的矢産牡蠣のカンカン焼きで、的矢牡蠣の旨味を手軽に自宅で楽しもう♪
掲載日:2019.03.15
海産物が豊富な伊勢志摩の特産品の一つが「牡蠣」。今回は、的矢産の牡蠣の美味しさを自宅で簡単に食べられる「牡蠣のカンカン焼き」を販売されている料理旅館「いかだ荘 山上(さんじょう)」さんにお邪魔しました。
矢湾産の旬の真牡蠣を急速冷凍。缶入りの牡蠣をそのままコンロに火をかけるだけで簡単にお召し上がりいただける「牡蠣のカンカン焼き」です。蒸し焼きされうま味が凝縮したジューシーな味わいをご家庭やBBQ等でお楽しみいただけます。
伊勢志摩の海は古来より伊勢神宮へ海産物を奉納する「御食国」として有名で、現在でも多くの漁場が栄えています。そんな伊勢志摩の特産品の一つが「牡蠣」。志摩市磯部町的矢では昭和初期から牡蠣の養殖が始められ、現在でも多くの養殖業者が生産に励んでいます。
牡蠣養殖に最適な漁場 的矢湾
今回取材に赴いたのは志摩市磯部町的矢。鏡のようにおだやかな的矢湾と、点在する小島が特徴的で美しい景観を作り出している地域です。この的矢湾は、さまざまな地理的な特徴から、牡蠣養殖に非常に適しているのです。
的矢湾は、牡蠣の餌となる植物性プランクトンがとても豊富です。これは、的矢湾の海流面積の15倍と言われる量の綺麗でミネラル豊富な河川の水が伊勢志摩国立公園から流れ込んでいることが大きな理由とのこと。
豊富な河川の水が海水と混ざることで、塩分濃度や水温が牡蠣の育成に適した環境になるのだそうです。また、太平洋を流れる黒潮が入り、そこに渡鹿野島(わたかのじま)が蓋をする形で位置しているので、海面は荒れることがなく穏やかで、牡蠣養殖のいかだなどを管理のしやすい環境になるそうです。この穏やかな環境のため、漁民は昔から荒天時の避難場所、風待港として使われていました。(台風の時でさえも的矢湾は穏やかなのだとか!)
丁寧な管理が行き届く養殖場
そんな的矢湾には多くの牡蠣養殖いかだやアオサノリの養殖網が所狭しと並んでいます。ひとつのいかだにおよそ10,000個の牡蠣がぶら下がっていて、生産者によって丁寧に管理されています。いかだから上がった牡蠣を見せてもらいましたが、殻が丸くて付着物も少なくとても綺麗な見た目。一目見ただけで品質の良さがわかります。
いかだに吊るす養殖ロープの数、また、ロープに吊るす牡蠣の数を細かくコントロールすることで、一つ一つの牡蠣に十分に栄養が行き渡り、どの牡蠣でも美味しくなるように育てられているとのことでした。
的矢の牡蠣を産地で食べるために出来た宿
いかだ荘 山上さんは、「垂下式養殖法」、「無菌かき」など、牡蠣養殖の技術に様々な革新をもたらし、「的矢かき」の名を世界的に広めた佐藤忠勇氏の「的矢かきを食べられる場所を作ってはどうか」というアドバイスから、創業者の伊坂博氏が1957年に創業した料理旅館です。現在は愛知・関西をはじめとして、全国から的矢かきを求める観光客を多く受け入れています。
いかだ荘 山上さんでは、食事の提供のみならず自社での牡蠣養殖や、宿泊客が持ち帰ることのできる加工品の開発・販売なども手がけ、近年では「一年中生で食べられる牡蠣」を日本で初めて開発しました。今回は、営業部長の濱地さんにお話を伺いました。
水産業のエキスパート
濱地さんは南伊勢町出身で、16歳のときに漁師になったことからキャリアをスタート。毎日命がけで魚を取りに行ったと語りますが、ある時キャリアの転機となるような出来事に出会います。
自分たちが命がけで獲った魚が一匹20円で売られ、市場にて880円で取引されていたという事実でした。この価格差に衝撃をうけた濱地さんは、魚の流通全てを勉強することを決意しました。
15年かけて漁師から仲買人、流通まで全ての業務を経験したのちにたどり着いた答えが、生産地での出荷額を高くするための価値づくり。そこでいかだ荘さんより後継者不足などの課題を聞いたことで、この場所でチャレンジすることを決意しました。
生産者、旅館業の目線から生まれた商品
そんないかだ荘さんが販売している「牡蠣のカンカン焼き」は、的矢産の牡蠣を一番美味しい状態で食べてもらいたいという想いと、長年料理旅館として全国の宿泊客を受け入れてきた旅館の目線から生まれた商品です。
「牡蠣の調理に慣れていない方でも、的矢の牡蠣を簡単に美味しく食べてもらう」というコンセプトを追求したこのカンカン焼き。調理はとっても簡単です。
カンカン焼きの缶をコンロに乗せて、15-20分中火にかけるだけでOK。これなら調理に慣れていないからでも美味しく出来ますね。自宅で牡蠣の調理となると、魚焼きのグリルを使うことも多いかと思いますが、殻が弾けたりして掃除が大変な印象もありましたが、牡蠣のカンカン焼きならグリルも汚さないので本当に手軽です。
また、商品には香りの立たせ方などが記載されているこだわりのレシピと、牡蠣向き用の軍手にナイフが付いているので、他に準備するものも必要ありません。
的矢産の牡蠣は水分量が多く瑞々しいので、加熱時に中で十分な蒸気がまわり、いわゆる蒸し焼きの状態になります。出来上がりがプリッとしていてジューシー。一口頬張ると口の中に旨味が広がります。また、牡蠣特有の臭みもないので、牡蠣が苦手な方でもこれならば食べられるのではないでしょうか。
旬の時期の牡蠣を、鮮度保持して保管しているので、季節を問わず買えるのも嬉しいポイントです。冬場は自宅で、夏はバーベキューなどで便利に使える牡蠣のカンカン焼き。ご自宅で的矢産の牡蠣の旨味を十分にご堪能ください。