とようけのおおみかみ
式年遷宮…しきねんせんぐう
内宮…ないくう
外宮…げくう
斎宮…さいくう
斎王…さいおう
世界遺産・熊野古道を歩く -伊勢神宮と熊野三山を結ぶ伊勢路-
「熊野古道」は世界でも珍しい道の世界遺産。神道・仏教・修験道と多様な信仰の形態が育まれた文化的景観が「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産登録されています。
三重県にある「熊野古道伊勢路」は、伊勢神宮から熊野三山を詣でる人々が通った祈りの道。「伊勢に七度、熊野に三度」という言葉が信仰の篤さのたとえになるほど、有名な道です。
石畳とヒノキ林が続くコース、峠から熊野灘を一望できるコース、日本一ともいわれる棚田を望むコースなど、全17コースがあり、多彩な風景を楽しめます。
定番として人気なのが馬越峠コース。ヒノキの美林の中に石畳が続き「これぞ熊野古道」といった雰囲気。
天狗倉山の山頂からの風景は山並みから青い海まで360度見渡せる絶景です。
レアな体験ができておすすめなのが熊野川コース。世界で唯一「川の参詣道」として世界遺産に登録されている熊野川を三反帆で進みます。風の力だけでゆったりと進む時間は、川の流れや風の音が聞こえ、自然と一体になったよう。
そびえ立つ岩壁やエメラルドグリーンに輝く水面の色をすぐ近くで感じてみましょう。
関連リンク
※注:読み方について
熊野三山…くまのさんざん(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称)
馬越峠…まごせとうげ
三反帆…さんだんぼ(3本の帆を高く掲げて、風の力を利用しながら進んだ船)
ご利益があるといわれる神社は?
三重は伊勢神宮ゆかりの神社をはじめ、大勢の人々が祈りをささげてきた神様がたくさんいらっしゃる地。
縁結びなどにご利益があるとされる神社の一部をご紹介します。
「二見興玉神社」から沖合に見える「夫婦岩」は、寄り添って並ぶ2つの岩がしめ縄で結ばれ、縁結び・良縁のパワースポットになっています。
境内には神使のカエルの石像がいっぱい。「無事帰る」を掛けた験担ぎのカエルには、水をかけて願掛けを。
「神明神社」境内にある「石神さん」は、女性の願いは必ずひとつは叶えてくれるといわれる神社。
二つの魔除けの模様が入ったお守りは、もともと海女さんたちの魔除けだったもの。祈願紙に願い事を書きつけるスタイルも独特です。
幻想的なちょうちん祭り(多度大社)
伊勢の神宮の御祭神をお祀りすることから「お伊勢参らばお多度もかけよ、お多度かけねば片まいり」と謡われ、北伊勢大神宮とも称される古社。
本宮近くの「美御前社」には妹神「市杵島姫命」が祀られ、古来、女性特有の病に御加護を下さると信仰があるそう。また、心身ともに美しくなりたいと女性の参拝客が多いです。
開運みちびきの神様として知られる猿田彦大神を祀る椿大神社
地元の方からは「椿さん」と呼ばれ親しまれる神社。開運みちびきの神様として知られる猿田彦大神を祀り、全国から参拝者が訪れます。木々に囲まれた厳かな境内には松下電器(現パナソニック)の創業者・松下幸之助翁寄進の茶室「鈴松庵」があり、広く一般にも開放しています。