坂手島の観光ガイド:歴史・絶景を巡る日帰りコースをご紹介
鳥羽マリンターミナルから約10分の船旅で行ける坂手島は、「坂手海水浴場」や「江戸川乱歩の住居跡」など、景色や歴史を楽しめる名所があります。この記事では、坂手島の日帰り観光コースや船での行き方をご紹介します。
記事制作 / みえ旅カメラ部 ふがまるちゃん
▼ 目次
坂手島とは?
坂手島は、鳥羽港から東へ約600mのところに浮かぶ島で、周囲は約3.8kmの小さな島です。
交通手段は船のみで、鳥羽港から定期船に乗ると約10分でアクセスできます。
目の前に坂手島が見えるほど鳥羽港から近く、気軽に離島気分を味わえます。
島内には美しい砂浜ビーチの坂手海水浴場や、江戸川乱歩ゆかりの建物があるなど、景色や歴史巡りを楽しめますよ。
約2時間で島内の名所を回れるので、離島巡りが初めての方でも観光しやすいと思います。
この記事では、坂手島の名所や日帰り観光コース、船での行き方を詳しく解説します。
坂手島への行き方
鳥羽港(鳥羽マリンターミナル・中之郷)から出航する鳥羽市営定期船に乗ることで、坂手島にアクセスできます。
この船には坂手島行きの便があり、片道料金は大人220円(小人110円)です。
帰りの乗船券は島内の定期船待合所で販売しており、船着き場を降りてすぐのところにあります。
ここには男女別の公衆トイレが併設されているのですが、島内の公衆トイレはここ以外にないのでご注意ください。
乗船の注意点について
荒天時には欠航する場合があるため、事前に天気予報を確認してから計画を立てましょう。
また、船の便は1時間以上の間隔が空く時間帯もあるため、定期船の時刻表を把握しながら行動すると安心です。
定期船の時刻表は鳥羽市営定期船の公式サイトで確認できますよ。
坂手島の名所・観光スポット
ここでは、坂手島のおすすめ観光スポットや名所をピックアップして紹介します。
各スポットには地図(Google Maps)のリンクも紹介していますので、訪れる際にはぜひ参考にしてください。
坂手漁港
坂手漁港は船着き場のすぐ近くにあり、気軽に立ち寄ることができます。
ここは、海の透明度が非常に高く、泳いでいる魚が肉眼でも見えるほどです。
大潮の時には、船の影が海底に映り込み、まるで船が宙に浮いているかのような錯覚を楽しめますよ。
江戸川乱歩の住居跡
ミステリー小説作家「江戸川乱歩」の住まいがあった場所が今も島内に残っています。
建物は撤去されましたが、かつてはここで江戸川乱歩が妻と2人で暮らしていました。
この場所は船着き場近くの高台にあるのですが、周辺に案内看板はないので知る人ぞ知る名所です。
行き方としては、定期船待合所の裏手から集落の路地に入り、少し歩いた先にある角を左折して、高台へと続く階段を登った先に住居跡がありますよ。
左折する角には赤っぽい外観の家屋があるので、それが目印になると思います。
隆さんの生家(村万商店)
島内の集落には江戸川乱歩の妻「村山 隆」さんの生家があり、「隆さんの生家」と呼ばれる名所にもなっています。
ここはかつて雑貨商店だった場所で、ピンク色の特徴的な壁が当時の面影を残しています。
若宮神社
若宮神社は、この島の産土神を祀る神社で、船着き場から徒歩6分ほどの距離にあります。
明治41年(1908年)、島内にあった10ほどの社が合祀され、若宮神社と称されるようになりました。
大杉に囲まれた境内はとても静かな雰囲気で、日常の喧騒を忘れさせてくれます。
水路の音や小鳥のさえずりが心地よく耳に入ってくるので、心身ともにリラックスできますよ。
旧坂手小学校
旧坂手小学校は2012年に閉校した小学校で、江戸川乱歩が妻(村山 隆)と出会うキッカケになった場所でした。
その昔、江戸川乱歩は鳥羽造船所で働くかたわら、同僚たちと「鳥羽おとぎ会」を結成し、鳥羽周辺の小学校を回ってお話会を開催していました。
その時に出会ったのが坂手小学校で教師をしていた村山 隆さんで、大正8年に結婚されました。
そんな素敵なエピソードのある旧坂手小学校ですが、校庭は海を一望できる絶好のロケーションなんです。
島民の人曰く、元旦のころには校庭の真ん中に初日の出が昇るのだそう。
校庭は自由に散策できるので、ここでお弁当を食べながら海を眺めるのもおすすめです。
姫の浜
姫の浜は坂手海水浴場の近くにある小さな浜で、倭姫命伝説の場所として知られています。
倭姫命は、2000年前に神託により伊勢神宮内宮の鎮座を定めたとされる皇女で、彼女が上陸した場所と伝わることから「姫の浜」と呼ばれています。
綺麗な海を近くで眺められる場所でもあるので、散策スポットとしてもおすすめです。
坂手海水浴場
坂手海水浴場は坂手島の東端にある砂浜で、船着き場から徒歩10分ほどの距離にあります。
浅瀬が続く浜なので海水浴も楽しめますが、透明度抜群の海を眺められる絶景スポットでもあります。
訪れた時は泳いでいる魚が見えるほど透き通っており、エメラルドグリーンに輝く海面はまるで宝石のような美しさでした。
波は穏やかなので、波打ち際を散策すると心地よい潮風と波音に癒されますよ。
浜の近くには屋根付きのテーブルデッキがあり、ここで海を眺めながら休憩するのもおすすめです。
答志島や菅島、神島など、鳥羽の離島を眺められるポイントでもありますよ。
坂手島の日帰り観光コース
ここでは、坂手島の観光スポットや名所巡りを楽しむ日帰りコースをご紹介!
