別世界!最強のパワースポット 太陽の神が隠れた洞窟 「天の岩戸」へ

「天の岩戸」の伝説をご存じでしょうか? 志摩市磯部町にある「天の岩戸」は、伊勢神宮へ参拝の際にはぜひ足を延ばして訪れてほしい最強のパワースポット。 天の岩戸への入り口は、伊勢神宮から志摩へ続く県道32号(伊勢道路)を車で20分ほど行くとみえてきます。 このレポートでは、「天の岩戸」の神話の伝説、実際に訪れて感じたとてつもないパワー、祀られている神様、アクセスや周辺の観光スポットなど徹底解説していきます!

天の岩戸(恵利原の水穴)とは

「古事記」「日本書紀」に登場する「天の岩戸」。この場所は、日本神話の中で天照大神が隠れた洞窟として知られています。

太陽の神である天照大神が洞窟に隠れた際、世界が暗闇に包まれてしまったという「天岩戸隠れ」伝説が有名ですね。

日本全国にその名のつく場所があるのですが、三重県志摩市にある天の岩戸は「恵利原の水穴」とも呼ばれ、環境省選定の名水が湧き出る水穴でもあります。また このあたり一帯を、地元の方は「高天原(たかまがはら)」と呼んでいるそうです。神話にでてくる高天原と同じ名ですね。

内宮からも近いこの場所は、やはり神々とのつながりがとても深い場所なのではないかと思います。

「天岩戸隠れ」伝説をわかりやすく解説!

太陽の神・天照大神は、高天原(たかまがはら)という天上の神々の国を治めていました。

しかし、彼女の弟である須佐之男命(すさのおのみこと)は高天原で乱暴な行動を繰り返し、天照大神に対して無礼な態度を取ることが多々ありました

他の神々に咎められても大抵の事は許し、弟を優しく庇っていた天照大神でしたが、須佐之男命は天照大神の田んぼを荒らしたり、天照大神が織っていた布を汚すなど、ひどい行いをやめませんでした。

そのような行いに天照大神は怒りと悲しみで心を痛め、大きな洞窟に隠れて大きな岩で戸をしてしまいます

これが天の岩戸です。

すると、太陽の神がいなくなった世界は真っ暗に。地上は暗闇に包まれ、作物が育たず、悪い神々が暴れまわるようになり、ありとあらゆる災いが起こり始めました。

困り果てた神々は相談し、天照大神をどうにかして洞窟から出す方法を考えます。

「外が楽しそうであれば気になって出てくるのではないか」と考えた神々は、祭りを始めることにしました。

天鈿女命(あめのうずめのみこと)という芸能の神が、洞窟の前で踊りを踊ると、皆がその素晴らしさに歓声をあげます。

外で何が起こっているのか気になった天照大神は、少しだけ岩戸を開けました

「どうしてそんなに楽しそうなのですか?」と尋ねた天照大神に、天鈿女命は「貴女よりも尊い神様が現れて、それを喜んでいるんですよ」と答えました。

天照大神は、そんなに尊い神様がいらっしゃるのか、と岩戸から顔を出し外を覗こうとします。

すると、その姿が八咫鏡(やたのかがみ)に映り、鏡に映る自分の姿を、「尊い神様だ!」と思い、その姿をもっとよく見ようとさらに顔を出しました。

その瞬間、天之手力男神(あめのたぢからおのかみ)という怪力の神が岩戸を力強く引き開け、天照大神を外に引き出すことに成功。

こうして、再び太陽の光が戻り、地上は再び明るくなり、平和が訪れました。

これが 天の岩戸にまつわるエピソードです。

※ちなみに須佐之男命はその後 高天原を追放されますが、地上ではヤマタノオロチという怪物を退治するなど 人々を救う英雄になります。それはまた別のお話。

伊勢道路から駐車場までは車で行ける

天の岩戸へは県道32号(伊勢道路)にある鳥居を車で通り抜け、そこから数分進むと駐車場に到着します。(大型車は進入できません)

