【2024年の桜スポットのおススメ!】知る人ぞ知る!津市芸濃町『桜と伝説の名刹』普門寺

三重県津市芸濃町林にある普門寺は、桜と伝説の名刹として知られています。春には境内いっぱいに桜が咲き乱れ、夜は灯りに照らされて幻想的な光景に変わります。また、お寺には津市指定有形文化財の仏像群や伝説の『幽霊の片袖』が保管されており、毎年春の桜まつりの時期に合わせて寺宝を拝見できる御開帳日(2024年は3月31日)があります。今春は、これらの寺宝とともに美しい桜の名所を楽しんでみてはいかがでしょうか。

記事制作 / みえ旅アンバサダー Takuya Kiriyama

▼目次

※みんながまた訪れたいと思えるよう、マナーを守って楽しい観光をお楽しみください。

※記事内の写真は2023年以前のものです。

普門寺とは


津市芸濃町林にあるこちらの寺院は、開創が大同元年(806年)と伝えられる真言宗仁和寺末のお寺です。

正式寺号は慈眼寺総持院普門寺。

元々、林字ヘガワキという地区に創建された大伽藍でしたが、天正2年(1574年)に織田信長の家臣滝川一益によって焼き払われたとのことで、その後、享保7年(1722年)に現仏殿(本堂)が再建され、棟札に「大同開基。天正乱荒」とあり、草創の寺伝があったようです。

普門寺には多くの寺宝があります。

本尊とされる十一面観音など5体の仏像群は津市有形文化財に指定されています。

また、このお寺には有名な『幽霊の片袖』伝説が残っており、幽霊が残したとされる片袖が保管されています。

これらの寺宝は、桜まつりの時期に拝観することができます(2024年は3月31日(日))

また、普門寺には桜の木が多くあって、開花の時期になると、地元の方々によって境内には桜まつりの幟や提灯が設置され、満開の頃は境内いっぱいに桜が咲き乱れます。

そんな普門寺の魅力・見どころを次に紹介いたします。

見どころ①:外門~中門(中庭)の桜

普門寺の桜の見どころは、何といっても境内にある多くの桜です。

満開の頃は、お寺の塀の外まで桜が溢れています。

外門をくぐり、中門前の中庭には、桜がたくさん植えられていて・・・

桜の密度が濃いのがお分かりいただけると思います。

見頃の後半、花が散る頃になるとピンク色の絨毯も現れます!

中庭の桜だけでも桜に囲まれて見応え十分ですが、次は、本堂がある領内の桜を紹介します。

ちなみに、中門は2022年に修復され、勇壮な門として蘇っています。

見どころ②:本堂前境内の桜「ポトマックの桜」

中門をくぐり本堂がある域内に入ってみますと、正面に石燈籠と本堂が現れ、これらを軸として左右に桜が見えます。

石燈籠の両脇には枝垂れ桜が、さらに域内の両側にも大きな桜の木があって、華やかに境内を彩っています。

そして、下記の写真の右から張り出している大きな桜が分かりますでしょうか?

実はこの桜の木は、「ポトマックの桜」といわれ、注目すべき桜です。

普門寺のポトマックの桜は、1912年、当時日本の東京市長であった尾崎行雄から日米の友好関係を育てるためにワシントンD.C.に寄贈した桜と同じ苗木のものです。

こちらのお寺では現在はこの1本となったとのことですが、普門寺の桜を代表する一番大きな桜です。

アメリカ合衆国で桜への愛着が広まるきっかけとなり、両国の友情と親交を象徴する桜と同じものが普門寺で見れることは、感慨深くて素敵ですね。

ちなみに、尾崎行雄(1858-1954)は、「憲政の神様」「議会政治の父」と云われる日本史上で有名な政治家ですが、三重県にも縁があり、1872年に三重県伊勢市に移住後、三重県選出の国会議員として長きに渡って務めました。

現在、伊勢市にある尾崎咢堂記念館の展示室には、写真や遺品などが陳列されています。

↓↓↓観光三重でも観光スポットとして尾崎咢堂記念館を紹介しています。

尾崎咢堂記念館 | 観光スポット | 観光三重(かんこうみえ) (kankomie.or.jp)

見どころ③:夜桜

ここまでは、昼間の桜を紹介しましたが、次は夜桜を紹介します。

夜は灯りに照らされて、昼間とは全く違う桜の様子を楽しめます。

一旦外に出て、夜の普門寺外門側から見てみましょう。ライトが照らす中庭(外門~中門)の満開の桜が浮かび上がります。

外門をくぐると、白~黄色のライトで鮮やかに照らされています。

下の写真は、外門から中門を見たものですが、中門の内側(本堂のある域内)に入ってみましょう。

中門の内側は、提灯からのピンク~赤色の灯りが桜を照らし出して幻想的な光景が広がっています。

昼間の光景とは全然違い、昼と夜、まるで2つの顔を持っているかのようです。

赤い光が桜を引き立たせて、色彩が艶やかというか、妖艶な感じさえします!

とても綺麗で素敵ですよね。

筆者は2021年から毎年観に行かせていただいてますが、人も少なくて、この幻想的な空間を独り占めして贅沢な時間を楽しめたこともありますので、穴場のスポットといっても過言ではありません。静かにゆっくりと眺めていたいという方にはおすすめです。

さらに、その夜桜の楽しみ方として、晴れた日の日没後30分前後のいわゆるマジックアワーと呼ばれる時間帯も素敵です。

青みが残った空との赤い光に照らされた桜とのコントラストがまた絶妙で、写真を撮るにはこのタイミングが良いのではないかと思います

中門も赤に染まって艶やか、時が経つのを忘れるくらいに見事です!

