伊勢志摩サミットの乾杯酒にも採用された伊賀の老舗酒蔵に潜入!【半蔵 神の穂セット】
掲載日:2019.03.16
伊勢志摩サミットのディナーでも提供された話題の日本酒「半蔵」を手がける伊賀の造り酒屋、大田酒造さんの自信作「半蔵 純米大吟醸 山田錦・特別純米酒 神の穂セット」をご紹介します。
伊勢志摩サミットのディナーでも提供された話題の日本酒「半蔵」のセット商品です。
三重の米どころ、伊賀市は酒造業も盛ん。今回は、伊勢志摩サミットのディナーでも提供された話題の日本酒「半蔵」を手がける大田酒造さんにお邪魔してきました。
伊賀の地で127年
株式会社大田酒造さんは、明治25年創業の老舗酒蔵です。昔ながらの厳寒期に手作業で仕込む、お米の旨みを生かした酒造りが特徴です。
2016年に開催された伊勢志摩サミットでは乾杯酒にも採用されるなど、国内外からの評価も高いです。今回は、専務取締役の大田智洋さんにお話を伺いました。
伊賀の風土が美味いお酒を作る
酒造りに重要な要素が「米」と「水」、そして「気候」です。
かつて琵琶湖の湖底だったとされる伊賀の地は、土がとてもきめ細かく、粘土質です。こういう土地は米作りに適しており、伊賀の米作りを支えています。
水系を見てみると、大阪湾に流れ込む淀川の源流域で、不純物の少ない、綺麗な水が土地を潤しています。大田酒造さんでは、お酒を仕込む蔵内にある井戸で水をくみ上げており、この水は四方の山々から流れ出て伊賀盆地に浸透した豊富な清水が、良質のミネラル成分を含む軟水の伏流水となっているものです。
気候は、周りを山で囲まれた内陸型の寒暖差が激しい気候。冬は底冷えのする寒さになります。お酒は、15度くらいを最高温度とする低温で醗酵させなければならないと言われているので、なるべく寒い気候が条件となります。また、寒いほうが、雑菌の繁殖が少なく、雑味の少ないお酒ができるのです。
このように伊賀の土地は、酒造りにとても適している地と言え、当地では古くから多くの酒蔵が、個性豊かな日本酒を醸しています。
忍び装束でPR
大田酒造さんが取り扱っているのは「半蔵」という銘柄。この名前は、かの有名な忍者、服部半蔵が由来となっています。
半蔵が生まれたのは約20年前。それまでは「東海白鷺」という銘柄のお酒を造っていた大田酒造さんでしたが、伊賀市合併を機に県外への販路開拓にも挑戦することに。県外で売っていくには伊賀らしさを全面に出した名前が良い、ということで「半蔵」が誕生しました。販売当初は大田専務も忍者の衣装を着て全国、さらには海外までも飛び回りPRに励んだそうです。
海外でも高評価
忍び装束での海外PR効果もあって、現在では全体の約1割が海外での売上。特に香港では日本食が浸透したこともあり、多くのレストランで半蔵が取り扱われているそうです。
半蔵はその後、「三重県知事賞」受賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で4アイテムが金賞受賞するなど、国内外で高い評価を受け、三重を代表する酒造メーカーのひとつとして広く知られることとなりました。
今回ご紹介する商品は、「神の穂」と「伊賀山田錦」という異なる種類の酒米から生まれたお酒のセットです。お米の特徴を大田専務にご説明いただきました。
やさしい口当たりと米の旨味が特徴の「神の穂」
現在、大田酒造さんの商品ラインナップの半数以上で使われている酒米が「神の穂」。この酒米は、三重県が12年の歳月をかけて開発した酒造好適米です。
「神の国で造られた美味しい酒米」という意味が込められて名付けられたこのお米で仕込むお酒は、やさしい口当たりと米の旨味が特徴です。お酒だけを楽しむのではなく食中酒として、食事をより一層引き立ててくれる味わいです。
平成19年の販売開始以降、神の穂を使う蔵も増え、伊賀市内における作付面積も年々増えているそうです。
今回紹介する「半蔵 特別純米酒 神の穂」は、そんな神の穂を磨いて醸した一品。冷やからお燗まで楽しめ、半蔵ブランドを初めて飲む方にオススメの一本です。
落ち着いた上品な大人の味が特徴の「伊賀山田錦」
もう一つの酒米は定番の山田錦。この酒米で仕込んだ大吟醸酒は、特有の華やかな香りと上品な味わいが特徴です。
「純米大吟醸 半蔵 赤ラベル」は、伊賀産山田錦を使用。山田錦ならではの吟醸香とふくらみのある心地よい味わいを感じることができます。常温か冷やして飲むのがオススメです。
次世代へつながる歴史
酒造りの現場を訪れると、若い青年とベテランの蔵人さんが出迎えてくれました。ベテランの蔵人さんは岩手出身の杜氏、藤井さん。毎年酒造りの時期に岩手から三重まではるばる来て、大田酒造さんの酒造りを支えています。突然の訪問にも快く応じてくれ、醪(もろみ)の試飲までさせていただきました。
その藤井さんが指導している若い青年は智洋さんの息子さんで、大田酒造7代目の大田有輝さん。聞くと、有輝さんは昨年「&(アンド)」という純米酒を仕込み、蔵人としての一歩を踏み出したばかりだそうです。120年も続く歴史のある会社を継ぐことのプレッシャーは並大抵のものではないと思いますが、先代の想いを受け止め、自分たちの時代を作るんだという気概に満ちた有輝さんの表情をみると、伊賀のお酒の未来は明るいと感じました。
老舗の酒造メーカーが渾身の想いを込めて仕込む日本酒を、ぜひお試しください。