世界遺産“熊野川”を悠々と船旅。川風を受けて進む「三反帆」を体感!~熊野川体感塾~
掲載日:2021.03.24
熊野古道沿いに発展してきた山や川で暮らす人々の生活文化が今でも大切に残されている「熊野川流域」。「川の参詣道」として世界遺産にも登録されている熊野川は、長い歴史のある川です。今回はこの川沿いで、川舟を作り続け、その魅力を伝え続けている「熊野川体感塾」へ行ってきました!まるで平安・鎌倉時代の上皇たちの気分になって悠々と流れる熊野川を遊覧。歴史を感じながらの船旅は一味違いました。
三重県の最南端、大自然に囲まれた紀宝町。
雄大な熊野川沿いにある「熊野川体感塾」へやってきました!
雄大な熊野川沿いにある「熊野川体感塾」へやってきました!
迎えてくれたのは、この川沿いで唯一、今なお川舟を作り続けている舟大工の谷上嘉一さん。今から13年ほど前、熊野川が世界遺産に登録される際に、長い歴史ある「三反帆(さんだんぼ)」を後世に伝え、紀宝町を元気にしたい!と地域の仲間たちと三反帆の遊覧体験を行う「熊野川体感塾」を立ち上げました。
「三反帆」ってどんな舟なのだろう・・・?
そんな疑問と期待を胸に体験へ。
まず体験のはじめには、当時の貴重な写真を見せてもらいながら、熊野川の歴史を教えてもらえました。
そんな疑問と期待を胸に体験へ。
まず体験のはじめには、当時の貴重な写真を見せてもらいながら、熊野川の歴史を教えてもらえました。
もともと熊野川は、平安・鎌倉時代に熊野本宮大社を参拝した上皇たちが、舟で川を下ったことから、「川の参詣道」とも言われていました。
昭和30年代半ばまでは一家に一隻は船を持ち、川の道路で生活物資の運送や人の移動、漁をしたりと、人々の交通のメインとなり、川舟がたくさん行き来していた時代もあったそうです。
昭和30年代半ばまでは一家に一隻は船を持ち、川の道路で生活物資の運送や人の移動、漁をしたりと、人々の交通のメインとなり、川舟がたくさん行き来していた時代もあったそうです。
しかし、昭和30年頃になると道路ができ、舟での運送の役割は終わりを迎え、川船の文化は途絶えてしまったといいます。
このような歴史ゆえに、熊野川は世界で初めて「川の参詣道」として世界遺産に登録されることとなったのです。
このような歴史ゆえに、熊野川は世界で初めて「川の参詣道」として世界遺産に登録されることとなったのです。
知識を深めたところで、「さっそく三反帆に乗ってみましょうか!」と谷上さん。
熊野川体感塾のすぐ目の前にある熊野川までは、歩いて1分ほどです。
熊野川体感塾のすぐ目の前にある熊野川までは、歩いて1分ほどです。
こちらが、川舟「三反帆」(全長8.6m×幅1.6m)。
最大8人まで乗ることができる大きさです。
“暴れ川”とも言われる熊野川の激しい流れに対応するため、川舟全体の形状、断面、船底のくぼみ、板や釘などの材料に至るまで、全ての面で細かい工夫がされており、どんな川の条件にも対応できる精緻な構造になっています。
川船に使用する木材は、スギ、ヒノキ、ケヤキ、カシの4種類。すべて熊野川流域の森林から調達していて、それぞれの木の特性に合わせ使い分けられているそう。昔の人たちの知恵を受け継いでつくられている舟なのです。
最大8人まで乗ることができる大きさです。
“暴れ川”とも言われる熊野川の激しい流れに対応するため、川舟全体の形状、断面、船底のくぼみ、板や釘などの材料に至るまで、全ての面で細かい工夫がされており、どんな川の条件にも対応できる精緻な構造になっています。
川船に使用する木材は、スギ、ヒノキ、ケヤキ、カシの4種類。すべて熊野川流域の森林から調達していて、それぞれの木の特性に合わせ使い分けられているそう。昔の人たちの知恵を受け継いでつくられている舟なのです。
「三反帆」の特徴はそれだけではありません!
「三反帆」は、熊野川独特の風をうまく利用し、その名のとおり3枚の帆を帆柱に掲げ風を捉えて進むことができる舟なのです。
いい風が吹いてきたところで、いよいよ3枚の帆布が支柱に揚げられました!