夜の普門寺、興味がありましたら、是非訪れてみてください。

次は、普門寺の寺宝について紹介します。

見どころ④:寺宝 仏像群

普門寺には、本尊と云われている十一面観音をはじめ、津市有形文化財に指定されている5体の仏像群など、いくつもの寺宝があります。

これらは本堂に保管されていて、毎年桜まつりの時期にあわせて御開帳日(2024年は3月31日(日)があります。

このチャンスを見逃したくないですね。

本堂に入らせていただきますと、壇上に5体の仏像がいらっしゃいました。

大きくて見応えがあるとともに、身が引き締まる感じがします。

天井には龍が描かれています。

「八方睨み」の龍で、どの方向からも目が合います。

向かって左前の立像が本尊と伝えられている十一面観音像(写真手前)、向かって右側の立像が聖観音立像です。

十一面観音像は、総高が291cm、左手に水瓶にさした花を持っておられ、優しいご本尊ですね。

向かって右側が聖観音立像で総高が291cm、背の高い像が並んでおられます。

後ろの3体はいずれも坐像で、左側(写真手前)が阿弥陀如来坐像、中央が大日如来坐像、右側(写真奥側)が釈迦如来坐像。

大日如来坐像は総高が306cmと大きく、中央に置かれていることから、実際はこちらがご本尊ではないかと考えられているとのことです。

これらの仏像群は江戸時代に施された修理痕はあるということですが、釈迦如来坐像を除く4体は平安時代後期の作品と考えられ、歴史を感じます(釈迦如来像江戸時代の作品とのこと)。

壇上の5体以外にも寺宝があり、厨子の中にいらっしゃる薬師如来像を中尊に両脇侍に月光菩薩(向かって左)と日光菩薩(向かって右)。

さらに薬師如来を守る十二神将(写真は5体ですが、現在は7体残っているとのことです)。

こちらは不動明王像、力強いですね。

普門寺では数多くの仏像群と出会える機会があることもこの時期の大きな見どころです。

見どころ⑤:寺宝 幽霊の片袖

あともう一つ、普門寺には『幽霊の片袖』という伝説があり、それに纏わる寺宝があります。

『幽霊の片袖』伝説をご存知でしょうか?簡単に表すと以下のようなお話になります。

・幽霊の片袖

『主人公は、多気郡射和村の豪商の次女として生まれた娘で、19歳で相可村の呉服屋に嫁ぎました。

彼女は美しくて評判の娘(嫁)でしたが、或る時、旅に出て旅先で病気になり、看病してもらった甲斐もなく亡くなってしまいました。

彼女の亡骸が手厚く弔われたのが普門寺でその夜、和尚の元に彼女の幽霊が現れ、振袖の片方をお礼の印として手渡し、姿を消しました。

驚いた和尚はこの出来事を大和屋に伝え、娘の着物を調べたところ、生前の振袖の片方の袖がなくなっていました・・・。』

上の写真は、この伝説の主人公の幽霊が残したとされる振袖の片袖です。

不思議なお話で、そのお話に出てくる現物が見れることは、貴重で非常に興味深いですね。

桜まつりの時期に合わせた御開帳日(2024年は3月31日(日))には、こちらも見ることができます

また、境内には主人公の娘を供養するために、大和屋の主人が建てたとされるお墓もあります。

こちらも合わせてご覧いただきますと、伝説をより深く知ることができます。

交通アクセス・駐車場

ところ:三重県津市芸濃町林1264

アクセス:

JR関西本線「関駅」から約4.5km、車で約10分

JR関西本線,紀勢本線「亀山駅」から約6km、車で約15分

・名阪国道「関IC」から約3.2km、車で約5分

   関IC方面からですと、県道10号(津関線)沿い、「林」交差点に看板が立っています。

・伊勢道「芸濃IC」から約4.5km、車で約10分

 津市街地、伊勢道「芸濃IC」方面からですと、県道10号(津関線)沿い、ファミリマート芸濃町林店がある交差点に看板が立っています。

駐車場:

(外門横に数台停車可能。桜まつりの際には状況によって臨時駐車場が設けられる予定です。)

※近隣には住宅があります。路上駐車などご迷惑となる行為は、ご遠慮ください。

いかがでしたか?

『桜と伝説』の名刹として知られる津市芸濃町の普門寺を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

筆者は普門寺は知っていましたが、2021年までは訪れたことがありませんでした。

2020年に他の寺院を訪問した際、案内係の方から「春の桜は普門寺がいいよ!行ったことあるか?」と教えていただいたことをきっかけに普門寺の桜を観に訪れたのですが、見事な桜に感動したのを覚えています。

3月中旬になると各地で桜の見頃の時期を迎えますね。

今年の桜の開花は少し早めと予想されていますが、2024年は3月31日(日)に寺宝の御開帳もありますので、この機会をお見逃しなく!!

津市芸濃町方面に訪れる際には、普門寺の桜も是非参考にしていただければと思います。

※みんながまた訪れたいと思えるよう、マナーを守って楽しい観光をお楽しみください。

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Takuya Kiriyama

三重県が大好き。休日は自然,風景,花やイベントの撮影に出かけて、時にはイベントへの出演やボランティアスタッフとして参加させていただいたりと、色んな形で三重県を応援しつつ、楽しんでいます。
このような経験を活かして、「行きたい!!」と思っていただけるような四季折々の花や名所,風景等、魅力ある三重を発信したいと思います。

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