亀山7座「野登山」とは?見所や駐車場、登山コースを紹介します
掲載日:2022.02.10
野登山は標高851.4mの山で、登山道にはミツマタ群生地や平安時代に創建された野登寺があるなど、季節と歴史を感じられる山です。この記事では野登山の魅力や駐車場、登山コースを詳しく紹介します。
みえ旅カメラ部のふがまるちゃんが三重をもっと好きになる情報をお届け!今回は亀山7座の1つ「野登山」をテーマにした内容です。
目次
野登山とは?
野登山(ののぼりやま)は三重県亀山市に位置する山で、標高は851.4mあります。亀山7座の中では仙ヶ岳(せんがたけ)に次いで2番目に高い山です。
元々は鶏足山(けいそくざん)という名前でしたが、現在では野登寺(やとうじ)というお寺が山にあることから「ののぼりやま」の名称で親しまれています。
※亀山7座とは、亀山市域にある700m前後の山を亀山7座として認定したものです。
野登山の見所と特徴
野登寺の参道と巨木
山頂付近には野登寺という真言宗御室派の仏教寺院があり、参道に建ち並ぶ大杉の数々に圧倒されます。このお寺は、醍醐天皇の勅命を受けた仙朝上人が延喜七年(907)から延喜十年(910)にかけて創建したと伝えられています。
野登山のブナ林
山頂付近にはブナノキを中心とした落葉広葉樹の原生林が広がり、「野登山のブナ林」として三重県天然記念物に指定されています。本来の植生状態をよく残しており、そのような光景を見られるのは鈴鹿山脈の中だと野登山の山頂付近のみです。
ミツマタの森
登山道にはミツマタ尾根という箇所があり、3〜4月上旬は綺麗なミツマタを観賞できる森です。ミツマタが見頃を迎えると山の斜面が黄色に染まり、まるで妖精が舞い降りたような光景を見られますよ♫
国見広場からの眺望
山頂付近には国見広場という見通しのいい広場があり、三重県の北勢〜中勢エリアの町並みと伊勢湾を一望できる箇所があります。絶景を眺めながらここで昼食タイムはいかが?
日本の棚田百選「坂本の棚田」
今回の登山コースで利用する駐車場付近には日本の棚田百選に認定された「坂本の棚田」があります。日本の原風景ともいえる美しい棚田景色を観賞しながら登山を開始できますよ♫
登山コースの概要
この記事では亀山7座トレイルマップのルートに沿った登山コースをご紹介!コースタイムは約4時間半、休憩時間は1時間、合計で約5時間半の登山コースになります。
登りのコースプラン
坂本棚田駐車場からスタートして、ミツマタの森へと続く林道に入り、ミツマタ尾根を経由して山頂を目指します。登頂後は国見広場で昼食休憩を取りながら眺望も楽しみます。
【登りのルート】坂本棚田駐車場(7:24)→ ミツマタの森(8:03)→ 山頂(9:41)→ 国見広場(9:54)
下りのコースプラン
昼食休憩後は山頂付近のブナ林を散策し、大杉が建ち並ぶ野登寺の参道を通って参拝。その後、鶏足山表参道を経由して下山し、坂本棚田駐車場に戻ってゴールです。
【下りルート】ブナ林(11:15)→ 野登寺(11:48)→ 鶏足山表参道(12:15)→ 坂本棚田駐車場(12:55)
コース難易度:初級クラス
ミツマタ尾根〜仙鶏尾根の合流地点までは急勾配の激しい尾根道が続きますが、それ以外は比較的穏やかな登山道なので、難易度は初級です。
野登山の登山経験者と同行すればサクサクと進めるコースだと思います。
- 登山の注意点・心得
- ① 登山をする際は時間に余裕をもって行動し、自分の経験や体力に見合った山を選んで出かけましょう。
- ② 事前に登山計画を立て、当日までに最寄りの警察署か登山ポストに登山届を出しましょう。
- ③ 事前に気象情報をしっかり確認した上で行動しましょう。
- ④ 雨具をはじめ、急な気温の変化にも対応できる服装を用意しましょう。
- ⑤ 水分や携帯食を持参し、熱中症対策と適度な休憩を心がけましょう。
- ⑥ 冬場に登頂する際はアイゼンなどの雪山の登山道具を必ず持参しましょう。麓に雪が無くても山頂付近に雪や氷が残っている可能性があります。
駐車場の場所
今回の登山コースでは坂本棚田駐車場に車を停めます。ここから山頂までは2時間ほど歩くので、併設の公衆トイレで用を済ませておくと安心です。登頂後に立ち寄る野登寺にもトイレがありますよ。
トイレの横には登山ポストが設置されており、ここから登山される方は登山届を必ず提出しましょう。登山届用紙と筆記用具を備えたボックスも設置されています。
紅葉シーズンやミツマタが見頃になる3月〜4月は駐車場が満車になりやすいので、早めの入山をおすすめします。※写真は3月末の日曜日、朝8時半の光景
登山コースの解説
ここから紹介する写真は2020年3月22日に撮影したものと、2022年2月11日に撮影したものを組み合わせております。コースタイムはあくまでも目安としてご覧ください。※一部、積雪の箇所がございます。
坂本の棚田駐車場(7:24)
坂本棚田駐車場に車を停めて登山スタート!トイレの横にある登山ポストに登山届を必ず提出しましょう。
徒歩:約3分
坂本集落(7:27)
駐車場を出たら坂本集落に向かって歩き、最初の分岐を左へ曲がります。正面の道は鶏足山表参道に繋がるので、帰りはここを通って駐車場へ戻ります。
徒歩:約3分