所要時間は3時間程度で、鳥羽マリンターミナルから12時55分発の定期船に乗って坂手島へ向かうプランになります。
※船のダイヤは2023年3月時点のものです。最新の時刻表は鳥羽市営定期船の公式サイトをご覧ください
【11:30】佐田浜第1駐車場
鳥羽市の佐田浜第1駐車場に車を停めて、旅のスタート!
ここから鳥羽マリンターミナルまで徒歩数分の距離とアクセス良好です♪
駐車料金は車種のサイズによって異なり、普通・軽自動車の料金は次のとおりです。
最初の1時間まで:無料
1時間〜2時間:500円
2時間〜5時間:1時間ごとに300円
5時間超え:1時間ごとに100円
24時間の最大料金:2,000円
この観光プランでは帰りの船が鳥羽マリンターミナルに15時10分に到着するため、駐車料金は1,100円が目安です。
【11:40】乗船券の購入
鳥羽マリンターミナルに着いたら、鳥羽市営定期船の乗船券を購入します。
坂手島までの運賃は片道220円で、往復きっぷの販売はないのでご注意を。
帰りの乗船券は、坂手島にある定期船待合所で購入できますよ。
【12:00】交流ラウンジで食事
鳥羽マリンターミナル2Fの交流ラウンジには喫茶店が併設されています。
坂手島には観光客用の飲食店がないので、ここで伊勢うどんを注文して昼食タイムとしました。
窓際のテーブル席に座ると、青く美しい鳥羽湾を眺めながら待ち時間を過ごせますよ。
【12:45】定期船に乗船
坂手島行きの船は数種類あり、どの船に乗れるかは乗船までのお楽しみ♪
この日はレトロな見た目が印象的な「第二十八鳥羽丸」に乗船しました。
船の2階はデッキ席となっており、潮風を感じながらの船旅を楽しめますよ。
屋根があるので日差しは緩和されますが、乗船中は波しぶきにご注意ください。
1階の座席は完全屋内で、風や波しぶきが入ってくることはありません。
【13:05】坂手島に到着
鳥羽マリンターミナルを出航して、約10分の船旅で坂手島に到着!
あっという間に到着したので、距離の近さに驚きました。
船着き場を出てすぐのところには、定期船待合所があり、帰りの乗船券はここで購入します。
帰りは15時の便に乗るので、14時40分頃にここへ戻ってくるのが目安です。
【13:10】集落の路地を散策
定期船待合所の裏側には集落の路地があり、ここを歩きながら島内の名所を巡っていきます。
路地の両側には趣のある民家が密集しており、まるで昭和にタイムスリップしたような気分になります♪
【13:15】隆さんの生家
集落の路地に入って数分歩くと、広場の一角にたどり着きます。
ここにあるピンク色の建物が「隆さんの生家」と呼ばれる名所で、江戸川乱歩の妻「村山隆」さんの生家です。
かつては雑貨商だった建物ですが、当時の面影が現在でも残っています。
この建物の右奥にある細い路地を進んでいくと、「若宮神社」へと繋がります。
【13:20】若宮神社
「隆さんの生家」から1分ほど歩いて、若宮神社の鳥居に到着。
境内は、島民の方々によって毎日掃除されているそうで、鳥居の周辺には葉っぱの1つも落ちていないほど綺麗に清掃されていました。
鳥居の右奥にある坂道を登っていくと、旧坂手小学校に繋がります。
【13:30】旧坂手小学校
若宮神社近くの坂道を数分歩くと、旧坂手小学校の校門が見えてきます。
ここは2012年に廃校となったのですが、校庭は島内屈指の見晴らしポイントなんです。
こちらが校庭からの眺めで、周辺の離島や海を見渡せる絶好のロケーション!
校庭から集落へと続く坂道を下って、坂手海水浴場方面へ向かいます。
校庭からの坂道を下ると、堤防沿いを歩くルートになり、この先に坂手海水浴場や姫の浜があります。
周辺の離島や海を見渡しながら歩けるので、島旅を感じられるポイントの1つです。
【13:50】姫の浜
堤防沿いを5分ほど歩くと、倭姫命の伝説がある「姫の浜」が見えてきます。
その伝説によると、倭姫命はこの浜でよく遊んでいたそうで、それが由来して「姫の浜」という名称になったのだそう。
【13:52】坂手海水浴場
姫の浜を通り越してすぐのところに坂手海水浴場があります。
浜辺には東屋もありますので、海を眺めながらのんびり過ごすのはいかがでしょうか?
帰りは堤防沿いを歩きながら集落の路地に入ると、階段を登らずに船着き場へ行けますよ。
このルートなら坂手海水浴場から船着き場まで徒歩20分ほどの距離です。
15時発の船に乗る場合、坂手海水浴場を14時20分頃に出るのが目安です。
余った時間で、江戸川乱歩の住居跡を巡ったり、坂手漁港の綺麗な海を眺めながら船を待つのはいかがでしょうか?
まとめ
坂手島の観光スポットや名所、日帰りコースをご紹介しました。
鳥羽港から10分の船旅で行けるため、気軽に訪れることができるのも坂手島の魅力です。
美しい自然と歴史にあふれた坂手島へ、ぜひお越しください。
ふがまるちゃん(撮影・記事制作)
観光三重のみえ旅カメラ部に所属し、三重を撮る写真家としてTwitter・Instagramを中心に活動中。三重の風景を無料配布する三重フォトギャラリーと三重の旬な情報を発信する三重のええとこ巡りを運営。