道中には鳥居もあり、くぐると 神域に近づいていると感じました。

駐車場までは一本道ですが狭いところもあるので対向車には注意してください。

駐車場から天の岩戸への参道

駐車場から天の岩戸の水穴までは400mほどあり、参道の横にはそこから流れてくる水が流れています。

道中に足形跡遺跡という石がありました。

また鳥居がありそこを抜けると、鹿の模様が彫られた灯篭が並んでいました。

川に降りられる階段があったため、手を洗ってみました。とても綺麗な水で冷たくて気持ちよかったです。

滝に打たれることもできる「禊滝」

駐車場から参道を歩くこと400m、太鼓橋の奥に最初に目に入ってくるのがこの禊滝です。(禊の瀧とも呼ばれています。)

ここで滝に打たれて、禊をすることができます。夏でも冷たいと思いますが、多くの方が実際に滝行をされるそうです。

更衣室もあるため、こちらで着替えをすることができます。滝に打たれて本格的な禊をされたい方は、着替えも準備しておくといいですね!早朝がオススメです。

滝壺の真横には手形石と呼ばれる石もあります。

これは誰の手形かというと、天之手力男神(あめのたぢからおのかみ)の手形。

「天岩戸隠れ」のお話の中で、天照大神が天の岩戸から少し顔を出した際に、力づくで岩戸を引き開け、天照大神を外に引き出した力持ちの神様です。

禊滝の横には、子安観音さまもいらっしゃいました。

別世界!「天の岩戸」へ

禊滝を過ぎると、ついに天の岩戸へ到着。

一見すると洞窟というにはとても小さく感じますが、実は水穴の中には外からは見えない大きな洞窟があります。

現在は中に入るのは禁止ですが、奥に行くほど広くなり、入り口から10mほど行ったところには高さ3mの滝もあるとのこと。

こちらから出る湧き水は一日約3トン。ここから水は神路ダムへと流れていきます。

お参りをしたあと、洞窟の水穴から出る名水を手に取ってみると、本当にひんやりとしていて、パワーを感じました。

また明らかにそこだけ空気が違うのも感じました。とても涼しいのです!

ちょうど私が行ったのは真夏の暑い日でしたが、たくさんの参拝の方がいらしていて、皆さん口をそろえて、「なんか涼しい・・・空気が全然違う!」とおっしゃっていました。

これはそこへ行ってみないとわからないと思いますので、ぜひ実際に行って感じてみてください。

 

※後ほど書く「風穴」はその名の通り、さらに冷たい風を感じるスポットでした。

御木本幸吉が植えた「御木本楠」

ミキモト真珠の創業者として知られる 真珠王・御木本 幸吉は、天の岩戸へ真珠養殖の成功を祈願し、よく参拝していたといわれています。

天の岩戸の参道整備費用に多額の私財を寄付した御木本幸吉は、1931年3月に楠の木を天の岩戸の目の前に手植えしました。

それがこの「御木本楠」です。現在は、市指定天然記念物となっています。

とても立派で、この木自体のパワーも強く感じました。

水の神様 罔象女大神(みつはめのおおかみ)

天の岩戸の水穴を挟んで、水の神様が祀られています。

その神様というのが罔象女大神(みつはめのおおかみ)

水穴の左側には、しめ縄が張られた石があり「罔象女大神 水神」と記されています。

その反対側には「瀧祭窟」と記された石碑があります。

天の岩戸は、その昔 「瀧祭窟(たきまつりのいわや)」と呼ばれていたそうです。

石碑の奥には社殿があり、罔象女大神、泣沢女神(なきさわめ)、猿田彦大神が祀られています。

本来は洞窟の中に祀られているそうですが、実際に中に入ることはできないので、ここでお参りします。

ちなみに「瀧(たき)」と「みつは」…その名を聞いて、何か感じる方もいるかもしれません。

映画『君の名は』の主人公ふたりの名前はここからきているそうです!

冷たい風を感じる「風穴」

そして天の岩戸を訪れたら必ず行ってほしい場所が「風穴」

天の岩戸の水穴がある場所から 看板の方向へ 300m行った先にあります。

途中分かれ道があり、左へ行くと「猿田彦の祠」へ行くことができます。

今回私は行くことができなかったのですが、行ってみたい方はぜひ歩きやすい靴と装備で足を延ばしてみてください。

ここから道なき道を300m行った先に、御神木と猿田彦大神が祀られた小さな祠が現れます。

とても神秘的な場所なのだそうです。

さて話を戻し、風穴へ向かう道を真っすぐ進みます。

こちらの道も舗装はされていませんので、歩きやすい靴がおすすめですね。

ついに到着。

風穴というその名の通り、洞窟の穴からは冷たい風が絶えず吹き出てくるのを感じました。

歩いてよかったと思える、素晴らしい場所でした。なんて神秘的なんでしょう!