坂本の棚田(7:30)
集落を出ると坂本の棚田の農道に入るので、ここを直進します。途中、東海自然歩道の分岐があるのですが、そこは曲がらずに直進しましょう。
徒歩:約2分
獣害防止柵(7:32)
獣害防止柵があるので、ゲートを開けて進みます。開けたゲートは必ず閉めましょう。
徒歩:約5分
林道(7:37)
獣害防止柵を通過するとミツマタの森へと続く林道に入り、川が見えてくるまで進みます。
徒歩:約24分
登山道の入口(8:01)
林道を抜けると川を渡河する箇所があり、この先に登山口があります。浅瀬の川なので、石の上を歩くようにして渡りましょう。※渡河(とか)・・・川を渡ること
徒歩:約2分
ミツマタの森(8:03)
登山口から数分歩くとミツマタの森に入り、登山道沿いに群生地が続きます。見頃は3月〜4月で、ここでミツマタを観賞しながら小休止するのもいいでしょう。
徒歩:約13分
ミツマタ尾根(8:16)ミツマタの森を10分ほど歩くとミツマタ尾根に入り、仙鶏尾根の合流地点まで尾根道を歩きます。急登で細い尾根道ではあるのですが、足場が崩れているような危険箇所はありませんのでご安心を。
徒歩:約50分
仙鶏尾根の合流地点(9:06)
尾根道を約50分ほど歩いて仙鶏尾根の合流地点に到着!ここから野登山の方面へと歩くのですが、急登がもう少し続きます。
徒歩:約9分
道路への合流地点(9:15)
急登な道を終えた先にはカードレールのある道路へ出ます。実は野登山の麓からここまで車で通行することができ、野登寺の山門には駐車場があります。
徒歩:約10分
道路からの眺め(9:25)
山頂へ向かう途中、道路から仙ヶ岳を一望できました。見晴らしの良い道路です♫
徒歩:約5分
国見広場と野登寺の分岐点(9:30)
国見広場と野登寺の分岐点に到着しました。山頂は国見広場の近くにあるので、ここを左折します。※この日は足元が埋まるほどの積雪がありました※2022年2月11日 撮影
徒歩:約11分
野登山の山頂(9:41)
国見広場へと続く通路を進んで行くと、右側に脇道が見えてくるので、そこを通ると野登山の山頂に到着します。木々に囲まれた山頂のため展望はありませんが、カッコいい山名看板があります。
徒歩:約13分
国見広場(9:54)※1時間ほど休憩
三重県北勢エリアの町並みと伊勢湾を見渡せる国見広場に到着!前方に遮るものがないので絶景のパノラマビューに感動します♫ 足場が広いのでここで昼食休憩を取りました。鈴鹿山脈を見渡せる箇所もありますよ。
徒歩:約 15分
山頂付近のブナ林(11:15)
昼食休憩を終えたら野登寺へ向かいます。電波塔方面へ歩いていくと、野登寺へと続く道に入れます。道中には三重県天然記念物に指定されたブナ林もありますよ。
徒歩:約18分
野登寺の山門と大杉(11:33)
国見広場から30分ほど歩いて野登寺の山門に到着。参道には大杉が建ち並び、幹周りの太さと木の高さに圧倒されます。
徒歩:約15分
野登寺で参拝(11:48)※10分ほど小休止
野登寺の山門から15分ほど歩いて社殿に到着。山の上にある社殿は大自然に囲まれているので神秘的な雰囲気を感じました。3〜4月は社殿へと続く石段の両側にミツマタの花が咲きますよ※2020年3月22日 撮影
徒歩:約20分
鶏足山表参道の登山口(12:15)
野登寺の参拝を終えたら下山開始!下山コースの鶏足山表参道の登山口まで徒歩15分ほどの距離です。道筋は上記写真を参考にしてください。登山道は下り道が続くので、徒歩40分ほどで下山できます。
徒歩:約20分
だんだん滝(12:35)
鶏足山表参道は森の中を下るような登山道が続きますが、道は整備されているので歩きやすいです。途中、「だんだん滝」と呼ばれる滝もありますよ。
徒歩:約20分で駐車場に到着
いかがでしたでしょうか
野登山の魅力を登山コースの紹介と共にたっぷりお届けしました!野登山は亀山7座の中でも登りやすい登山道なので、登山初級者にもオススメの山です。ぜひ挑戦してみてくださいね!
亀山7座トレイルを楽しもう
観光三重では、亀山7座の魅力や各山の登山コースを紹介する亀山7座トレイルの特設サイトを公開しております。
また、みえ旅カメラ部のASOBISIAさんが亀山7座トレイルの魅力を記事で発信しております。各山の魅力が1ページで全て分かりますので合わせてご覧ください。
亀山7座トレイルの最新情報
亀山市の公式ホームページでは、亀山7座トレイルへの取り組みやイベントなどの最新情報を発信されています。
登山届のダウンロードや登山届の提出先が明記されていますので、亀山7座へ行かれる方は目を通しましょう。亀山7座トレイルマップのダウンロードも出来ますよ。
記事の製作者について
ふがまるちゃん(記事制作)
観光三重のみえ旅カメラ部に所属し、三重を撮る写真家としてTwitter・instagramを中心に活動中。三重の風景を無料配布する三重フォトギャラリーと三重の旬な情報を発信する三重のええとこ巡りを運営。
kazenami(写真撮影)
ふがまるちゃんの父親。三重県内のあらゆる山を登頂し、トレッキングだけでなくロッククライミングやアイスクライミング、シャワークライミングもこなす山男。これまでの山行記録をヤマレコで公開中。