風を受けて、パンっ!と張る帆。
ぐんぐん風に押されて滑るように船が進んでいきます。
「三反帆」は、熊野川独特の風をうまく利用し、その名のとおり3枚の帆を帆柱に掲げ風を捉えて進むことができる舟なのです。
いい風が吹いてきたところで、いよいよ3枚の帆布が支柱に揚げられました!
風を受けて、パンっ!と張る帆。
ぐんぐん風に押されて滑るように船が進んでいきます。
乗船中は、熊野川体感塾オリジナルの三度笠(さんどがさ)を被ります。まるで、当時の上皇たちのような気分になって(!?)悠々と流れる熊野川を進んでいきましょう。
聞こえてくるのは、風と川、鳥の声・・・。ゆったりと、時には力強く、風に任せて進んでいきます。
そうして、目の前に見えてきたこの島は、世界遺産「御船島(みふねじま)」。
そうして、目の前に見えてきたこの島は、世界遺産「御船島(みふねじま)」。
熊野速玉大社の境内の一部で、熊野速玉大社の例大祭「御船祭(みふねまつり)」の祭礼の場となる島で、この「御船祭(みふねまつり)」も実に、1000年以上もの歴史があるのだとか。
谷上さんはこのお祭りのために毎年100本もの櫂(かい)を作っています。
世界遺産「熊野速玉大社」へ参拝したい方は、「熊野速玉大社」近くで降ろしてもらえば、そのまま向かうこともできますよ!
帰りは、上りの風を利用して進みます。
行きとは違い、なぜか川原ギリギリを進む、谷上さん。
「この風だと、川原ギリギリを進む方が早く進むんですよ」と、風をよみながら絶妙に舵をとられていたことが分かりました。
行きとは違い、なぜか川原ギリギリを進む、谷上さん。
「この風だと、川原ギリギリを進む方が早く進むんですよ」と、風をよみながら絶妙に舵をとられていたことが分かりました。
子どものころから、熊野川と共に暮らしてきた谷上さん。昔から舟が好きだったことから、なんと独学で舟作りをスタートされたそうです。そして13年前に川舟「三反帆」を復活させ、今でもその魅力を伝え続けています。
「特に夏は子どもたちがたくさん遊びにきます。私の小さかったころの川での遊び方の話をすると、興味津々で聞いてくれますよ」と、谷上さん。
今の時代では忘れがちな、自然と触れ合い生きることの素晴らしさ教えてくれました。
「特に夏は子どもたちがたくさん遊びにきます。私の小さかったころの川での遊び方の話をすると、興味津々で聞いてくれますよ」と、谷上さん。
今の時代では忘れがちな、自然と触れ合い生きることの素晴らしさ教えてくれました。
約2時間半の船旅を終えたあとに、作業場も見学させてもらいました。
整頓された道具の数々、谷上さんの舟職人としての気質が伝わってきます。
整頓された道具の数々、谷上さんの舟職人としての気質が伝わってきます。
お土産として、こちらの札をいただけました。
この札は、船と同じ材料で作られていて、旅の良い記念になりますね!
熊野川体感ツアーを通して強く記憶に残るのは、なんといっても世界遺産「熊野川」の雄大な景色。
大自然の中で、悠久の歴史に思いを馳せる時間をみなさまもぜひ体感してください!
コロナ対策については、手指消毒の徹底。
密を避けるため一隻に乗船できる人数を減らしながら運行しています。
この札は、船と同じ材料で作られていて、旅の良い記念になりますね!
熊野川体感ツアーを通して強く記憶に残るのは、なんといっても世界遺産「熊野川」の雄大な景色。
大自然の中で、悠久の歴史に思いを馳せる時間をみなさまもぜひ体感してください!
コロナ対策については、手指消毒の徹底。
密を避けるため一隻に乗船できる人数を減らしながら運行しています。
名称
熊野川体感塾
住所
南牟婁郡紀宝町北檜杖203
電話番号
0735-21-0314
料金
体感料:
9,000円(1名)
4,500円/人(2名)
3,500円/人(3名以上)
貸切舟:35,000円
営業時間
9:00~17:00
休日
通年(予約制)
公共交通機関でのアクセス
JR新宮駅から車で約15分
車でのアクセス
紀勢自動車道・熊野大泊ICから国道42号を南へ約1時間
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