アクセス・詳細

住所
〒517-0209 志摩市磯部町恵利原
電話番号
0599-46-0570 (志摩市観光協会案内所)
公共交通機関でのアクセス

近鉄「志摩磯部駅」から車10分、または伊勢方面行きバス10分「天の岩戸口」下車徒歩20分
JR「伊勢市駅」・近鉄「宇治山田駅」から宿浦・御座港行きバス約25分「天の岩戸口」下車

車でのアクセス

県道伊勢磯部線から2km 大型車は進入できません

駐車場

有 約20台 場所はこちら(Googleマップ)
https://goo.gl/HlwAez

周辺観光スポット

天の岩戸から近い観光スポットをいくつか紹介していきます!

志摩市観光農園

春はネモフィラ、夏はひまわり、秋はコスモス。季節の花々が美しい三重県が誇る花畑!

オープン期間は花が咲いているタイミングのみです。

花畑のほかに周辺に道の駅もありますので、お土産を買うのにもぴったり!

※天の岩戸(県道沿いの最初の鳥居) から 車で10分

名称

志摩市観光農園

住所
〒517-0213 志摩市磯部町穴川511-5(道の駅伊勢志摩)
電話番号

0599-44-0288

料金

300円
中学生以下は無料

駐車場

車でのアクセス

鵜方駅より車で10分

横山展望台

伊勢志摩国立公園の美しい景観を眺められる展望台!

「これぞ伊勢志摩」という写真を撮るなら絶対ここに行こう。

※天の岩戸(県道沿いの最初の鳥居) から 車で20分

名称

横山展望台(横山天空カフェテラス)・ミラドール志摩

住所
〒517-0501 志摩市阿児町鵜方875-20
電話番号

0599-46-0570

駐車場


・山上駐車場28台(一般23台、おもいやり3台、障害者用2台)
※展望台に最も近い駐車場です。数に限りがありますので、混雑時は規制がかかる可能性があります。予めご了承ください。

・創造の森駐車場(一般36台、おもいやり2台、障害者用2台、バス3台)
※展望台下の駐車場です。展望台へは、横山ビジターセンター横の歩道を利用し、徒歩でおあがりください。(徒歩約15分)

※坂道・階段が続きますため、動きやすい服装・靴でおあがりください。
※体調がすぐれない方やお体の不自由な方のご利用はお勧めしません。山上駐車場をご利用ください。

公共交通機関でのアクセス

近鉄鵜方駅からタクシー10分、または近鉄志摩横山駅下車徒歩40分

車でのアクセス

伊勢西ICから約40分
※山上駐車場(展望台に最も近い駐車場)までの道が狭いため、対向車には十分ご注意いただき、徐行運転にご協力ください。
※山上駐車場へのマイクロバスの進入は可能ですが、乗降車のみで駐車はできません。
※山上駐車場への中型・大型バスの進入はできません。創造の森駐車場のバス駐車場へ駐車のうえ、歩道(徒歩約15分)にて展望台へおあがりください。

まとめ

今回、人気のパワースポット「天の岩戸」へ実際に訪れてみて、このあたり一帯が「高天原」と呼ばれる理由がわかった気がします。

そのくらい神秘的な空気が漂う別世界で、天の岩戸の周辺は本当にひんやりとしていて空気が違うのを感じました。

私は同じような感覚を伊勢神宮に入ると感じるのですが、ここは静かな森の中にあるためその感覚をより感じました。

洞窟の水穴、禊滝、風穴、猿田彦の祠など、見どころがいっぱいの天の岩戸へぜひお参りください。

西岡莉央の画像

西岡莉央

伊勢志摩在住のナレーター・声優。
現在はWebCMや企業紹介のナレーション、ゲームの声優などのお仕事をメインに活動中。
ふたりの小さな男の子を育てるママでもあり、週末に家族でお出かけすることが楽しみ。

Instagram  https://www.instagram.com/rio_nishioka/ では
三重(伊勢志摩中心)のおでかけスポット・グルメ・宿など
リール動画で紹介しています。
今回の取材の様子もアップしています♪

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